ひとり暮らし歴一年の元パラサイトシングルが「片づけHACKS!」を読んで「おっ」と思ったこと
パラサイトシングルをやめて、ひとり暮らし歴を始めてから一年が経ちましたが、まだまだ生活全般、特に収納面が不器用で非効率な気がしたので、「片づけHACKS!」を読んでインプットを増やすことにしました。
どんな本?
- 作者: 小山龍介
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2016/11/25
- メディア: 単行本
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片づけHACKS!(著:小山 龍介)
総評
★★★☆☆
便利なクラウドツール、ライフハッカーしか知らないような概念から著者オリジナルの整理術まで、「おっ、すぐに試せそう」というネタが多数ありました。これらを知ることができただけでも大きな収穫です。
一方で、第三章チーム整理ハックや第七章フィールド仕事ハックのように、フリーランスでなければ参考にならないようなネタも多く、消化不良感があります。僕は会社員ですし、大多数も会社員でしょうから、会社員向けのハックがもっと欲しかったですね。
では、以降では「おっ」と思ったものをひたすら列挙していきます。
暮らしの収納ハック
三つのフェーズ
片づけの哲学として著者は以下の 3 フェーズを推しています。
- フェーズ1: 収納を増やす(箱に全部放り込む)
- フェーズ2: ものを減らす(断捨離する)
- フェーズ3: 収納を減らす(箱自体を減らす)
特にポイントとなるのがフェーズ1で、本書では 分類してはいけない とまで言います。分類なんて高度なことはできないし、やっても忘れるし、時間もかかる。そうするよりも、まずは「この中に必ずある」という状態をつくる、と。このアイデアは『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』でも取り上げてありましたね。
箱としてはボックス型(無印良品のポリプロピレンボックス)とレター型(縦に引き出しが並んだケース)の二つが良いそう。大きな収納力を持つのはボックス型に。書類など小さなものはレター型に。
フェーズ2、3 については断捨離やミニマリズムの一般論なので割愛します。本書でも概要しか取り上げてありません。
衣服はすべてハンガーにかける
収納が面倒になる理由の一つが「積み上げる」ことで、服にもこれは当てはまりますが、ハンガーを使えば「積み上げ」はなくなり、見通しも良くなりますし、たたむ手間もなくなって良いですよね、という話です。
僕は半信半疑でしたが、早速取り入れてみました。
【Before】
- 積み上げた服の(特に下の方を)取り出すのが面倒くさい
- 服を積み上げられるようにたたんだり、積み上げる順番を考えるのが面倒くさい
【After】
- 積み上げ式のデメリットが全部なくなった
- ハンガーにかけられないほど服が多い=断捨離するべき、という一種の明快な目安ができた
ハンガー式、良い感じです。
ただし、小さく丸めてボックスに押し込める下着については、僕はハンガーにはしていません。
Amazon を自宅の倉庫にする
これは買いたい時に Amazon から買い、要らなくなったものは Amazon マーケットプレイスで売却する(つまり Amazon に預けるイメージ)というアイデアです。買ったものをすぐに楽しんで売れば、金額の差は(少なくとも何年も自宅で腐らせるよりは)あまりないので、まるで Amazon を倉庫にしているかのような感覚になる、ということみたいです。
それは便利そうだ、ということで、早速マーケットプレイスについて調べてみたのですが、僕の感想は「あ、これ面倒くさい」でしたね。
手順としてはざっくり、以下なのですが、
- (1) Amazon に出品したい商品を登録する(この時に金額や状態など出品情報も登録)
- (2) Amazon から「おい、購入者が来たぞ、配送しろ」と連絡来るので、梱包とかして配送する
- (3) 無事済んだら、Amazon から振り込まれる
いちいち出品情報登録や梱包配送が必要です。もっとも服など高価なものであればやる価値はあるのでしょうが、マンガ本程度の安いものであれば割に合いません。こういう出品は、ブログと同じで「時間をかけないと儲けられない」ようで。
もし金額を気にしないのであれば、ブックオフ等で売ってしまう方がはるかに楽です。
ミニマルオフィス・ハック
捨てられない書類は minikura で保管
minikura は箱一個 200 円で預けられるクラウド型の倉庫サービスです。
著者は書類を minikura に預けており、年末の整理のタイミングで一度引き出し、今年の分もまとめてまた預ける、という運用をしているそうです。
最近はこういう物理的なサービスまでクラウド化しているんですね。びっくりしました。
僕はマンガやラノベがたくさんあるのが悩みなので、minikura で何とかできないかなぁと妄想しています。僕がマンガやラノベを捨てられない理由は「数年後くらいにまた読みたい」からであって、であれば数年預けておけば良いのでは、とも思うのです。しかし本になると箱数箱は軽くいきそうだし、重たいので実際はもっと箱分けて分散しろとかありそうですしで、月1000円は超えそう。ふむ。悩みどころ。
Kindle Uilimited で Amazon を本棚にする
Kindle Unlimited は、Amazon の Kindle 本が月額 980 円で読み放題になるサービス。これを使えば実質 Amazon が本棚になるようなものなのかなと僕は解釈しました。
というわけで調べてみたのですが、現実はそんなに甘くないらしいです。ダウンロード数に制限があるとか、ベストセラーのような本は読み放題になっていないとか。
ただ、それでも対応冊数は 10 万冊以上の世界なので、本が好きなら元は取れそう。それに、これは一電子書籍作家としての意見なのですが、アマチュア個人の電子書籍であれば、Kindle Unlimited 対応(読み放題)にしているケースが多いので、かなり自由に読める気もします。アリですね。
まあ僕はスマホすら持たないほどのタッチパネル嫌いなので、Kindle Unlimited も当面やるつもりはないのですが(苦笑)
ノートにもワンポケット原則
ワンポケット原則とは「とにかく一箇所にまとめろ!そしたらこの中にあるから」という原則で、収納ハックの項でも述べました。これをスマホのメモにも応用するということです。
著者は Mac や iPhone 標準のメモ機能を使い、これを同期しているのだそう。メモ時に日付さえ書いておけば、あとでカレンダーや記憶を頼りに探せます。下手にメモ箇所を分散させるとわからなくなるので、こうしてワンポケットにしてしまった方が使い勝手が良いみたいです。
僕はメモ箇所を分散しがち(たぶん10箇所超えてます)なので、この原則は見習いたいと思いました。
タスク片づけハック
ジャストインタイム
ジャストインタイムとは、必要になった時に必要な分だけを仕事する、というアプローチです。
未来のことなんてどうせわからないし、めまぐるしく変化するので、備えすぎても意味はない。未来は軽く見積もるだけにして、とりあえず今必要なことを行動する。そういうスタンスが良いのだということです。
これは僕も心がけていることですが、仕事だけでなく家事にも言えることだと改めて気付きました。あの家電があった方がなんとなく便利そうだ、買おう、ではなく「ここが汚れてるから掃除しよう」「ここのマンガが邪魔だから何とかしよう」のように、今直面している問題から対処していった方が、快適になりやすい。
僕はひとり暮らしを始めた当初、便利そうという理由であれこれ買っていたのですが、結局使ってないものも多いです。特に自炊で使う食器やら調理器具やらは、結局外食派になったため丸々棚の奥底に眠ってます。捨てるのも大変。
フロントローディング
ロケットスタートとも言いますが、要するに「仕事の始めが重要だから、とりあえず全力出して進めてみよう」ということです。
仕事というものはわからないもので、実際に手を動かすことでわかってくることが多数あります。この「わかってくること」を素早く知るために、最初はエンジン全開でロケットスタートします。そうしたら全体像が見えてきて、あとは少ない労力で計画的に進むだけで済むようになります。
これも仕事だけでなく生活面の改善にも役立つアイデアだと思います。
実は僕は、本書で得た Amazon マーケットプレイスについては、このフロントローディングで調査を進めていました。その結果、マンガやラノベなど安い本の収納に悩む僕には「割に合わない」「面倒くさすぎる」ことがわかりました。全力で調べたからこそです。もし、調べていなければ、ずるずると期待をひきずって長らく頭の片隅でもやもやしていたことでしょう。
情報整理ハック
検索は期間指定して絞り込む
リアルタイム情報は Twitter で検索する、程度は僕も知っていましたが、期間指定すれば検索しやすくなることは知りませんでした。
早速試してみました。
上記は僕の Twitter アカウントが発した、2018年11月中のツイートです。since と until で期間指定してます。
これは一例ですが、こうやって期間で絞りこむことで、さらにノイズを減らせるんだなというアイデアを知れて、目からウロコです。
場所について知りたければ Instagram のスポット検索
Instagram にはスポット検索機能があり、投稿された写真に対して、その写真に埋め込まれた位置情報を使って検索をする……という機能がるそうです。はじめて知りました。
少し調べてみました。
たとえば「宮島」で検索する場合、キーワード(ハッシュタグ含む)検索だと、写真投稿者が「宮島」というキーワードを設定しない限り、その写真はヒットしません。しかしスポット検索では、その写真が宮島で撮影されたものであれば、宮島というキーワードがなくてもヒットします。(たぶん仕組みとしては Exif 情報と地図サービス機能を上手く連携させているのだと思いますが)
スポット検索を使うと、実際にその場で撮られた写真を検索できる、というわけですね。
使いどころとしては、観光地というよりも、もっとニッチな街名や地名が良さそうですね。
情報収集はアウトプットである
個人的に一番の発見が、このネタです。
これは「Tumblr などでキュレーションすれば、それだけで自己表現になる」という意味です。今までは自分でいちいちブログを書いたりしていましたが、今は書く必要さえなく、既存のネタを組み合わせて「私はこういうことに興味があります」「こういう情報を集めてます」を示せれば良い、と。一昔前ならともかく、今は情報も技術も発展していますから、新しいアイデアなんて早々生み出せません。
著者はブログを書くことへの興味が薄れ、今はキュレーションだけしているそうです。
僕は「なるほどな」と思いました。ちょっとした自己表現で満たしたいだけなら、ブログという手間のかかる方法を選ぶ必要はもはやない、と。そういえばキュレーションしている個人はちらほら見かけますね。Tumblr もそうですし、Twitter や Facebook でも自分が読んだ記事を垂れ流している人もいますし。あれは、こういうことだったのですね。
おわりに
本書は、色んなネタを浅く広く扱っているので、これだけ読んでも行動には結びつきません。しかし「そんな概念やサービスがあるのか」という発見はあります。僕も色々と知ることができました。これがハック本の良いところですよね。
まだ行動できてないことは後で行動したいと思います。とりあえず minikura でマンガ・ラノベ保管、について考えてみるか……。