ガラパゴスタ

楽する。楽しむ。生み出す。

条件付きタスク(Conditional Task)

条件付きタスク(Conditional Task)とは、「タスクの記述(タスク名など)」の中に そのタスクを実行するべき条件 を記述したものです。

記述の違い

普通のタスク:

  • YYYY をする

条件付きタスク:

  • もし XXXX なら YYYY をする

条件付きタスクの実行方法

タスクの記述を読み、条件について解釈して、もし条件が当てはまれば通常どおり処理します。

逆に、もし条件に当てはまらなければ、そのタスクは処理しません。これを 不発 と呼びます。

不発時の対処

不発時にどう対処するかについては、二通りのやり方があります。

  • 1: スキップ(翌日以降に繰り越す)
  • 2: 消す

基本的には 1 のスキップを使います。この場合、何日後あるいは何月何日に再設定するかを決めねばなりません。機械的に「とりあえず明日で」「来週月曜日でいいか」と飛ばすやり方や、「明後日以降は空いてそうだから明後日にするか」のように都度判断するやり方などがあります。

2 の削除については、思い切った対処ではありますが、これは条件が当てはまらない(特に何度もスキップしている)条件付きタスクについては「そもそも不要なものではないか」という可能性があるため、思い切って削除してしまおう、という対処になります。

暗黙的な条件付きタスク

タスクには「もし XXXX なら」という明示的な記述をせずとも、条件付きタスクとして振る舞うものがあります。

このようなタスクは 暗黙的な条件付きタスク と呼びます。記述を見た限りではアクションや指示しか書かれていませんが、実際はそれを実施するかどうかという判断(条件判断)を行っています。

暗黙的な条件付きタスクは便利ですが、都度判断が発生する(注意資源を消費する)せいで疲労しやすく、また見積もしづらいといったデメリットがあります。「暗黙的な条件付きタスクをセットしているから安心だね」ではなく、暗黙的な条件付きタスクを使わずとも済むような、コンパクトなタスクリストの構築を目指しましょう。

早寝早起きの意義は「マックススタート」と「アクティブスタンバイ」にある

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早寝早起きの意義は多種多彩ですが、生産性や集中という観点で捉えた場合は、結局のところ「マックススタート」と「アクティブスタンバイ」にあるのではないかと思っています。

マックススタート

朝は脳にとってはベストコンディションです。睡眠による脳内情報の整理・再構築が済んだ後であり、かつ疲労も取れているからですね。いわばコンディションという名のライフポイントがマックス(最大)なのです。

この状態で、(特に集中を要する知的)活動をすることを マックススタート と僕は呼んでいます。

朝はゴールデンタイム

朝は ゴールデンタイム とも呼ばれ、最も優れた集中とパフォーマンスを発揮できる時間帯です。

しかし通常、何も意識しなければ朝は慌ただしい準備や通勤に充てられます。もったいないことです。

早寝早起きをする

しかし、早寝早起きをすると、もっと有意義に使えます。

たとえば 8 時に出社のため自宅を出る場合、7 時起きだと 1 時間しか使えません。実際は朝食や準備もあるでしょうから、数十分も使えないでしょう。しかし、これをたとえば 6 時起きにすると、準備と朝食を 30 分で済ませたとしても、 1.5 時間の余白 があります。

僕も最近、たまに 6 時起きを試しているのですが、ブログや電子書籍、小説など執筆が明らかに捗ります。一方、夜、仕事から帰った後だと、嘘のように何もひらめきません。

マックススタートのコツ

そんな朝のゴールデンタイムには、集中を要する知的活動を充てたいものです。

これは何も作家やプログラマーといったものづくりに限らず、「仕事について振り返りたい」「本を読みたい」「忙しくなる今週の段取りを考えたい」といったことも対象です。つまりは冴えた頭を存分にフル活用したい仕事ですね。

しかしながら、朝起きた後に「今日は何やろうかな」といちいち考えるのは、少しもったいないです。いきなりフルスロットルでマックススタートしたい。

僕がオススメするコツは 前日のうちに何をするか決めておくこと です。それも具体的に何をするかというレベルで記しておきます。

たとえば直近一週間について振り返りたい場合は、

  • 手帳を手元に持ってくる
  • パソコンの日記ファイルを開く
  • スマホのメモアプリを開く
  • パソコンに新しいテキストファイルをつくる
  • 手帳の直近一週間を読み返して、思いついたことをテキストファイルに書きなぐる
  • 日記ファイルを読み返して、同上
  • メモアプリを読み返して、同上
  • ……

このレベルです。このレベルで具体的に何をやるかを書いておきます。

そして明日の朝になったら、これを読んで、すぐに行動開始します。

一時間くらいあっという間です。マックススタートすごい。

アクティブスタンバイ

マックススタートを行った後、脳はかなり活性化しています。知的活動はまだまだ行える状態です。言うなればすぐアクティブになれる状態になっているわけですね。これを アクティブスタンバイ と僕は呼んでいます。

アクティブスタンバイのメリット

アクティブスタンバイ状態だと、仕事にもすぐに集中できます。スポーツでたとえるなら「もうウォーミングアップは済ませてますよ」みたいなものですからね。みんなが体を温めている間、もう練習に入っている――そんなイメージです。

ここで、「別に仕事は急いで集中するものでもなくない?」と言われると、そのとおりですが、アクティブスタンバイのメリットはそこではありません。 集中に入るまでの過程を省略できる ことこそがメリットだと思っています。集中に入るとパフォーマンスも上がりますし、心地も良いですが、逆に入れないとイライラしてストレスになります。「あーもう!さっさと入れよ!」と叫びたくもなっちゃいます。僕の経験では、アクティブスタンバイだと、そのようなことが起きづらくなりました。

つまり何が言いたい?

僕が言いたいのはこういうことです。

  • 早起きしてマックススタートする
  • 出社する
  • 仕事する ★アクティブスタンバイになってるのですぐに集中できる

つまりマックススタートでゴールデンタイムを満喫しつつ、頭を温めることができるので、そのままアクティブスタンバイにも入れて仕事にもすぐ集中できるというダブルの恩恵があります。マックススタートとアクティブスタンバイは併用したいところです。

アクティブスタンバイのコツは?

アクティブスタンバイを生かすためには、やはりコツがあります。

  • コツ1: 事前に段取りを整えておく

マックススタートと同じですが、出社直後にすぐ集中できるよう、やることを事前に整理しておくと捗ります。

僕の場合、前日の帰る前に「明日午前はこれをやる!」「明日午前中ならメールとか見なくても大丈夫そうだ」といったことを確認&整備して、明日の朝は「これをやる!」に従うだけで済むようにしています。おかげで、出社直後にすぐ集中できています。

  • コツ2: 通勤中はストレスを溜めない&緩く負担をかける

出社までの間に通勤がありますが、ここで消耗してしまうと、せっかくのアクティブスタンバイが弱まってしまいます。

そうならないよう、通勤中はストレスをかけないことと、頭にゆるい負担をかけて持続させること、の二つが必要です。

僕の場合、遊びに関する考え事のネタ(小説やブログのネタが多いですかね)をいくつかメモしておいて、それを通勤中に検討するようにしています。あるいは本を読むこともあります(小説等よりは、あまり集中せずともノウハウを拾って考え事を行えるビジネス書がおすすめです)。

おわりに

どちらも造語ですが、早起きの意義はマックススタートとアクティブスタンバイにある――そう考えると妙にしっくり来たので、今回取り上げてみました。

タスク管理を知っている人でも楽しめる『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門』

倉下さんの新刊、『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門』を読んでみました。僕はタスク管理について既に知っている(と自分では思い込んでいる)人間ですが、色々と学びがあり、また楽しくもあった一冊でした。

本について

全般

「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 (星海社新書)

「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 (星海社新書)

  • 「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門
  • 倉下 忠憲 (著)

内容について

タスク管理を全く知らない方向けに、タスク管理について解説した本です。タスク管理の意義、概要、前提知識、運用方法、その他遭遇しがちな問題とアドバイスまで網羅的に扱われています。

対象読者と期待する効果

タスク管理について知らない方から、既に知っている方まで、幅広く活用できる本だと思います。

タスク管理について知らない方:

  • 「タスク管理」という、なんだかよくわからない概念について理解できる
  • どうすれば「タスク(やること)」を効率的に扱えるのか、ヒントを得ることができる

タスク管理について知っている方:

  • 自身の「タスク管理」に対する誤った理解を知ることができる
  • 「タスク管理」という「捉え方は人それぞれ」な概念について、一つの解釈を知ることができる
  • 「タスク管理」あるいは周辺知識に関する、知らなかったことを、知ることができる
  • 「タスク管理とは何か」の探求や「どうやって初心者向けに説明するか」の検討といった「創造的な遊び」に関するインプット、ヒント、刺激などになる
  • 時折読み返すことで「自分にとってタスク管理とは何なのか」を見直すきっかけになる

本書を読んで知らなかったことをひたすらメモする

ここからは感想を書きます。

僕が個人的に「これ知らなかったなー」と思ったことや「へー、そんな視点もあるんだ」と抱いた気付きなどを雑多に書き殴っていきます。 たぶんタスク管理を知っていること前提の、マニアックな内容になるかと思いますがご容赦ください……

表現や国語に関するもの

ホームポジション

本書ではタスク管理の例として、著者のコンビニバイトでの経験を記しています。曰く、タスク(やること)をレシートの裏に書いて、レジの釣り銭受けに貼り付けていた と。

これについて

レジ前がホームポジション

と表現されています。

この「ホームポジション」という言葉は、秀逸なネーミングだと思いました。

タスク管理においては「タスクが書いてある何か(手帳だったりスマホだったりパソコンだったり)」を見る、タスクを処理する、またそれを見る、タスクを処理する……というふうに、その何かを一日に何十回、何百回と見ることになるわけですが、この何かに対する名前はありませんでした。

ホームポジション。

非常に簡潔でわかりやすい言葉だと思います。

※僕は「エントリーポイント」と呼んでいました。これはプログラミング用語でいう main 関数のような「プログラムのはじまり」を指す言葉ですが、わかりにくいことこの上ない。

実地的

タスク管理は学術的に研究され、体系化されたものではありません。ライフハッカーやらブロガーやらが各個人で好き勝手に探求してきたものが適当に広がっている(一部がバズって大衆向けにも出てきたりする)、という感じの世界です。

このような現状を言葉でどのように表現しようか、(タスク管理についての記事を書いている)僕は悩んでいたのですが、本書では明快に表現しています。

ビジネスパーソンやコンサルタントがこの分野を実地的に研究

実地的。

この言葉を見た途端、すとんと腑に落ちた感触がありました。わかりやすいぜ……。

割り込みと脱線

本書では外部から来るのが割り込み、内部から来る(自分の気の緩みとか)のが脱線と書いています。

僕は「内発的割り込み」「外発的割り込み」のように「割り込み」でくくっていたのですが、「脱線」の方が自然でわかりやすいですよね。

リネーム法

中々消化されずに残り続けているタスクに対して、本書ではリネーム法を提唱しています。

要はタスクの記述(名前)を変えてみるということです。

例:沖縄旅行行きたい → 沖縄観光サイト検索結果一番上を10分だけ読んでみる

一度登録したタスクの記述を変える、というアイデアは、当たり前のようで僕は意識してなかったので、へぇと思いました。

タスク管理に重要なのは国語力

本書を通じて伝わってくる主張の一つに タスクという言葉を表現する能力の重要性 があるように思います。もっと言えば国語力、いや語彙力でしょうか。

タスクとは結局のところ「やること」であり、もっと言えば「あとで自分が読めるように書いた言葉」です。なるべく正確に理解できる言葉を、なるべく短い言葉で書く必要があります。また、タスク管理には様々な概念が登場しますが、これらを表現する用語も人によってまちまちなので、「この人があえてこの言葉を使って、この概念を表現している意図は何か」といったことを推し量る必要も出てきます。語彙力があれば、このあたりを楽にこなせます。

タスク管理は、タスクという言葉を扱うといっても過言ではない。ゆえに国語力が必要だ――本書にはそんな主張があるように感じました。実際、本書で用いられている語彙も秀逸で、タスク管理について僕も理解を深めることができました。これも著者の語彙力だからこそでしょう。

「そういう捉え方があるのか」と思わず唸ったもの

ルーチンタスクを無視するというスタンス

僕はルーチンタスク(繰り返し行うタスク)こそタスク管理するべきだと思っています。日々何度も繰り返していることを意識的に管理下において、必要最小限の頻度と順番でこなせるように整える――そうすれば毎日の家事が、たとえば 2 時間から 1 時間になるんですよ。僕はしまいには ルーチンタスクの本 を書いちゃうくらい、ルーチンタスク派です。

しかし、本書では「ルーチンタスクは些細なタスクだから管理しなくていい、という立場もある」ことを取り上げています。コラムでサクっと取り上げてあっただけですが、これを読んで、

ああ、そういう見方もあるのか。

と僕は妙に納得しました。ルーチンタスクなんて所詮は日々の雑事なので、最悪忘れても問題ない、それよりもルーチンではない、新しく発生したタスクたちこそ重点的に管理した方が良いよね、と。なるほど一理ある。

リストとはフィルタリングの結果である

概念的な話になりますが、本書ではリストは A という属性を持ち、リスト中の項目は A という属性でフィルタリングされたものだとも言える、のような説明をしています。

もっと言えば リストとはフィルタリングの結果である とも言えましょうか。

そういえば Remember The Milk というタスク管理ツールでも スマートリスト という機能がありました。「ある観点でフィルタリングした結果をリストとして保存」するものです。

僕はリストを「ただ項目を書き並べたもの」と捉えていたので、この見方は本当に新鮮でした。

リマインダーとして「メールで自分の送る」

僕はリマインダーを多用していますが、大体はケータイのアラームか、自作したタイマーアプリでした。

本書では「メールを自分自身に送る」というリマインド方法も紹介しており、「ああ、そういう方法もあるのか」と目からウロコでした。

レビューの最終目的

何かと頭を悩ますレビューですが、本書ではレビューの最終的な目的を 「適切な場所(リスト)にタスクが保存されているか」 と定めています。また、同期のようなものだとも言っています。

シンプルな解だと思いました。

この解釈だと、レビューという作業が「各リストを点検して項目を修正・移動・削除すること」「新たなタスクを適切なリストに追加すること」という単純な作業になります。レビューという「なんかよくわからない、何していいかわからない」ものに、明快な指針を与えてくれます。

僕は GTD に取り組んでいて、レビューで色々悩んでいたところなのですが、これで少し前進できそうです。

ふた

オープンリストとクローズトリスト(本書ではクローズリスト)の説明として、 蓋が空いていて追加できるかどうか という表現がされていました。

今まで読んだ説明の中で一番わかりやすかったです。

タスク管理のスタンスについて

本書では「タスク管理とどう向き合うべきか」について、一つの指針を紹介しています。

まず、

  • タスク管理というとすべてシステマチックに管理したくなるが、それは不可能
    • 理由1. タスクの価値そのものは扱ってないから
    • 理由2. タスクの価値は簡単に変動するから
    • 理由3. タスク管理に取り組む人間が不完全で自堕落な生き物だから

とした上で、じゃあどうすればいいかというと、

  • ある程度はテキトーでもいい
  • 最初は(たったそれだけ?とバカらしくなるくらいでいいので)少しずつ取りいれていく

の二点を勧めています。

言われてみれば当たり前のことですが、この「完璧な管理を目指す」という罠、意外と陥りやすいんですよね。僕もよく落ちます。

この罠には、今後も陥らないよう気を付けたいところです。

失敗を構成する 7 つの理由

本書ではタスク管理やタスクの実施に関する失敗(というか一般論としての失敗)について、その理由を 7 つに整理しています。

  • 失念(忘れた)
  • 倦怠(飽きた)
  • 過信(余裕やろ → 全然余裕じゃない)
  • 流転(変化)
  • 呪縛(こだわり)
  • 雑把(曖昧さ。具体性がないこと)
  • 多望(強欲。いきなり完成を求めたり、すべて叶えようとしたりすること)

僕はタスク管理において「失敗」という観点で捉えたことが無かったので、これはとても新鮮でした。レビュー時に使うトリガーリストに書きたいくらいです。

知らなかったこと

本書で取り上げられていた周辺テクニックのうち、知らなかったものを簡単に。

山根式袋ファイル

野口さんで有名な「押し出しファイリング」の、時系列順じゃなくて「あいうえお順」で並べるバージョンの整理方法です。

パレットジャーナル

アナログの手帳にデイリータスクリスト(というよりただの箇条書きスペース)をつくり、他にもあると便利な記入エリアを適宜つくる……みたいな、割と自由な手帳運用手法です。書き方は色々あるみたいですが、索引(インデックスページ)をつくってアクセスしやすくするのがポイントのようですね。

43 Folders

一年分の保存領域を、たった 43 個のフォルダ(月 12 個と日 31 個)で実現するという整理術です。

そのカラクリは「当月の月フォルダに、日フォルダを全部ぶちこむ」「新しい月になったら日フォルダもまるごと移動する」「各日フォルダには、その日にやりたい or やるべきファイルを入れる」という運用にあります。

おお、頭ええな、と思いましたね。

余談ですが、これをデジタルで実現するツールを勢いでつくっちゃいました……。

GitHub - stakiran/43folders_for_windows

(余談) ハッシュタグは #やるおわ

本書の略称は「やるおわ」のようです。ハッシュタグで検索すると他の感想などを見ることができます。

おわりに

ほぼ備忘録となってしまいましたが、間違いなく買って良かった一冊でした。

少なくともタスク管理が趣味の人(そんな人がそうはいるとは思えませんが 苦笑)は楽しめるはずです。また、タスク管理を知らない方も、これを期に読んでみると良いでしょう。タスク管理は、学ぶのは難しいですが、知っているのと知らないとでは日々の生活や効率に雲泥の差が生じます。最初の第一歩として、さわりを知っておくだけでも、後々違ってくるはずです。

継続期間 130 日くらいですが毎日更新をやめることにしました

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このはてなブログを始めて 4 ヶ月ちょい(継続期間 130 日)が経ちました。一日一記事以上、毎日更新してましたが、思うところがあって、やめることにしました。

なぜやめるの?(要約)

  • 理由1: 一日一記事以上のペースを維持するのがしんどいから
  • 理由2: ブログでお金を稼ぐことの厳しさを知ったから
  • 理由3: 別に毎日更新しなくても SEO は落ちないから
  • 理由4: 「継続期間」は後からどうにでもいじれるから

以下詳しく見ていきます。

理由1: 一日一記事以上のペースを維持するのがしんどいから

一番の理由はこれです。

マジでしんどい。

僕の場合、一記事の文字数平均は 2500~3000 文字くらいで、執筆時間は 1.5~2 時間くらいです。一日一記事書くってことは 単純計算で 1 日 2 時間くらいは費やせ ってことですからね……。

それもただ費やせばいいわけじゃなくて、ちゃんとネタを考えて、読みやすさやアピールなども考えて、アイキャッチ画像も用意して、と質を磨かないといけない。集中力も頭も使います。疲れた夜にやるのは無理なので、必然的に朝や休日になります。貴重な集中タイムをブログに費やすことになってしまう。なってました。

それでも楽しかったから、最初のうちは良かったのですが、次第に「このままでいいのか?」「こんなに手間暇かける価値があるのか?」と思うようになってきました。

理由2: ブログでお金を稼ぐことの厳しさを知ったから

そもそも僕がブログを始めたのは 生活費を稼ぐため です。

僕が今の快適な生活水準(都内、一人暮らし、1K 25㎡、ソロ男、自炊しない派)を維持するためには月手取りで 25 万くらい必要なのですが、今は 18 万くらいしかありません。これでも家賃補助が出ているので実際は 23 万くらい。家賃補助はあと 1.5 年で切れます。単純計算で 7 万円足りない計算に……。

ちなみに:

  • 残業すればいいじゃん → イヤです
  • 他の平社員みたいに安い場所住めばいいじゃん → 通勤時間増えるし満員電車だしでイヤです

なので、何とかして稼ぐしかありません。

「ブログなら自分の強みで、自分のペースで稼げるのでは」

という浅はかな思いで始めたのです、が。

これ無理ゲーじゃね?

薄々気付いてましたが、ブログで稼ぐのは本当に難しいです。

ブログで稼ぐ方法は結局のところ二種類のみ

ブログで稼ぐ方法は、結局のところ以下の二通りだと思います。

  • (1) PV 稼いで広告で稼ぐ
  • (2) 仕事をもらって働く

(1) の広告は、やり方にもよりますが、Google アドセンスで大雑把な目安は 10万PV で 1 万円 のようでした。つまり 1 PV で 0.1 円 ですね。

(2) の仕事については、少なくとも 5 万 PV 程度は人気が無いと相手にしてもらえないし、10 万 PV 以上も当たり前の世界だという所感です。

で、現在のアクセス数はどう?

僕はまだ 1万PV/月 にも届いてません

そもそも「勝てないネタ」を書いてしまっている件

ブログで稼ぐという観点で見ると、僕のブログは致命的です。

稼げないネタを使っているから

稼げるネタというのは金融商品とか、美容ダイエットとか、芸能とか、そういう読者数が桁違いに多いネタ。一方、僕はソロ充だとかライフハックだとか、一部のネット住民やマニアしか知らないようなニッチテーマばかり。そして、そういうニッチテーマには既に第一人者がいて、普通はそっちに流れます。

このブログで一番強いネタは 下手な旅行や観光よりも楽しい!ひとりビジネスホテルの楽しみ方 で、検索順位は 1 位ですが、それでも

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一週間で表示回数40、クリック回数つまりは PV は 15 です。

仮にこのブログの全記事がこれと同じ PV 水準を出しているとしても、(記事数は現時点で 177 ですから)2655 PV/週 となり、高々 1万PV/月 しか届かないことになります。

※このブログは現時点で 1万PV/月 近くありますが、これは Twitter やはてなブログ新着、読者経由などの動線があるためです。

ブログにおいて最も優れた PV 稼ぎ頭である「検索流入」。このブログだと、全記事を最高記事水準の PV と同じと仮定したとしても、この検索流入がたかが 1 万 PVです。10万PV/月とかどんだけ遠いんだよって話ですよね。

結論

ブログで金を稼ぐ(ために必要となる水準 10万PV/月 に到達する)のは難しい

理由3: 別に毎日更新しなくても SEO は落ちないから

毎日更新していた動機として、純粋に「アクセス数を増やしたいから」がありました。

アクセス数を増やすポイントは「検索流入」です。そしてここには SEO(検索エンジン最適化) が絡みます。つまり、検索されやすいように、もっと言えば検索順位が上位に来るように、記事の書き方を考えるということですね。

検索と言えば Google ですが、これはつまり いかにして Google さんから高評価を得るような記事を書くか という話になります。

その高評価の指標として「更新が頻繁かどうか」があります。詳細は Google のみぞ知るところですが、更新が多い方が情報の鮮度が高いということですから、評価が高くなります。

「ブログは毎日更新した方がいい」

とかいいますが、それは鮮度を保って評価が上げるためなんですね。

しかし、ご存知の方も多いでしょうが、毎日更新したからといって評価が上がるとは限りません。いや、言い方を変えると、更新頻度という尺度で高評価を手に入れる法は毎日更新だけではない。

リライトって言葉を聞いたことがあるでしょうか。Re-Write/再執筆。一度投稿した記事を手直しすること。

Google さんはウェブサイトをちょくちょくチェックしてくれてるので、リライトしておけば「あ、このブログ更新されてるわ」と理解してくれます。

「ブログはこまめにリライトした方がいい」

ともいいますが、そういうことなんですね。

……長くなりましたので、まとめましょう。

まとめ:

  • アクセス数を稼ぐためにはこまめな更新が必要
    • そうすると Google さんが「こいつ真面目やな」「鮮度高いな」と判断して検索順位を上げてくれる
  • 更新 ≒ 新しい記事を投稿する?
  • いいえ違います、リライトも更新です

そして毎日更新(新しい記事投稿)は理由 1 でも上げたとおり、手間暇がえげつないです。だったらリライトでいいんじゃないか……僕はそう思いました。

理由4: 「継続期間」は後からどうにでもいじれるから

はてなブログの「継続期間」に少なからず意味や価値を見出している人もいらっしゃるかと思いますが、実はこれ、後からどうにでもいじることができます。

はてなブログの仕様では、おそらく「ある日 X に記事がある」「次の日 X+1 にも記事がある」……これが n 日続いたら継続期間 n 日になります。そしてはてなブログでは過去の日付に投稿することができます。結果として ブログ日数が 1 日なのに継続期間が 10 日、というちぐはぐな状態を実現できたり します。

どうにでもいじれるんです。したがって「俺、1000 日も継続してるんだぜ?」と達成したところで「いや、やろうと思えば 1000 日も 2000 日もできますがな」となるわけです。特に僕のようにエンジニアだと、 はてなブログの仕組み を使えば「2009 年 3 月(はてなブログで遡れる最古の月)から現在まで 1 日 1 記事、ダミーの記事を投稿するプログラム」なんてのもつくれるわけで……。理論上は継続期間 3600 日を実現できます(苦笑)

そうでなくても、「ああやっちまった、昨日 1 日だけ更新忘れてしまった」という場合でも、 日付を昨日にして投稿すれば無かったことにできます

果たしてこんなパラメーターに意味があるのか。

上記を踏まえて今後どうするか(結論)

やめただけではもったいないので、今後どうするかについても考えました。

  • 予約投稿で朝 7~8 時の間にセットする ← これは撤廃する
    • 予約投稿自体はこれからも使う(そうしないと投稿直後に「反応どうかな」とか気になって次の行動に手が付きづらいから)
  • 1 日 1 記事以上ノルマ ← これも撤廃する
  • お金を稼ぐことは考えない
  • 自分が自然に、かつ無理のない範囲で楽しむようにする
  • 楽しいとは?
    • 記事執筆という創造的活動が楽しい
    • 自分の軌跡を言葉にして蓄積するのが気持ちいい(一種の所有欲?)
    • アクセス数増えるのが気持ちいい
  • あわよくば狙いたいこと
    • 「吉良野すた」というキャラやブランドの確立
    • 確立されてきたら、お金を稼ぐチャンスも舞い込んでくると思う
    • 来たらラッキー
    • 来なくても日々楽しんでるし、成長もしてるだろうから、まあいいよ

ひとまずこれで行こうかなと思います。

以下詳細をだらだら書きます。

上記を踏まえて今後どうするか(詳細)

結局僕がやりたいのは「楽してお小遣いが欲しい」だけ

今回振り返ってわかったのは、結局僕がやりたいのは「自分に向いたことで、楽して、お小遣いを稼ぎたい」こと なんだなぁということでした。

僕は少々贅沢な志向をしています。

仮に月手取り 30 万がもらえる事務職や公務員があったとしても、絶対にやりたくない と思っています。

だって時間は貴重だから。事務作業などというつまらない作業に、一日の 1/3 も費やすだなんて、狂気の沙汰です。僕には耐えられない。

たとえ 作業的には楽であっても、退屈は苦痛。楽とは程遠いものです。

では僕にとっての「面白い」とは何かと言うと、ものづくりなんですね。プログラミングもそうですし、ブログもそう。会社では主にプログラミングをしてます。楽しいです。

ここで「ものづくりなら何でもいいか」というと、これも贅沢ですが、そうじゃないです。ブログで言うと、

  • 書きたいことを書く ← これは好き
  • 別に書きたくないけど、アクセス数を増やすために頑張って書く ← これは嫌い
  • 書きたいことだけど、疲れている状態で書く ← これも嫌い

こんな感じですね。

で、ようやくブログの話に入りますけど、僕にとって ブログでアクセス数を稼ぐための行動は、大体下の方(好きじゃない方)なんですよね。書きたいことを書くのではなく、見てもらえることを書くことになる。そして見てもらえることは必ずしも書きたいことじゃないし、むしろ大して書きたくないことが多い……。つまり、ブログはものづくりであっても、(アクセス数を稼ぐという前提では)自分にとっては楽しくない。楽じゃない。

無論、金を稼ぐためなら楽しさよりも行動が大事ですが、そもそも単に稼ぎたいなら残業すればいいわけですよ。実際、同僚はみんなそうしてる。家族持ちの平社員さんは、ほぼ 100% 残業してますね(母数は 40~50 人くらい)。でも僕はそんなのイヤです。だって残業は楽しくないもん。楽じゃないもん。今の仕事は、油断するとタダでも手を出しちゃうくらい楽しいですが、それでも残業してまでやろうとは思いません。いくら楽しくても、疲れている状態でものづくりに取り組むのってキツイ んですよ。

しかし、このままだと生活費が足りない。さてどうする?

そこでブログに目をつけました。ブログなら自分の好きなものづくり(文章を書く)で稼げるのでは、と。安直ですが。

そういうわけでブログを始めました。そして今、 そのブログで稼ぐために「楽しくないこと」「楽じゃないこと」が必要だという現実に直面している

稼ぎたいなら、楽じゃないことでも受け入れろ。覚悟を決めろ。

それができないなら諦めろ。

……ということでしょうか。僕は、覚悟を決める気にはなりませんでした。

ゆるーく諦めない

ただし、まだブログで稼ぐことを諦めたわけじゃないです。

せっかく書いてきたブログなので、当面は続けます。続けていればそのうち何か起こるかもしれない。拙い僕の頭で想像しているのは、

  • 吉良野すたというコンテンツ、キャラ、ブランドなどが強化されていく
  • 誰かが目をつけてくれて、仕事のチャンスが舞い込んでくる

というパターン。実際、NHK でも一度だけ取材(といっても本格的な取材対象を選ぶ前の簡単なヒアリングですが)されました。チャンスなんてどこに転がってるかわからない。

だったら、生存とアピールだけ続けておいて、あとは成り行きに任せようぜ、という、一種の割り切りというか諦めというか、そんなスタンスを取ることにしました。

僕は自分の好きにやる。自分が楽しいようにやる。

これで金になるかどうかはわからない。なったらラッキーくらいでしょう。でも、なったらとしたら、それは幸せなことです。楽しいことで稼げるのですから。僕はそんなに高望みはしてない。手取り月 30 万あればいい。今の会社を続けるとしたら、あと +10万。決して非現実的な水準ではないはず。

今は楽しむことが第一

幸いにも人生、まだしばらく余裕はあります。

一方、老いはどんどん近づいてきます。

僕はまだアラサーですが、露骨に老化が進んできたなと痛感しています。体力はもちろん、頭もそうですね。アラサーでこれなのだから、この先 40、50 歳になるとどうなることやら。想像しただけで震えます。

ここで「仕事や頭や家族で楽しめばいいんだよ」という意見がありますが、残念ながら僕にそういった感性がありません。あるいは気のせいかもしれませんが、少なくとも簡単に試行できることではない。たとえば「お父さんの気持ちを知りたいから奥さんと子供をとりあえず手に入れて一ヶ月くらい試してみる」というわけにはいきません。僕はソロ充を掲げて、こんなブログを書くくらいですからね。そっち方面は絶望的に向いてない。

あとは、そうですね、将棋のような知的スポーツには地味に期待していますが、それは今でなくても楽しめるでしょうから今は温存しています。今はまだ若い。若いうちに楽しめることを。

そういうわけで、このブログも楽しむことを優先したいと改めて思ったのでした。

おわりに

ブロガーに存続の悩みはつきものと言いますが、まさか 130 日で訪れてくるとは……。

「一年くらい簡単に続くでしょ」

とか言っていた自分を殴りたい。駄文ならさておき、ちゃんと質を整えた上で続けるのはめちゃくそしんどい(客観的に見て質がどうかはさておき僕自身は質を担保して書いているつもりです)。ブログって奥が深いし、大変なんだなと改めて思いました。

ではまた。

メモについてあれこれ試す前にまずは基礎力を身に付けようという話

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仕事にせよ私生活にせよメモすることは大事です。巷にも多くの記事や本があり、様々なテクニックやらノウハウやら工夫やらが紹介されています。しかし僕が思うに、そういうことを試す前に、まずはメモの「基礎力」を身に付けるのが先です。

基礎が身に付いていないと役に立たない

野球のテクニックを教わったところで、そもそもボールを投げたりバットを振ったりする基礎が身に付いてないと話になりません。メモもこれと同じで、いくらメモに関するテクニックやら工夫やらを知ったところで、基礎が身に付いてないと行動に移せないと僕は思います。

極端な話、タイピングができずに、1本指でキーを探しながら打つ人がいたとして、この人がパソコンでメモを取れるかという話ですね。この人のやるべきことは、メモについて学ぶのではなく、基礎(この例ではタイピングスピード)を身に付けることです。

メモを支える 3 つの基礎力

メモにおける基礎とは何でしょうか。 3 つほどあります。

  • (1) すぐに書くことのできる技能と環境
    • 技能:筆記やタイピングなどの速さ
    • 環境:紙やペン、テキストエディタなど環境や道具を整え、すぐに利用開始できること
  • (2) 無駄なく要点のみを書く要領
    • 必要最小限の手間で、必要十分のヒントを残すということ
  • (3) あとで読み返す習慣
    • メモは一時的なものであり、読み返して何らかの行動をした後は捨てるべきもの
    • 読み返すことを忘れると、メモはゴミになる

つまり 記入スピード記入対象の取捨選択読み返し の 3 つです。

(1) 記入スピードを身に付けるには

記入スピードを構成する要素には「技能」と「環境」があります。

  • すぐに書くことのできる技能
    • 技能:筆記やタイピングなどの速さ
    • 環境:紙やペン、テキストエディタなど環境や道具を整え、すぐに利用開始できること

技能については、 地道に練習を重ねるしかありません。筆記にせよ、スマホにせよ、キーボードにせよ、一朝一夕には身につきません。1日10分(できれば1日30分)でもいいので、継続が大事です。

環境については、 細かいノウハウはおいといて、まずは自分にとってやりやすいように 整えましょう。いきなり、どこぞの記事や本で紹介されているような、システマチックなやり方を取り入れると失敗します。まずは未熟でも稚拙でもいいので、自分なりにメモを取りやすくすることを目指します。そうやって経験を積むことで、色々と見えてきます。取り入れるのはその後でも遅くないです。

「自分にとってやりやすいように」といっても、大したことはしません。「あ、打ち合わせの最中はメモを取る機会が多いからメモ帳を持参した方がいいな」「ボールペンよりもシャーペンが書きやすいからシャーペンにしよう」「メモはとりあえず、デスクトップにおいた "メモ.txt" に貯めるか」くらいでオーケーです。

(2) 「記入対象の取捨選択」を身に付けるには

続いて 2 つ目の基礎についてです。

  • 無駄なく要点のみを書く要領
    • 必要最小限の手間で、必要十分のヒントを残すということ

これは要するに 記入対象をいかに取捨選択するか という話です。

記入対象の取捨選択とは

突然ですが例を一つ。以下のクイズに答えてみてください。

会社員であるあなたは、自席が散らかっていることに悩んでいます(私物が多く、引き出しも机も散らかっている)。先日、全社員に個人ロッカーが配布されました。ある時、あなたは「あ、個人ロッカーが配布されたんだよな。荷物はそこにぶちこめばいいじゃん」とひらめいたとします。忘れないようにメモを取っておきたいです。さて、どんなメモを取りますか?

基礎力が身に付いているのなら、答えはおそらく

ロッカー

これくらいか、あるいは「荷物 ロッカーに」のように、一言になるはずです。なぜなら、ロッカーという文字を見ただけで「自席の私物を打ち込む」という作業を思い出せる からです。人間はそこまであんぽんたんではありません。ヒントさえ示せば、思い出せます。

逆に、以下のようなメモは、

私物を整理するために、以前配布された個人ロッカーにそれらを入れる

無駄がありすぎて論外です。メモに時間がかかりすぎる。この例だけなら構いませんが、現実は何度もメモしますし、すばやくメモしないと務まらないシチュエーションもあります(議事録や既に集中している時にふと思いついたことのメモなど)。メモは、後で自分が思い出せる程度に最小限にするべきです。

取捨選択の要領を鍛えるには

本題に入りましょう。

では、この「メモする対象を取捨選択する」要領を鍛えるためには、どうしたらいいのでしょうか。

残念ながらこれも一朝一夕には身に付きません。

鍛え方としては 縛りプレイ をおすすめします。

「一つのメモにつき、使えるのはキーワード 3 つまで!」

というふうに、制約を課すのです。そうすればメモする度に「キーワード 3 つしか使えないぞ」「どんなキーワードを使ったら、後で見た時に思い出せるだろうか」といちいち工夫することになりますから、(ちゃんと制約を守ったのなら)イヤでも取捨選択の経験が増えます。良い訓練になります。

※ただしキーワード数制約を課すべきではないシチュエーションがあることにも注意しましょう。たとえば「新しい企画をつくるために、まずはひらめいたアイデアを全部書きだしてみよう!」といった場合は、3 つのみに絞る意味はありません。

(3) 「読み返す」を身に付けるには

意外と見落としがちなのが、書いたメモを読み返すというプロセスです。

  • あとで読み返す習慣
    • メモは一時的なものであり、読み返して何らかの行動をした後は捨てるべきもの
    • 読み返すことを忘れると、メモはゴミになる

せっかく書いたメモも、後で読み返さなければゴミと化します。

そもそもメモとは一時的なもの

そもそもメモとは 今対処するのは難しいから、後で対処するために、とりあえず「なるべく小さな手間で」「必要な情報だけを」「一時的に」記録しておく ことです。とりあえず記録しておけば忘れません。忘れさえしなければ、後でいくらでも対処できます。メモとは 忘れる、という最悪の自体を防ぐための暫定処置 なのです。

したがって、書いたメモを後で読み返す行動が必要です。

「読み返す」を身に付けるための第一歩

さて、この「読み返す」ことを身に付けるには、どうしたら良いのでしょうか。

習慣化してしまう のが無難です。もちろん、頭だけだと忘れてしまうので、外部ツールに頼ります。リマインダー(アラーム) を使って、「メモを読み返せ!」という用件を設定しましょう。

たとえば、

カレンダーやアラームで、毎週日曜日の午前 10 時に、「メモを読み返せ!」という用件を設定する

こうしておけば、毎週日曜日の午前 10 時に「おう、そうだったな、メモを読み返そう」と気付けます。

一週間だと長過ぎる場合は、極論毎日でも構いません。別にデジタルツールでなくとも、居間のドアに付箋を貼り付けておく(そうすれば必ず目に入る)などでも良いです。とにかく、定期的に読み返すことを忘れないような仕掛け をセットしてください。

必要になったらメモを探して読めばいいのでは?

ここで、よくある疑問として

「別に定期的に読み返さなくても、必要になったらメモを読み返せばいいのでは?」

があります。

結論を言うと、ダメです。

それはメモではなく資料の話です

いつでも後で読み返せる情報は「資料」と言います。資料は、読みやすいよう、しっかりと整えられたものです。資料は言わば永続的な記録とも言えますが、 メモを取る(一時的に素早くヒントを残したい場合)段階でつくるものではありません。もし、つくっているのだとしたら、それはもはやメモではなく資料作成です。メモとしては無駄がありすぎる行為なので、やめましょう(2 つ目の基礎力「取捨選択」が足りてません)。

資料をつくるタイミングは メモを見返している時 です。一時的に素早く記録したメモを読んで、永続的に利活用できる資料をつくるのです。

  • スピード重視の一時的記録 ← メモ。必要な時にやらざるをえないので、素早くやる
  • 利活用重視の永続的記録 ← 資料。時間のある時に、あとでやる

という使い分けが大事です。混同してはいけません。

ちなみに「一時的に素早く記録するスピードで、永続的な記録ができたとしたら、それに越したことはないよね(後で読み返す必要はないよね?)」という意見もありますが、これはそのとおりです。そんな芸当ができたら、の話ですが。

おわりに

メモの基礎力を 3 つに分けて取り上げてみました。

メモがいちいち上手くいかない、という方は、まずはこれら基礎力を鍛えてみることをおすすめします。

パラサイトシングルから一人暮らしをはじめる方に贈る「ミニマリズム」のすすめ

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パラサイトシングルは快適ですがストレスが溜まります。一人暮らししたい。でも一人暮らしって大変なんですよね。何かとお金も時間もかかる。常識のとおりに行動していては激しく消耗します。というわけでミニマリズムという省エネ術に頼ります。

前提

本記事の対象読者

以下が当てはまる人ほど対象です。

  • 都会で一人暮らしがしたい or することになった
  • パラサイトシングルでぬくぬくしていて、料理も家事もよくわからん
  • 借りる部屋は 1K、25㎡くらい
  • 貯金は 100 万円以上あり、必要な日用品を適宜買い足せる程度の余裕はある

ミニマリズムとは

本記事では「ミニマリズム」と題していますが、ミニマリズムとは要するに、

常識では「誰もがやって当たり前のこと」「使って当たり前のもの」を意識的に点検して、要らないならやめる

というものです。常識にとらわれず、本当に必要なものを見極めて行動しよう(捨てちゃおう)という省エネ術です。捨てて身軽になれば、その分消耗せずに済みますからね。

といっても難しいことはしてません。下記のネタを一つずつ吟味してみてください。

なぜミニマリズムが必要なの?

なぜこんなことに取り組むかというと、一般人(もっぱら一人暮らしするあなたにおせっかいを焼くご両親でしょうか)の生活はかなりの無駄があるからです。当然ながら日々の作業――つまりは家事ですね、家事にも相当な時間と気力を要します。

すでに家事を手伝っている方ならなんとなくわかるんじゃないでしょうか。あるいは、両親の忙しさは何度も目撃しているのではないでしょうか。

一人暮らしを始めるということは、あのような忙しさを多かれ少なかれ自分で抱え込む ことを意味します。

冗談じゃない。なるべく楽に越したことはないですよね。

そこでミニマリズムです。自分にとって必要な家事、もっというと作業だけ選択して、必要最小限の手間で生活をまわすんです。

ミニマリズムの例

たとえば自炊せずに済むのなら調理器具の一切は要らなくなります。

これだけで家はだいぶ広くなりますし、時間も一日一時間は浮きます。これが普通だと「自炊は絶対にやるべき!」などといって、たくさんの器具を押し付けてきたりするわけです。僕も押し付けられました。今ではゴミですね。棚の奥底に眠ってます。邪魔。(今度捨てよう……)

一人暮らしとは、あなたの暮らしです。あなたにとって必要なモノを見極めて、要らないモノは捨ててしまえばいい。家事が趣味なら別ですが、そうじゃないですよね。負担は小さいに越したことはないんです。

まとめ

以上、少し長くなりましたが、対象読者とミニマリズムについて簡単に取り上げました。

以降では、具体的な省エネ術を挙げていきます。一つずつ吟味して、使えそうだと思ったら試してみてください。

1: 自炊はとりあえずしない

自炊はとにかくお金も時間もかかる作業です。

  • 初期投資で何万円とかかる
  • 三食ちゃんとつくるとしたら、1日1〜2時間はかかる
    • 調理だけでなく買い物、保存、食器の洗浄や乾燥、キッチンの洗浄などもあります

ここで「慣れたら數十分でできるよ」と言う人がいますが、それは三食カップラーメンでもいいような食事手抜き勢か、マニアックなレベルで料理を鍛えてるか、あるいは時間に無頓着(記録もせずに数十分でできてると思い込んでいる)のいずれかですので、相手にしてはいけません。

まずは外食や中食(弁当などを買って家で食べる)にします。

自炊は、生活に余裕が出てきてから挑んでも遅くはありません。ただでさえ忙しい一人暮らしに、最初から自炊などという大変な作業を持ち出す必要などないわけです。

2: 掃除機は要らない

床掃除の定番と言えば掃除機ですが、実は ほうきとちりとりだけで事足ります

掃除機には以下デメリットがあります。

  • 初期投資で数万円かかる
  • 掃除中がうるさい
    • 夜間や早朝などに掃除できない
  • 保管場所を取る(ただでさえ狭いのに)

もちろん、立ったままゴミを吸い取れるのは楽ですが、部屋が広くなければ大したメリットにはなりません。

ほうきとちりとりで、気になった時に掃除する――。床掃除はこの程度で事足ります。

3: ベッドは買わない

ベッドは動かせない上に、スペースの大半を占有してしまう邪魔者なので、要りません。

ええ、本当に狭いんですよ。ビジネスホテルに泊まったことがある方は、シングルルームをイメージしてください。ベッドのせいでだいぶ狭いですよね。あんな感じになります。

都会で一人暮らしをすると、裕福でもない限り、せいぜい 1K、6〜8畳くらいの部屋になります。ここにベッドなんて置いたら、本当にシングルルームみたいに狭くなるんですよね。

最初は敷き布団でいいと思います。

日中はたためるので部屋も広く使えますから。

あるいは「どうしてもベッドじゃないとイヤだ!」派の人であれば、折りたためるものを買いましょう。「折りたたむのが面倒!」「ベッドは妥協したくない」であれば、普通にベッドを買えば良いと思いますが、部屋がシングルルーム化することは覚悟してください。

4: マットは要らない

トイレマット、キッチンマット、玄関マット、リビングに敷くカーペットなどなど、マットの類はたくさんありますが、普通に要らないです。

マットの役目は「一にインテリア」「二に汚れ防止(床に飛び散るのを防ぐ)」ですが、インテリアはどうでもいいですし、汚れについても床を掃除すれば済みます。

一方で、マットは床掃除する際に邪魔ですし、洗濯の手間もかかりますし、手間だからと放置するとかえって不衛生になり、と地味に面倒くさい存在。

こういう「あってもなくてもいい小物」は、積極的に減らしていくのがミニマリズムのコツです。こういう小物が蓄積するからストレスになる。物で溢れかえる。邪魔になる。

5: バスタオルは要らない

体はハンドタオルで拭けます。

※髪の毛の長い方は微妙かもしれませんが……

バスタオルはかさばる上に洗濯や乾燥も面倒なので、頼らないようにしておくとずいぶんと楽になります。

6: 最初から備えるのではなく買い足す

はじめて一人暮らしを行う際は、あれもこれもと準備してしまいます(あるいは両親が勝手に準備してきます)が、結局使わずに放置されるものも多いです。引越し時の段ボールも増えて面倒くさいですし。

なのでスタンスとしては、

  • 一人暮らし初日から「ないと困るもの」は、準備しておく
  • それ以外は現地で購入する

これくらいが良いかと思います。

僕は新人時の一人暮らし(数ヶ月間)時に、実家から段ボール箱四つ分くらいの荷物を持ち込んだのですが、うち三箱はほとんど使うことなく放置したままでした。そのくせ部屋を狭くしやがるし、「せっかく持ってきたのだから何か使った方がいいのかな」と意識に働きかけてきたりして、本当に邪魔でした。

7: 娯楽に欠かせない環境は遠慮なく整える

ここまで「不要なものは持たない」というアプローチで色々紹介してきましたが、一つだけ例外があります。

自分にとって欠かせないもの(特に娯楽や趣味などで頻繁に使うもの)は遠慮なく整えましょう

僕の場合はパソコンでした。僕はブログ、小説、プログラミング、ライフログ(生活の記録や分析)、ネットサーフィン、情報収集(スマホを持っていませんので)などパソコンを常用しており、以下のようなセットになっています。

  • ノートパソコン
  • 外付けのキーボード
  • ディスプレイ
  • ノートパソコン用の台
    • これでノートパソコンを浮かせないと手元が狭くなる

ここは絶対に譲れません。両親からは「ノートパソコン一つだけでええやろ」「運ぶのだるいやろ」と言われましたが、妥協せず持って行きました。

僕はたまに仕事でノートパソコンだけ(ディスプレイが二枚でもなければ愛用のキーボードもつないでない)使う時があるのですが、使いづらすぎてストレス溜まりまくりです。もし自宅環境もこうだとしたら発狂するレベル。僕の判断は間違ってなかったです。

8: テレビは要らないかも

これは個人差なので「かも」とつけていますが、 テレビはたぶん要らない と思います。

  • ニュースなど情報収集はスマホやパソコンで事足りる
  • テレビは番組がつまらない
  • テレビは妙に尺を引っ張ったり CM 差し込んだりするので時間を食われる
  • 初期投資が何万何十万とかかる
  • NHK が面倒くさい

僕もテレビはありませんが、特に問題なく暮らしています。

ただし「ボタン一発でなんか見れる手軽さ」「すでに馴染んでいて、ないと違和感がありまくる」など、人によっては合った方が良いケースもあります。

目安としては 「ああ、たしかになくてもいいかも」と思えるかどうか、でしょうか。本当にテレビに頼っている人は、そうは思いませんので。

9: 洗濯機は要らないかも

これは 近所のコインランドリーに恵まれていたら の話ですが、実は洗濯機無しでも生活できます。

詳しくは以下記事にまとめてます。

ここでも要約しておくと、

  • コインランドリーには強力な洗濯乾燥機がある
  • 一週間分の洗濯物が 1 時間で乾燥まで完了する
  • 洗濯作業 = 週一くらいの頻度でこれを使うだけ
  • ただしデメリットがいくつか……
    • 1回1000円かかる。月4回として4000円
    • 待つのを回避するために「土曜日早朝」など時間帯の工夫が必要

こんな感じです。

一方、普通の洗濯機を使うとなると、購入金額が何万と必要だったり、稼働中は音がうるさいし、洗濯後の乾燥を毎回よく考えて行う(雨の日を考えるなど)必要があったり、と何かと面倒くさいです。コインランドリーを使えば、洗濯機の面倒を回避できます。僕も最初の一年間は利用していました。

もしコインランドリーに恵まれていた場合は、試してみるのも良いでしょう。

おわりに

一人暮らしをはじめるパラサイトシングルの方向けに、ミニマリズムと題して「これは要らないよ」というネタを紹介してみました。

気になるネタはぜひ取り入れてみてください。

また、本記事のネタに限らず「これって要らないのでは?」「なくてもいいよなぁ……」と思ったことがあれば、どんどん省いてみましょう。

関連記事

以下はパラサイトシングルに関する記事です。意外とストレス溜まってるんですよねー、という話。

以下はミニマリズムに関する記事です。本記事では「これは要らない」ネタを軽く紹介しましたが、ミニマリズム自体はもっと奥深い「思想」となっていて、これを身につけると強いです。

ダイアログインザダーク「対話のある家」で遊んできました

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暗闇を楽しめる、と話題の「ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID / Dialog In the Dark)」で遊んできました。感想を言えば大満足。わざわざ訪れた甲斐があったというものです。詳しく書きたいと思います。ネタバレになりますのでご注意ください。

全般情報

さらっとまとめておきます。体験談を所望の方は一気に飛ばしちゃってください。

DID(ダイアログインザダーク) とは?

  • 暗闇体験を商売とした組織、あるいはそのイベント
  • 由緒正しい歴史と実績で、暗闇体験がしたいなら DID 一択

会場について

  • 2019/02 現在は以下のとおり
    • 大阪 → 個人参加可能な「対話のある家」
    • 東京 → 企業向けプログラムのみ(個人参加不可能)
  • 昔は東京でも個人参加プランがあったみたい(今は無い)

大阪会場「対話のある家」について

  • DID と積水ハウス共創のプログラム
  • コンセプトは「真っ暗な家で一緒に過ごしてみよう」
  • 会場は大阪駅から徒歩 5 分のショールーム

詳しくは 公式サイト をどうぞ。

全体スケジュール

  • 13:35 会場到着・スタッフ説明・待機
  • 14:00 開始
  • 15:20 終了

1.5 時間くらいですね。

今回の参加者

  • 吉良野(きらの)こと僕
  • A さん(30代くらいの女性の方でした)

今回は 2 名でした。

ここに解説スタッフ 1 名と、暗闇で案内してくれるアテンドが 2 名加わります。暗闇では解説スタッフはいないので、僕、Aさん、アテンド 2 名の計 4 人で過ごしました。

詳細レポート

ここからは思い出せる限り詳しく書いていきます。

!!! Warning !!!

ネタバレがイヤな方は、ブラウザバックしてください。

!!! Warning !!!

ホントはネタバレしない程度に書きたかったんですけどね、上手く行かなかったもので……。もう全部書くことにしたんです(苦笑)

13:35 会場到着

食事とトイレを済ませ、大阪駅から徒歩 5 分の会場に足を運びました。

受付のお姉さん 2 人に声を掛けると、早速説明が始まります。

「持ち物は貴重品含めて全部預けてください」

Oh、マジっすか。僕、財布は常に所持するマンなんですけど……。一応訊いてみましたが、「預けてください」とのこと。ふむ。仕方ない。

早速ロッカーにしまいます。あまり大きくないので、大きなリュックとかだとたぶん入り切らないですね。僕のリュック(ノートパソコンがすっぽり入る程度)はギリ大丈夫でした。手ぶらの身軽マンになりました。

鍵が僕自身が持ちます。参加証がもらえるので、これをぶら下げ、鍵も入れちゃいます。

13:40 DID スタッフから説明

身軽マンになったところで、DID のスタッフさんがやってきて、今回の「対話のある家」についての説明をしてくれました。

内容としては真っ暗闇の家で、アテンド(視覚障害者のスタッフ)さんリードのもと、一緒に過ごすのだとか。

テーマについても言及されます。

「今回のテーマは、"愛" についてです」

愛……。なんか重たくないですかね。

しかしすぐにスタッフから補足が入ります。要するに暗闇で一緒に過ごすことで、普段意識することのなかった優しさとか、思いやりとか、日常のちょっとした幸せとか、そういうのを味わっていただければ……みたいな趣旨でした。スタッフの言葉を借りると、「参加者皆さまで "家族" として過ごしていただきます」。

13:45 しばし待機

説明を一通り終えたので、開始の 14:00 までしばし待ちます。

幸いにも会場が積水ハウスショーケースということもあって、退屈はしませんでした。

14:00 開始

時間になり、スタッフに呼ばれます。

他の参加者も含めて全員が集まります。僕の他には、30 代くらいの女性一人のみ。以下 A さんとします。

2人だと……。僕は人見知りなので少し不安になってきました。相手も「え、こんなおじさんと!?」と思っていたかもしれません。ごめんなさい。まあ暗闇がなんとかしてくれるでしょう。

早速中に入ります。まだ暗くありません。

ここでアテンドさん(以下 B さんとしましょう)と合流します。

スタッフ「それでは B さん、あとはよろしくお願いします」

こうして DID が始まりました。

※ここからは時計も無いので時間はレポートしません。

自己紹介とチュートリアル

鍵を B さんに預けた後、簡単に自己紹介します。

B さん「お二人とも静かですね」

ですよねー……人見知りなもので。そして僕だけでなく A さんも人見知りだった模様。気まずいぞ。乗り切れるのだろうか……。しかし心配はすぐに消えました。B さん、喋るのすげえ上手でした。

自己紹介を終えたところで、説明に入っていきます。暗闇の過ごし方についてのチュートリアルです。3 つほどコツを伝授されました。

(1) 白杖(はくじょう)の使い方について。

視覚障害者が普段使っている、あの棒を渡されます。白い杖と書いて「はくじょう」と読みます。

Bさん「これ、あるのと無いのとではだいぶ違います」

握り方は鉛筆を握るみたいに軽く。叩く位置は一歩くらい先を。叩き方は、コツコツと。あるいはなぞってもいい。なぞると振動でなんとなく感触が伝わってくる。あとは「不安だから、と振り回したり周囲に伸ばしたりしないこと」「あくまで足元を探る用途でのみ使うこと」……こんなところですかね。

(2) 手を伸ばす時は手の甲から。

もっと言うと、普段みたいに指先から伸ばすと危ないとのこと。勢いが付いちゃうし、突き指したりとかもあるんだとか。ふむふむ。

(3) しっかりと声を出しましょう。

暗闇においては声が貴重な情報源だそうです。「まあそうでしょうね」と、この時の僕は軽い気持ちで受け流してました。

そして暗闇へ

チュートリアルを終えたところで、部屋が暗くなっていきます。

みるみる光度が落ちていき、最終的には文字通りの真っ暗に。

……え、ちょっと待って。マジで何も見えないんですけど。

早速面食らいました。「え、これやばくない?」 拙い感想しか出てこない。やばい。本当に何も見えない。こんなの無理ゲーじゃない?

ここで B さんの声が届きます。

もう少しだけ練習、ということで、声の出し方――というか位置を少し練習しました。

「そのまま喋ってみてください」

「その場にしゃがんでから喋ってみてください」

「しゃがんだまま下を向いてから喋ってみてください」

色んな発生位置を試します。すげえ、全部聞こえ方が違う。そして違いがハッキリとわかる。普段の生活だと、どこから音が飛んできたかわからないことが多いですが、今は本当にハッキリとわかります。聴覚が早速鋭くなっているのでしょうか。新鮮です。

B さん「しっかりと声を出していきましょうね」

なるほど、確かに仰るとおりだ。声出さないとまるでわからん。ゼロ距離に近づかれてもわからんぞこれ。逆に、声さえ出してくれたら、少なくとも方向はわかる。声出して連携しないと、これ、簡単にぶつかっちゃいそうで怖い怖い。僕は認識を改めました。「普段から声出すの好きじゃないんだよね」とか言ってる場合とちゃうわ

家に帰りましょう

今回はみんなで一つの家族という設定です。まずは家に帰ります。

アテンド B さんの指示のもと、少しずつ前進します。

白杖を使って、一歩前あたりをコツコツ叩きながら、少しずつ歩く。歩幅はたぶん赤ちゃんのハイハイレベルだと思います。いや、これ、普通の速度で歩くとか怖すぎますって。町中で見かける視覚障害者さん、普通に歩いてますけど、あれってとんでもない熟練の技だったんですね……。

B さん「壁に当たるまで進みましょう」

B さん「吉良野さん、あと二歩くらい前かな」

当然のように把握している B さん。本当に二歩くらいでした。達人ですね。

壁を伝って、少しずつ進んでいきます。

B さん「そのあたり、何かありませんか」

僕「ただの壁ですけどね……あ、いや、何かあります」

僕「なんだろこれ、くぼんでる」

僕「あ、ドアだ」

僕「開けますね。押します。ダメっすね。引きます。ダメです。横にずらしてみます……ビンゴです」

独り言みたいに行動をいちいち喋る僕。でも、大事なことです。実際、B さんもちょこちょこ喋ってくれてて、それがとても助かってるんですよね。声の大切さが早速身に染みてる僕でした。

というか A さん、もうちょっと喋ってくれ……。どこにいるかわからなくて怖いです。それに僕ばっかり喋ってて恥ずかしい。……いや、恥ずかしくはないですね。暗闇のせいでしょうか。なんだか口がペラペラ動いてくれました。むしろ要らないことまで喋ってしまいそうで怖いくらい。

ただいま

B さん「ただいまー」

C さん「おかえりー」

もう一人のアテンドさんと合流しました。以下 C さんとします。

靴を脱いで玄関にあがります。……と言うと簡単そうに聞こえますが、これがまた難しかった。段差を見つけて、腰を下ろして、A さんは当然僕の位置とは別の場所に腰を下ろさないといけなくて、そうなると誘導が必要で……と、中々に大変な作業。しかし B さんがホイホイと言葉で誘導して対処します。

B さん「あと一歩右かな」

相変わらずアドバイスが正確すぎてビビります。こうもりみたいに超音波でも発しているのかと疑うレベル。

何とか靴を脱ぎ終えました。白杖も預けます。

B さん「家の中では杖は使わないですね。手と足です」

家にあがります。

しばしうろつく

B さん「自由にうろついてみてください」

木造と思しき家の中を、しばしうろつきます。

どうやって?もちろん壁伝いです。大の大人が、へっぴり腰で壁伝い……もし見えていたとしたら、相当ダサいんだろうなぁと思いつつも、少しずつ慎重に進んでいきます。

僕「あ、なんか紙っぽいの見つけた」

C さん「良いところに気付きましたね。なんだと思います?」

僕「んー、ちょっと分厚めの紙で、縦に細長くて、何枚か束ねてあって――あ、カレンダーだ」

C さん「正解です」

カレンダーをあんなにベタベタ触ったのは、たぶん人生で初めてだと思います。そして C さんが無茶振りを。

C さん「そばにペンがあります。わかりますか?」

僕「……ええ、見つけました」

C さん「今日の日付のところに、何か書いてみましょうか」

しかし今日の日付の位置など特定できるはずもなく、えいやで書いてみました。書き物ができないって相当キツイなぁと、想像してみて、思わず身震いします。こうしてまがいなりにも体験してみると、苦労やハンデがリアルに感じられる。リアルに想像しすぎて、絶望して、ちょっと身動き取れなくなってました。

すぐに復帰して、その後もしばらくうろつきます。冷蔵庫とか、キッチンとか、色々物色して、またもや戸を発見。開けてから、皆でその先に進んでみることに。

B さん「自慢のウッドデッキなんです」

僕「触り心地が抜群ですね」

C さん「でしょう」

A さん「ほんとだ、気持ちいい」

みたいな感じで、ウッドデッキらしき場所でしばしばくつろぎます。

ちゃんと柵もありました。柵の先には何があるのか、と思うと恐怖をかきたてられますね。50 m くらいの崖なんじゃないかとか思えてきます。何も見えない。何があるかがわからない。怖すぎませんか。

一方で、木の温かみや温もり、ざらざらしつつも上品な感触などは確かに伝わってきます。いつもの十倍増くらいで伝わってくる。舐めたいくらい(冗談です)。

僕「これ、寝ても気持ちいいですね」

A さん「え!?寝てるんですか?」

僕「気持ちいいですよ」

いきなり申し訳ない。でもホント気持ちよかったです。僕は神経質で、布団でも毎日寝るのは苦痛ですが、ここだとリアルに寝てしまいそうでした。なんていうんですかね、暗闇ゆえにノイズが全くないというか、ニュートラルな気持ちになれているというか、ものすごくリラックスできてました。僕は非モテおじさんで、女性と一緒にいるだけで緊張して心拍数が上がるようなタイプですが、この時はウソのように消え失せてました。暗闇すごい。

団らん

ウッドデッキに保管してある「何か」を回収して、部屋に戻ります。テーブルに腰掛けて、その「何か」が真ん中に置く(さらりと書いてますが数分くらいは要してます)。

この「何か」は大切なものだそうです。「何か」が何であるかを当ててみようか、ということに。

当然ながら手探りで調べるしかありません。しかし作業者は僕と A さん。勝手に手探りしてると、女性の手をいきなり握っちゃう、なんてことになっちゃうわけです。でも、いちいち声を出すのも面倒というか、恥ずかしいというか……いや、違うよな。声出さないとわからないんだから、出すしかねえよな。

僕「とりあえずお互いの一番手前あたりから触ってみましょう」

謎のリーダーシップを発揮し始める僕。仕切ったことなんて人生で一度もないんですが。A さんにも通じたのか、口数が増えます。指と手の甲(?)が触れることが何度かありましたが、連携して、何とか「何か」の正体を突き止めました。

ハートです。木のピースで作られたハート。そういえば今回のテーマは「愛について」でしたね。

一つずつピースを手に取り、しばし会話することになりました。

C さん「愛について話してみましょう」

別に深い話ではなくて、身近に感じたこととか、ほっこりしたこととか、何でもいいですよー、というゆるい感じでした。

最初は僕も A さんも渋ってましたが、僕は思ったことを素直に言ってみることに。ありきたりですが、ちょうど一人暮らして一年経ったくらいだったので、両親への感謝を。少しずつ話が弾んでいって、当たり前に存在するものの大切さとか、日常に転がってる些細な幸せとか、そういったものを改めて意識する機会になったかと思います。今思い返すと、ちょっと語りすぎて恥ずかしいですが。

コーヒー

団らんの途中で、C さんが飲み物を入れてくれることになりました。

僕はコーヒー、A さんは紅茶を。

C さんは会話に混じりつつ、全く違和感のないスピードで仕上げてきます。「え、ちょっと何その足音。遠慮のない歩き。危なくねえの?」とハラハラするレベル。何をどう鍛えたらそんな正確性を実現できるのか。僕は、配られたコーヒーカップの位置を恐る恐る探しながら、そんな感心と関心を抱いてました。

コーヒーをいただきます。インスタントなんでしょうが、妙に美味いのは気のせいか。

お菓子ももらいました。

C さん「何か当ててみてください」

僕が挑戦してみることに。箱があって、中に個装された何かがあって、これをとりあえず A さんにも配って(慣れてきたのかだいぶスムーズに渡せました)、個装を開けてみて、触ってみて……あ、わかったわ。

答え合わせをします。

「チョコレート」

チョコレートでした。これも妙に甘くて美味しかった。

ゆっくりくつろぎながら、会話に花を咲かせながら、コーヒーとチョコ。なにこれ贅沢すぎんか。顔がふにょふにょに緩んでいたのは内緒です。暗闇だと見られないからいいですね。

会話も自然に弾みます。C さんも会話上手でしたし。全然ストレス無かったですもん。

それに沈黙はこれはこれで心地よい。なんていうんですかね、暗闇で何も見えないので、気にならないんですよね。一般的に沈黙でくつろげるのは親しい間柄だけですが、普通にくつろげました。

それからもしばらくくつろいだ後、そろそろ出ましょうかという流れに。

スタート地点に戻る

白杖を手にして、B さんの誘導のもと、最初いた場所に帰ります。今度は結構スムーズでした。しかし、C さんがサクサク行動するのを見て、というか聞くと、「やべぇ」と何度漏らしたかわからない感想が。僕と A さんはまだまだ赤子でした。

無事スタート地点に戻りました。

部屋を少しずつ明るくして、徐々に目を慣らしていきます。

初めてあらわになる、C さんの姿。想像と全然違ってました。想像はアテにならないんだなと再認識。というか見た目に対する興味が薄くなっているのを自覚してました。当然、女性の A さんの姿も見えるわけで、さっきまで結構赤裸々な話とかしてたはずなのに、全然恥ずかしくないですもん。むしろ家族みたいな親近感さえおぼえるレベル。

普段無愛想な僕ですが、明るくなってもしばらくは表情が緩んでました。緩んでたことを自覚できていました。

15:20 おしまい

というわけで DID、終了です。

最後にアンケートを書いて、B さんに提出して、鍵を受け取ります。軽く雑談して終了。

今回学んだこと

感想として「今回学んだこと」をまとめておきます。

推測させるな、伝えよ

はっきりと言葉にすれば、それだけで端的に伝わる――この気持ちよさと重要性を味わえた時間でした。

普段の僕らって、ハイコンテキストじゃないですか。「言わなくてもわかるよね」というか、多くの空気や常識を前提として、やたら遠回りに伝えようとする。ああ、遠回りでバカらしいことしてたんだなぁ と、改めて思いました。

直接伝えれば、すぐ伝わります。逆に、伝えてもらえれば、すぐにわかります。この直接のやり取りで、高速にコミュニケーションを回していける。

もっとも、日常生活にせよ仕事にせよ、そんなに何でもすぐ言い合って済むほど単純ではありませんが、特に僕はすぐ遠回りしたがるので、気をつけようと改めて思いました。

視覚はノイズ

視覚情報はノイズの温床なんだな とも痛感しました。

今回の体験ほどリラックスできたことは、僕はほとんどないです。なんであんなにリラックスできたのかと考えて、明らかに「見えなかったから」なんですよね。相手の様子も、自分がどう見えているかも、一切考えなくていい。この気軽さ。いいなぁ。もう一回行きたいです。東京でも復活してくれませんかねー。

僕は(ブログ名のとおり)普段からストレスフリーを意識しているのですが、今回は良いヒントが得られました。視覚情報を減らす。このアプローチで、さらにストレスフリーに近づけそう。

暗闇で過ごすという体験

今回僕が DID に遊びに行った目的の一つが「暗闇で行動するシーンを小説で書きたかったから」でした。

想像とは違ったリアルが色々ありました。リアリティのあるシーンが書けそうです。

相対的に捉える

もう一つ学んだのは 相対的に捉える という発想です。

暗闇での行動では、「ここにこれがあるから、あれはもうちょっとこっちにあるはず」とか「声があの辺から聞こえるから自分はこの辺にいるはず」のように 捉えた情報を基準として、対象物や自分の位置を「相対的に」把握する 必要があります。

普段は絶対的に対象がハッキリ見えていますから、絶対的なアプローチばかり取りますが、そうではなくて、現象を観測しつつ相対的に近づいていくやり方もあるんだなぁ、と思いました。話が抽象的すぎて何に生きるかはピンと来ませんが、新たな武器を手に入れた感触があります。

おわりに

ダイアログ・イン・ザ・ダークの体験談を書きました。ゆったりできて有意義な時間でした。事前予約が必要ではありますが、大阪にお立ち寄りの方は、ぜひ遊んでみてください。

タスク管理本『ルーチンタスクの底力』の一部内容を無料公開してみました

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先日、タスク管理の本(電子書籍)を Kindle で出版しましたが、より親しんでいただくために、一部コンテンツ(全 11 章のうち最初の 3 章まで)を無料で公開してみました。

以下より閲覧できます。

以下、この本について雑多に書いておきます。

どんな本なの?

本書が目指しているもの

本書では以下の Before から After になることを目指しています。

  • Before
    • やることがたくさんあってやり忘れが起きている
    • 「あれをして」「次はこれをして」と常に意識を占有されて忙しい
  • After
    • いつ、何をやればいいかは すべて「秘書」が教えてくれる
    • やり忘れも起きないし、意識する手間もなくなる
    • 秘書の言うことに従うだけでいい

Before/After をどうやって実現する?

秘書と書きましたが、実際に人を雇うわけではありません。実際はただの仕組みです。

一言で言うと ルーチンタスク管理 という仕組みです。

これはルーチン(繰り返し行われる)なタスク(やること)を、仕組みとして上手いこと管理・運用するというものです。小難しく聞こえますが、やっていることは単純で、

  • 今日やるべきことを「今日やるリスト」に書き並べる
  • 明日やるべきことは「明日やるリスト」に、明後日なら「明後日やるリスト」に書く
  • 今日は、今日やるリストに書いたことだけ消化すればいい

これだけです。

つまり、頭の中であーだこーだと考えるのではなく、リスト(箇条書き)という形で外に出して、これを見ながら日々を回していきましょうというアプローチです。

本書の難易度

本書のカテゴリは自己啓発書・実用書になっていますが、内容は平易を心がけました。サラリーマンの方のみならず、私生活で苦しむ主婦の方から忙しい学校生活に苦戦する学生の方など、幅広くお読みいただけます。

ただし、解説自体は過不足無くお伝えするために、細かくなっていますので、内容も盛りだくさんです。新書一冊分くらいはあると思います。また、実際に身に付けていただくためのエクササイズなども用意しており、これに真面目に取り組むだけでも数時間くらいはかかります。

とはいえ、最初から全部取り入れることだけが正解ではないですから、まずは軽く読み流してみて、少しずつ試してみる……といった読み方でも良いと思います。

まとめ:

  • 平易に書かれてはいると思う
  • でもボリューム自体は多い

この無料公開コンテンツはどうやって公開しているか?

ウェブサイトなど技術的な話になります。

この無料公開コンテンツをどうやって整備して、公開しているかという話です。

GitHub Pages

結論を言うと、 GitHub Pages を使っています。

GitHub という「プログラムコードやドキュメントなどのテキストを管理するサービス」があるのですが、この一機能として「管理しているファイルをウェブサイトとして公開する」機能があります。これが GitHub Pages と呼ばれてます。手軽にウェブサイトを構築する手段として重宝されています。

たとえば僕のウェブサイト https://stakiran.github.io/stakiran/ もこの GitHub Pages でつくってますし、タスク管理界隈を例にすれば、佐々木正悟 公式サイトTaskuma -- TaskChute for iPhone も GitHub Pages でつくられてますね。

GitHub Pages はどうやって使うの?

すいません、解説は割愛させてください。

GitHub Pages、というより GitHub はプログラマ向けサービスということもあって、利用のハードルは中々に高いです。親切にやるなら本一冊とかになるレベルですね……。言語も英語ですし。

しかしながら、無料で使えるウェブサイトスペースとして本当に使いやすい。

  • 広告がない
  • ローカル完結
    • 煩雑で非効率的な画面を介さない
    • 「ローカルでファイルを編集」「ローカルでアップロードコマンドを叩く」だけでアップロードできる
  • 編集履歴が残る

といったメリットがあります。僕は職業柄使っていることもありますが、もう手放せませんねぇ……。

この本(電子書籍)はどうやって書いたの?

技術的な話になりますが、以下をご覧ください。

おわりに

言ってしまえば本記事は拙作の宣伝なのですが、せっかく書いたものは見てもらいたいので今回書いてみました。フィードバックなどお待ちしております!

PowerPoint 要らず!図を描きたいなら無料で多機能な draw.io を!

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書籍やブログなど記事用に図をつくる機会があります。Windows だと PowerPoint 一択だと思いますが、会社はさておき、自宅にはありません。値段も万単位で気が引けます。GIMP など画像編集ソフトは複雑すぎてよくわからない。もっと簡単に、無料で図を描ける手段はないものか……。ありました。draw.io です。

draw.io とは

draw.io とは、色んな図を簡単に作成できる描画ツールです。

draw.io の特徴

  • プレゼンツール(PowerPointなど)と UML モデリングツールが一つになったような機能
  • スライドはつくれないが、テキスト枠や矢印を配置するのは簡単
  • ブラウザから使える
  • タダで使える(商用利用可)
  • 画像へのエクスポートも可能

基本的な使い方

基本的には以下のような使い方になるかと思います。

  • 1: draw.io ブラウザ版 にアクセス
  • 2: テンプレートを選ぶ
    • 白紙もあります
    • UML 系も一通りある
    • ビジネスで使いそうな構成も色々とある
  • 3: 画面右上の地球儀アイコンから日本語化
  • 4: 描く
  • 5: 保存する

保存について

保存方法ですが、以下 2 種類があります。

  • プロジェクトの保存 …… draw.io 用のデータとして保存したければ XML で保存
  • 画像として保存 …… 画像として保存したければ Export で保存

また、保存先としてはローカル(draw.io では「デバイス」という呼び方をしている)だけでなく Dropbox などのクラウドもサポートしています。

商用利用について

気になるのが「ビジネス利用もできるのか?」という話ですが、使えます。

無料で使える上に、商用利用も可能です

一応、このあたりについて調べてみました。いくつかヘルプから抜粋(意訳つき)しておきます。

draw.io はなんでフリーなの?また今後もフリーであり続けてくれるの?

draw.io online is a free-to-license web application for everyone. It is free for any usage, there is no premium pay-for functionality, watermarking, etc. You own the content you produce and may use it for any purpose.

draw.io は誰でもどんな目的でもタダで使えるよ。draw.io でつくったコンテンツはあなたの所有物だよ。

Our business model is, in addition to charging for certain integrations, we sell the underlying technology to companies to create custom diagramming applications. draw.io advertises and demonstrates this technology.

そもそも我々のビジネスモデルは「draw.io を特定システムと連携させたいなら金を出せ」になっている。もっというとアトラシアンっていう会社の製品ね。draw.io をタダで開放しているのは、宣伝とデモのためでもあるんだ。

なんで draw.io はフリーなの?

Because our business model is based on volume of users using draw.io for free to market the versions of draw.io in the Atlassian ecosystem where we generate revenue.

それはアトラシアンのエコシステムで利益を得るビジネスモデルだから。

デスクトップ版もあります

実はブラウザ版だけでなく、Electron という技術でつくられたデスクトップアプリ版もあります。

「ブラウザではなくローカルで使いたい」といった場合は、こちらのデスクトップアプリ版を使うと良いでしょう。

ダウンロードは以下リリースページから行えます。

Windows の場合は「draw.io-9.3.1.exe」など exe ファイルをダウンロードします。

ダウンロード後、exe を起動すればインストールが走ります。ちなみに 64 bit しかサポートしていないため 32 bit Windows にはインストールできません。

おわりに

図の作成手段で悩んでいる方は、タダで使える draw.io を検討してみてください。

ダンスラ界隈で遭遇するマナー問題について

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どこの世界にもマナーうんぬんは存在しますが、DANCERUSH STARDOM ことダンスラも例外でありません。今回はダンスラで遊んでいて遭遇するマナー問題について取り上げます。

パウダー・スプレー問題

これはダンスラのフットパネルが滑りにくいからと、ベビーパウダーやスプレーなどをまぶして滑りやすくする人がいるという問題です。

何が問題なの?

  • 滑りやすすぎて危ない
  • 店の設備を勝手に汚している

過去はどうだった?

この問題は去年活性化していたように思います。Twitter 上でもしばしば取り上げられていました。

今はどう?

たまに遭遇しますが沈静していると思います。

実力者が増えたことや Twitter 上での啓蒙のおかげだと思います。ただ、現在でもたまにパウダーやスプレーをまぶされた台に遭遇することはあります。

動物園問題

これはダンスラ筐体の背後で(プレイヤーとは別の人が)はしゃぐといった行動を問題視したものです。

※「動物園」という呼称ですが、(後述する池袋の件で)当時使われていたワードをあえて使ってみました。他に良いネーミングが思いつかなかったもので。侮蔑や挑発の意図はありません。

何が問題なの?

  • 1: 通行人の迷惑になる
  • 2: 他のプレーヤー、特に新参プレーヤーが遊びづらい(近寄りづらい)
  • 3: 店内という公共の空間を私物化している

厄介なのは人によって意識がまるで違うことです。1: は誰もが同意でしょうが、2: や 3: はそうではありません。身も蓋もない言い方をすると「別に通行人の邪魔になってないし、今の時間帯は人もほとんどいないし、ちょっとはしゃぐくらいいいでしょ」といったスタンスですね。一方で、人がいようがいまいがちゃんと守るべき、とするスタンスもあります。

赤信号問題と似ているかもしれません。「明らかに通れるならいいでしょ(頭かたすぎでしょ)」派と「たとえ誰も何もいなくてもルールなんだから守るべきだ(頭のかたさの問題ではない)」派みたいな。

過去はどうだった?

過去には池袋の動画で炎上(といっても界隈内でリプ・エアリプ合戦が繰り広げられただけですが)したこともありました。特に多人数で遊ぶローテーションプレイ動画で起こりがちで、他地域のプレイ動画でも散見されていました。

今はどう?

今でも動物園な動画や、動物園と言えなくもない動画は多数存在しますが、「ちょっとくらいなら」というのが正直なところだと思います。

ちなみに動物園プレイが許される唯一の例外は、交流会イベントなど店舗許可のもとで、周辺空間を含めて独占利用することです。たまに「店舗許可済です」みたいな付記をした動画を見かけますが、これは「動物園問題はクリアしてますよ」と明示しているわけですね。

並び待ち問題

これはダンスラを遊ぶための待機列がはっきりしていないせいで、次に遊ぶのが誰かわからないという問題です。

何が問題なの?

  • 自分の番がわからない
  • 順番抜かしをされる
  • 何人待ちかを計算しづらい

過去はどうだった?

並び待ち問題は、特にギャラリーや仲間が多い店鋪で発生していました。

一見、並び待ちをしているように見えても、以下のバリエーションがあります。

  • ギャラリー(単に見ているだけ)の人
  • 休憩している(今はプレイする気がない)人
  • 見学者(友達がいるから来ているだけで遊ぶつもりはない人)

そしてこれらの人の中には、プレイしたくなった時にふらっとプレイを始める人もいます。既に並んでいる人がいるにもかかわらず、です。並んでいる人がスマホをいじっていて気付かなかった場合、「おい並んでるのに何してんだよ」となるわけです。一方、プレイを始めた側も「ちゃんと確認したけど誰も反応しなかったやん?」と言います。実際目視で確認しています。

……と、このようなことが起こるわけですね。僕も何度か遭遇したことがありましたし、Twitter でもこの手の愚痴がちらほらありました。

今はどう?

完全になくなったわけでは到底ありませんが、減ってきているとは思います。

店鋪側が「ここからこのように並んで下さい」と指示したり、記名式を導入したり、あるいは設置位置をギャラリーが発生しやすい位置から変えるといった対処をした後は、目に見えて軽減していると思います。

しかしながら効果抜群かというと、そうでもなくて、そもそも初心者の方などこういうルールに気付かない人がいたり、経験者であっても盛り上がっていると場の雰囲気や集団心理に呑まれて軽視してしまったりします。

ヒール問題

これは(特に高い or 鋭い)ヒールを履いた方がダンスラで遊ぶという問題です。

何が問題なの?

  • ダンスラではヒールのような靴でプレイすることを警告している
  • フットパネルが傷付く
  • ガツガツと踏む時の音がうるさい

ヒールは運動には向いていないので本人も怪我しやすいですし、足の骨を砕くほどのパワーでガツガツ踏んだり、硬くて面積の小さい底部分を接地させてスライドさせたりするわけですから、当然フットパネルも傷がつきます。傷がつけば誤反応の原因にもなります。

過去はどうだった?

今と大差無いので次項で取り上げます。

今はどう?

現実で何が起こっているかというと、高いヒールや鋭いヒールを履いた女性客(女性以外の方もいらっしゃいますが記述を単純にするため女性客と書くことにします)が、ガツガツと遊んでいます。何も知らない初心者さんのみならず、ある程度遊んでいる経験者さんもそうです。

この問題は意外と厄介です。

まず女性側としては以下の言い訳があります。

  • 激しく踊ってるパフォ勢よりも動きはおとなしいよ?
  • 極端なハイヒールやピンヒールならまだしも、ヒール自体は履物として普通だよ?
    • 注意事項で禁止しているのは極端なやつだけじゃない?
  • そもそも注意事項は注意でしょ?守るのは必須じゃないよね?
  • 女子はヒール履くのが当たり前なの。いちいち運動靴も持参しろって言うの?
  • パンプスとヒールの違いって知ってる?
  • パンプスもダメだと言っているのなら革靴で遊んでる人もダメじゃね?

※厳密に言えばパンプスは「靴の種類」、ハイヒールは「かかと部分が7cm以上」という定量的性質、ピンヒールは「かかと部分が特に鋭い」という定性的性質、と言葉がかなり紛らわしいようですが、ここではこれらを総称して「ヒール」と呼ぶことにします。

次に店側ですが、ヒールを履いて遊ぶ女性客は予想外に多く、ここを全部シャットアウトすると利益に影響が出かねないレベルです。新規さんはただでさえ貴重ですからね。「ヒール履いてる奴は遊ぶな!」と一蹴して、ハードルを高くするわけにはいきません。

最後に注意側ですが、女性プレイヤーらに厳格に注意すれば、彼女らから嫌われてしまうのは目に見えていますから、嫌われたくなければ見逃すしかありません。

というわけで、ヒール問題は中々なくならないんじゃないかと個人的には思います。

待ち椅子占領問題

これは動物園問題と似ていますが、ダンスラプレイヤーたちが待ち椅子を占領するせいで、本来使うべきプレイヤーが待ち椅子を使えないという問題です。

何が問題なの?

  • 本来なら待ち椅子を使えているのに、使えない

特にダンスラは(ストイックにシャッフルダンスで踊れば)足を消耗するゲームなので、座って休憩することは必須です。にもかかわらず、プレイヤーの一部が荷物を置いていたり、遊ぶ気のない付き添いが居座っていたりするせいで座れません。

過去はどうだった?

今と大差無いので次項で取り上げます。

今はどう?

この問題はアットランダムに発生します。早い話、居座る人が来たら発生しますし、誰も来なければ発生はしません。

この問題は線引きが難しいので、正直言ってなくならないと思います。たとえば「1 時間に 1 度だけ遊んで、あとは待ち椅子でくつろいでいる人」を問題とするかどうか、に対する解は無いと思います。店側がつくることはできますが、つくったところで、監視しなければ守られません。監視のために人を割くかというと、それはノーですよね。そんなに人員に余裕のあるゲーセンはありません。

おわりに

ダンスラで遭遇するマナー問題について 5 つほど取り上げてみました。気を付けて遊びたいものです。