レビューのコツ
ここでいうレビューとはコードレビューのことではなく、GTD におけるレビューのような 「定期的に行う」「個人的な」「仕事または日常生活全体の」「振り返り」 のこと。
僕は仕事でもプライベートでもレビューを取り入れているが、だいぶコツがわかってきたように思う。今回まとめてみたい。
- レビューとは
- レビューの要否
- 時間帯
- 頻度
- 基準をつくる
- ログ(過程)を溜める
- 具体的なアクションを仕込むところまでやる
- データ型かひらめき型か
- とりあえず積む
- ひねりださない
- 疎でも受け入れる
- レビューで何をするかはテンプレ化しておく
- モニタリングする
- 無慈悲な伐採
- おわりに
レビューとは
- 振り返り
- 定期的に振り返る(n日に1回)
- 一人で、かつ自分について振り返る
- 仕事または日常生活を振り返る
- 効用
- 整理整頓(未読レビュー)
- 現状把握(進捗レビュー)
- 軌道修正(進捗レビュー、方向レビュー)
- レビューの種類
- 未読レビュー(溜めてるものを消化する or 消化対象にする)
- 進捗レビュー(すぐには終わらない事項(プロジェクト)の進捗を振り返る)
- 方向レビュー(人生目標、哲学、価値観などと照らし合わせて振り返る)
- 参考: レビューは三種類あると思う - ガラパゴスタ
- よく知られたレビュー手法
- GTD
- スクラム(デイリースクラム, スプリントレビュー, etc)
- KPT(Keep/Problem/Try)、YWT(やったこと/わかったこと/次にやること)
レビューの要否
- 人それぞれ
- やらなくても別に死なないので最悪要らない
- QoL を上げたいなら必要
- やるにしても何のレビューをどれだけやるかは人それぞれ
- 例1: 未読のみ週一でやる
- 例2: 進捗は毎日、未読は週一、方向は月一
- 例3: 週一と月一だが、何をどれだけやるかはその時状況次第
- 例4: 何もしない
時間帯
- なるべく朝(起床から数時間以内)が良い
- 頭が疲れてないので思考・発想が広がりやすい
- 絶対に邪魔が入らない時間帯にする
- 同居人がいるなら早朝なり出かけるなりしてでも
- 通知は全部切っても良いレベル
頻度
- 日次(Daily)、週次(Weekly)、月次(Monthly)、年次(Yearly)がある
- どの頻度でやるかは人それぞれ
- 例1: d だけ
- 例2: w と m
- 例3: d と w
- 例4: d と w と m と y(全部)
- y だと頻度が少ない場合は四半期(Quarter)、半期(2Quarter)もアリ
- 頻度は足りなければ増やす感じ
- 足りない ≒ 振り返りに時間がかかりすぎる or 思い出せない
- d は 5~15 分、w と m は 60 分以内で済ませたい
- 低頻度のレビューでは高頻度のレビュー結果をインプットにする
- 例1: w では「d の結果」や「d で処理しなかったもの」を読む
- 例2: m では「w の結果」や「d と m で処理しなかったもの」を読む
- こうすればレビューに要する時間を減らせる
基準をつくる
- レビュー ≒ 基準(理想や目標や指針)と現実の乖離を知ること
- 基準が無いと知りようがない
- 目的のない読書やゲームみたいな娯楽に成り下がる
- 基準がない場合は、えいやでいいからつくる
- 日々行動してレビューしたら色々見えてくる
- 基準も肉付けされていく(肉付けできるようになる)
ログ(過程)を溜める
- レビュー時に全部思い出そうとするのは無理ゲー
- やったこと、思ったこと、感じたこと、考えたこと etc なるべく形に残しておき、これらを見ながら振り返るしかない
- 自動で記録してくれるシステムがあると楽
- 溜めるもの・溜まるものの例
- 日記
- 日報/週報
- タスク管理ツールや TODO リストのログ
- ブラウザの閲覧履歴
- Dropbox や GitHub などワークスペースの更新履歴
- ……
具体的なアクションを仕込むところまでやる
- レビュー後は具体的なアクションを出して、仕込むところまでやる
- 仕込む≒予定、リマインダー、タスクリストなどにセットする
- その場でアクションに落とし込めないなら「A の件について落とし込む」というタスクを仕込む
- よくある落とし込みテクニック
- とりあえず買う
- とりあえず配置だけしてみる(掃除・整理系タスク)
- とりあえず下書きを書いてみる
- 5分でいいからググってみる
- 5分でいいから思いついたキーワードを列挙してみる
- ……
- 仕込み方
- カレンダーに仕込む
- リマインダーを仕込む
- タスクリストに書いておく
- ただしタスクリストが日間割(日単位でその日やることを記載できる)能力を持っている必要がある
- 日間割があれば、次の13日にやりたい → 13 日の欄に書いとく、で済む
データ型かひらめき型か
- データ型は、定量的に記録して分析することで発見する
- ひらめき型は、定性的に記録して読み返すことで着想する
- どっちが適しているかは人次第、対象次第なので適宜使い分ける
- 例1: 僕はどちらかと言えば「ひらめき型」
- ログを読み返して「これは良かった」「これはダメだった」を洗い出す感じ
- 分析や計算は得意じゃない(頭を働かせるのが苦手)ので、直感に任せる傾向がある
- 例2: 進捗レビューは「データ型」が適する
- 進捗を把握し、次につなげるためには、定量的に進捗を知るしかない
- (Bad...) 今日はこれとこれをした、この点が良かった、この点が悪かった……
- (Good!!) 締め切りが xxx で、タスクは全 yy 個で、現在 zz 個まで終わってるから、残り d 日で zz-yy 個のタスクを消化する必要があって、ここまでタスク一つの平均消化時間は a 時間、で一日の労働時間は h 時間だから……
とりあえず積む
- レビューという習慣があると「どうせ後で見返す」という安心感が得られる
- 重要でないことは、どんどん「とりあえず積む」
- 後でレビュー時に要否や実施タイミングを検討すればいい
ひねりださない
- 何も思いつかない、何も見出せないならそれはそれでいい
- 避けたいのは「心にも思ってないことを言語化して、振り返った気になること」
- 無意味どころか時間の無駄
- この「作文や屁理屈をつくるマン」は意外と陥りやすい
- 何も思いつかない、見出せない時の原因
- 基準(理想や目標や指針)がない
- ログが無い
- ログはあるが、読みづらくて頭に入ってこない
- ログの内容が不十分
- 例: 日々のパフォーマンスの浮き沈みが激しい、原因がわからない
- → たとえば体調や感情を記録してないから
疎でも受け入れる
- やりたいことがないなら、無理してひねり出さなくてもいい
- レビューしても何も改善点やアクションが出てこない → ある意味平和
- 世の中には「やりたくない」「つまらない」けど「やらなきゃいけない」を多数抱えて苦しむ人が多い
- 例1: 言われるがままに結婚して子ども持って昇進してる人
- 抱えてなければその分、やることがないので、レビューしても何も出てこないことはよくある
- 例2: 現状に満足してる多趣味平社員独身男
- そのうち「やりたいこと」や「やるべきこと」が出てきたら忙しくなるよねー、それまでは平和を楽しんでおけばいいかー、くらいの心持ちで良い
レビューで何をするかはテンプレ化しておく
- どのレビューで具体的に何を行うかは事前にテンプレ化しておくと楽
- まず a を開いて、次に b を書き写して、c と d を見ながら e の観点で振り返ってね ← こういう指示をチェックリストなり何なりでテンプレ化しておく
僕の週次レビューテンプレを晒しておく。
3 2019/11/10 Sun x GTD rep:7 週次レビュー 0 60分確保してください これはskipしてね 3 2019/11/10 Sun x GTD rep:7 週次レビュー 1 review_log.md のフォーマット見て作業環境を開け m:1 3 2019/11/10 Sun x GTD rep:7 週次レビュー 2 今週分読みつつ書け diary trita statil gistfile m:20 3 2019/11/10 Sun x GTD rep:7 週次レビュー 3 インボックス振り分け trita → someday? task? pj? m:4 3 2019/11/10 Sun x GTD rep:7 週次レビュー 4 ..\gtd\project.md 1 先週目標と今週実績振り返り 対策はタスク化 m:7 3 2019/11/10 Sun x GTD rep:7 週次レビュー 4 ..\gtd\project.md 2 height 振り返り 4000m 5000m 読む m:3 3 2019/11/10 Sun x GTD rep:7 週次レビュー 4 ..\gtd\project.md 2 height 振り返りと修正 2000m m:2 3 2019/11/10 Sun x GTD rep:7 週次レビュー 6 ..\gtd\project.md 今週やることの列挙と配置 1 pj and task m:8 3 2019/11/10 Sun x GTD rep:7 週次レビュー 6 ..\gtd\project.md 今週やることの列挙と配置 2 neta m:6 3 2019/11/10 Sun x GTD rep:7 週次レビュー 6 物足りないと感じたなら someday から補充 m:5
オレオレツールなので細かいフォーマットは割愛するが、どの順番で、どのファイルを使って、どんなことをすればいいかが指示されているのがわかるかと思う。
モニタリングする
- 定量的に記録しないとわからないことは、定量的に記録するしかない(モニタリング)
- 例
- 支出
- 帰宅時間
- 体調
- 睡眠時間
- 体温
- 体重
- 薬の服用数
- ……
- 習慣
- 筋トレの有無
- 有酸素運動の有無
- 朝食は食べたか
- オナニーやエッチの有無
- ……
- 喜怒哀楽メーター
- 喜を感じたか
- 怒を感じたか
- 哀を感じたか
- 楽を感じたか
- ……
- レビュー時は、定量的に記録したデータから傾向を洗い出す
- たとえば以下のようなことがわかる
- 例1: 睡眠時間が 7H 切ってると日中の満足度が低い
- 例2: 筋トレとオナニーが重なってると翌日体調崩しがち
- 例3: ここ一ヶ月、毎日定時だけど、喜と楽が皆無だ
- 記録は毎日つけるしかない
- テンプレ化すれば負担は減る(テンプレに従うだけで記録できるので楽)
- 仕込み(予定やリマインダーで仕込む)をしたら、記録を忘れることはない
- 「あー、記録するのだるいなー」 ← これは打ち勝つしかない
無慈悲な伐採
- 人はさして重要でもないことを抱え続ける傾向がある
- レビューでもこのことに気づけず、抱えるものが多い → 毎回レビューにも時間かかってる
- この現状を打破したいなら、どこかで「えいや」で捨てるしかない
- 要するにミニマリズム
- 僕が取り組んだことの例
- 記事にしたい本(昔読んだもの)が数十冊溜まってる → 中々読まないし、思い切って全部捨てた
- 最近乗ってないキックスケーターがある → もったいないけど、思い切って捨てた
- 婚活サイト放置したままだ、そろそろアクション起こさないと → どうせ本音はやる気ゼロなので、思い切って退会
おわりに
レビューのコツと題して、僕が気付いたこと・学んだこと・普段心がけていることなどを雑多にまとめてみた。参考になれば幸い。
他にも「私はこんなことしてるよ!」「こういうおすすめのやり方がありますよ!」などあったらぜひ。