社会適合と悟りのマトリックス
社会不適合者と自認する人が、ネットで人並以上の成果を出しているのを見ると「どこがやねん」と思います。
ぼっちと自虐する人が、ネットで友達がいるのを見ると「どこがやねん」と思います。
このあたりの違和感について考えていたところ、ある二つの軸で分類をすればキレイに説明がつくことがわかったのでまとめてみます。
社会適合と悟りのマトリックス
社会適合者である | 社会不適合者である | |
---|---|---|
悟れる者である | 幸福な成功者 | 幸福でない成功者 |
悟れる者でない | 凡人 | 落ちこぼれ |
社会適合と悟りのマトリックス は、人を「社会適合者かどうか」「人のニーズを悟れるか否か」の二軸で計四つのタイプに分類するマトリックスです。
このマトリックスが主張するのは、重要なのは社会適合者かどうかではなく、悟れる者かどうかという点です。
というのも 社会不適合者であっても、悟れる者であれば成功できる からです。自分のビジネスを手に入れたり、ネットで友達がいたりする人は、このタイプです。
逆に社会不適合者であり、悟れる者でもないというのは最悪です。落ちこぼれです。このタイプこそが真の不適合者であり、ぼっちなのです。
二軸について
社会適合と悟りのマトリックスで用いた二つの軸について解説します。
社会適合者とは
社会適合者 とは行動の基点がネットよりも リアル にある者です。
社会不適合者 とは行動の基点がリアルよりも ネット にある者です。
これは社会不適合者をベースに考えるとわかりやすいです。社会不適合者はリアルでは上手く立ち回れない・自分を満たせないので、ネットで活動します。
社会不適合者の特徴は ネットで発信活動(全世界全員を想定して何らかの情報を発信する)を行っていること と言えます。これは単に Twitter や Instagram をしているから不適合者だ、という意味ではありません。発信活動をしていても、全世界全員を想定していない人は多数います。
悟れる者とは
悟れる者 とは 人のニーズがわかる(ニーズを悟れる) 者です。
悟れる者の特徴を以下に挙げます。
- 恋人がいる
- 特に意識せずとも友達ができる
- 学校、アルバイト先、仕事先などで無難に立ち回ることができる
- ブログで小遣いを稼げる程度以上の PV(月に万以上)を集められる
悟れる者は特定個人または大衆のニーズを悟ることができます。よって、対人関係を無難に過ごしたり、好意を得たり、あるいは自身のコンテンツを消費してくれるユーザーを増やしたりできます。
一方、 悟れない者 とは 人のニーズがわからない(ニーズを悟れない) 者です。
悟れない者は不憫な存在です。多少能力が高く、努力量が多くても、悟れる者ほどの成果が出ません。ニーズを満たしていないため、傍から見ると空回りか、あるいは自分本位の暴走にしか見えません。しかし、本人はそのことがわからないのです。あるいは、なんとなくわかっていても、具体的にどう改善すればいいかまではわかりません。
各分類について
社会適合と悟りのマトリックスによって分類される四つのパターンについて解説します。
社会適合者-悟れる者(幸福な成功者)
社会適合者であり、悟れる者は 幸福な成功者 です。
社会に適応でき、また悟れるので、無難に立ち回ることから自分でビジネスを立ち上げることまで自由自在です。
誰しもが必ずしも努力し続けるとは限りませんが、少ない努力で無難な人生を手に入れることができます。現に、会社で昇進しつつ愛する家族がいる程度のことは当たり前にこなします。
努力をすればもっと多くの自由、立場、金銭を手に入れることも難しくありません。なぜなら悟れるからです。
【このタイプに対するアドバイス】
基本的にはありません。
強いて言えば、自分の人生を転落させるような危険や罠には注意 しましょう。不正や不倫をしない、その他犯罪をしない、危ない人や場所は避ける・逃げる、などですね。
社会不適合者-悟れる者(幸福でない成功者)
社会不適合者であり、悟れる者は 幸福でない成功者 です。
この手のタイプは社会(リアル生活)には適合できませんが、悟ることはできるため、 努力次第で成功を収められます。たとえばネット上で多くのファンを集めたり、自分のビジネスを確立したりできます。
むしろ、社会に期待していない分、努力する先がネットにしかないので、比較的努力をたくさん行う傾向があります。社会人に馴染めず数年でやめて、その後あっさり成功してしまう……なんてことも珍しくありません。
悟れるので、なんだかんだ友達はいます。何なら恋人もいます。ただ、社会という非効率で不条理なリアルへの耐性と経験が少ないだけなのです。
しかし、このタイプは幸福ではないことが多いです。というのも、幸福とはえてして社会(リアル)での面倒を受け入れてこそ手に入るもの だからです。このタイプは(たとえ成功していても)どこか満たされないことがあり、それをネット上で発散する傾向があります。たとえ十分な成功と資産を手に入れても、活動をやめることはほとんどありません。
【このタイプに対するアドバイス】
基本的にはありません。
強いて言えば、本当に幸せになりたいなら社会(リアル)を受け入れてみる ことです。自分よりバカだから、行動が鈍いから、と言わず、人と付き合います。
また 奉仕(ボランティア)を行ってみる ことで、愛や貢献といった利他的な喜びを知るのも良いでしょう。
社会適合者-悟れない者(凡人)
社会適合者であり、悟れない者は 凡人 です。
悟れないので大きな成功を収めることはできませんが、社会には適合できているので、無難な人生をおくることはできます。
たとえば会社で昇進しつつ、愛する家族がいる程度のことはできます。しかしそれ以上、たとえば独立して年収を三桁から四桁にするといったことは難しいのです。
しかしながら、このタイプが悟れないというのは 単に経験が足りずに悟れない だけなので、経験を積みさえすれば悟れるようになる――つまりは幸福な成功者になることができます。そもそもある程度悟れないと社会に適合できない のですから、適合しているということは、それだけで悟れる者としての資格・資質・適性があると言えます。
【このタイプに対するアドバイス】
まず 大きな成功を収めたいかどうかを自分の中で決めておきましょう。
別に収めたくない場合は、そのまま無難に人生を歩みます。ただし、いざという時に行動できるよう、日頃から怠けすぎないようには注意したいところです。
逆に「収めたい」という場合は、努力しましょう。年単位の努力が必要です。一時的に今の無難な人生が壊れることもあることには注意してください。また、何に関して成功させたいのか、自分は何を目指したいのかといった方向性も明確にしておきましょう。明確にしているからこそ、それに至るためのニーズを悟ることで前進していくことができます。
社会不適合者-悟れない者(落ちこぼれ)
社会不適合者であり、悟れない者は 落ちこぼれ です。
このタイプはその名のとおり最悪です。社会に適合できず、かといって悟ることもできないのでネットで成功することもできず、惨めな人生を歩むことになります。
いくつか例を示します。
- 恋人がいない、友達もいない、なぜかみんな離れていく、理由や原因はよくわからない
- 成績は優秀なのに内定がもらえない
- 偶然気の合う面接官と出会って内定をもらい、入社できたが、会社で馴染めず、ずっと平社員
- 会社に馴染めないが、真面目に頑張っていたら、体調を崩してしまい入院する事態に
- 副業を続けているが全然人が集まらず、何が悪いのかもわからない
厄介なのは 努力をしても、それに見合った結果が得られず、空回りする ということです。一方、他のタイプの人間は、もっと少ない努力でもっと高い成果を出しており、理不尽で不公平に見えてしまいます。このタイプは無力感と劣等感で占められています。
【このタイプに対するアドバイス】
まず 大きな成功を収めることは諦めましょう。悟れない者が成功を収めることはできません。
人並以下の苦労で無難に過ごすことを目指しましょう。たとえば大企業に入社して、人並以下の仕事量で毎日定時で帰る万年平社員です。昇進するとか、独立するとかいったことは悟れないのでできません。努力しても報われないか、途中で心身を壊して終了してしまいます。どうやれば人並以下の苦労で過ごせるか。それだけを考えます。幸いにも、不適合にして悟れないという性質は、このような立ち回りが得意です。
無難を勝ち取るために、とりあえず行動しましょう。このタイプの人は悟れないので、自分の思い通りに成果を出すことができません。となると運に頼るしかなくて、そのためにはとにかく行動です。場数と出会いを増やして、無難な生き方に通じる道が偶然転がり込んでくる率を上げるのです。たとえば就活では、偶然自分と気の合う大企業と出会えるまで行動します。無論、努力により自分の長所や武器は磨いておく必要はあります。
一番言いたいこと
社会適合と悟りのマトリックスにおいて一番言いたいことは、以下の二点です。
- ニーズを悟れるかどうか こそが重要である
- 悟れない者に成功はない ので、 特に落ちこぼれはそもそも勝負せずに済むよう立ち回るべき である
かくいう僕も落ちこぼれのタイプに属します。
この社会適合と悟りのマトリックスは、僕のような落ちこぼれにも希望をもたらす考えです。彼らと僕らは違うのだということ、そして僕らにできる唯一のことは、勝負しないように立ち回るのだということ。それを、この社会適合と悟りのマトリックスは教えてくれます。
おわりに
社会適合と悟りのマトリックスということで「社会適合者かどうか」「ニーズを悟れるかどうか」の二軸で、計四つのパターンに分類するアイデアを紹介しました。特に「社会不適合者であり、悟ることもできない "落ちこぼれ"」については、己の立場を自覚し、また勝負しないよう立ち回るべきだとも書きました。
参考になりましたら幸いです。ではまた。