4種類のタスク管理 ~ Part4. WANT TODO 管理 ~
タスク管理には 4 種類あるとお伝えしました。
stressfree-fulfilling-solo.hatenablog.com
今回は第 4 弾、WANT TODO 管理です。WANT TODO(やりたいこと)管理の意義や方法について見ていきます。
- WANT TODO とは
- WANT TODO はなぜ管理する必要がある?
- WANT TODO 管理を実現するためのポイント
- WANT TODO 管理の例
- WANT TODO 管理のはじめかた
- おわりに
- 関連記事
WANT TODO とは
WANT TODO(やりたいこと) には以下があります。
- 最悪やらなくてもいいが、できればやっておきたいこと
- いつかやりたいこと
WANT TODO はなぜ管理する必要がある?
Ans: 忘れるから。あるいは 記録しただけで終わってしまう から。
まず WANT TODO はアイデアと同じで、記録しておかないとすぐに忘れます。
また、記録しただけでは意味がありません。メモを書いただけで満足しても意味がないのと同じです。WANT TODO を実際にこなすためには、「今日はここまでやってみよう」「今日はここだけやってみよう」というふうに、日常生活に少しずつでも取り入れていく必要があります。
以下は僕の例です。テキストファイルにズラリと書いています。
WANT TODO 管理を実現するためのポイント
WANT TODO 管理を実現するためのポイントは 3 点あります。
ポイント1. すぐに記録できること
WANT TODO はアイデアみたいなもの です。いつ思い浮かぶかわかりません。ふとした時に「あー、あれやりたいなー」と思い浮かんだりします。しかし 記録しないと確実に忘れます ので、記録は必要です。記録というと大げさですが、要するにメモを取っておくという意味です。
しかしながら、これが意外とできなかったりします。メモを取るのは面倒くさい んですよね。でも、メモを取っておかないと忘れてしまいます。
せめてできることは メモを少しでも素早く取れるようにしておく ことのみです。たとえば、
- 常にそばにメモ手段を用意しておく
- アナログで言えば紙とペン
- デジタルで言えばケータイ
- PC 作業中はメモアプリあるいはテキストファイル
など。手段は問いません。やりやすい方法で OK です。とにかく、すぐに書けるように整備しておくことが重要です。
僕の場合、すぐにメモを開始できるよう、居間に二つ、リビングに一つほど「ノートとペンのセット」を配置しています。居間に二つあるのは、テーブルに置いた「起きている時に書く用」と、小さいテーブルに置いた「布団に居る時に書く用」です。
ポイント2. 定期的に読み返すこと
WANT TODO をせっかく記録しても、後から読み返さなければ意味がありません。
可能ならば、過去記事 Part3 で紹介した MUST TODO 管理にて 「WANT TODO リストを読み返す」というルーチンタスク(定期実行タスク)をつくっておく と安心です。
stressfree-fulfilling-solo.hatenablog.com
あるいは カレンダーに定期予定として「WANT TODO リストを読み返す」予定を入れておく のもアリです。
そうしておけば、たとえば 2 日に 1 日の頻度で設定しておけば、2 日に 1 回のペースで目に入るので(ちゃんと行動すれば)これはつまり 2 日 に 1 回見返す習慣を手に入れたことに等しいです。
この読み返しですが、行うことは 2 つあります。
- (1) 整理
- (2) タスク登録
(2) は次のポイント 3 で述べます。
(1) の整理は、既に WANT TODO を書き並べたリストに対して、もっと読みやすく整理する作業です。複数に分散したメモを一箇所にまとめたり、意味がわからない記述を消したり、重要度順や日付順(たとえばいつまでに達成したいか等)で並び替えたり、わかりづらい表現をわかりやすく書き直したりします。
整理のメリットとしては WANT TODO リストが読みやすくなること と、整理を通じて 「私の WANT TODO はこういう傾向があるなぁ」と自分の欲求や傾向がわかってくること 等があります。
この整理ですが、 一週間以内のペースでこまめに行うのが望ましい です。というのも、部屋や PC のデスクトップと同じで、こまめにやらないとどんどん汚くなっていくからです。汚くなると読み返さなくなります。管理が破綻します。
ポイント3. 少しずつでもアクションを起こすこと
WANT TODO を記録し、また読みやすく整理できたとしても、また不十分です。
実際に行動しなければ、WANT TODO はいつまでたっても願望のままです。
では、行動とは何でしょうか。タスク管理で言えば、
- ゴール(WANT TODO)に必要なタスクを洗い出し、
- 洗い出したタスク各々を、特定の実行日や時間帯に配置する
ことを意味します。
たとえば「引っ越したい」という WANT TODO があったとしたら、まず以下のように洗い出します。
- 引っ越ししたい(ゴール)
- そもそもなぜ引っ越ししたいの?理由を振り返る
- 理由に問題があるなら中止する
- 引越し先(地域)候補を洗い出す
- 各候補の住心地を不動産サイトのレビューを見て調べる
- 候補1.
- 候補2.
- ……
- 物件や立地や設備の譲れない条件を洗い出す
- ……
これで必要な作業がわかりましたので、配置していきます。たとえば「今日は理由を振り返ろう」「明日はもう一度振り返って、問題なければ先に進もう」「明後日は引越し先候補をとりあえず願望ベースで洗い出してみよう」、というふうに落とし込みます。
毎日少しずつでもいいので、進めることが大事 です。1日10分、いや数分でも、やらないよりは断然マシです。
WANT TODO 管理の例
WANT TODO 管理の例をいくつか見ていきます。
GTD
GTD というタスク管理手法があります。
これはまさに WANT TODO 管理です(MUST TODO も混ざってますが)。
GTD は本一冊を超えるボリューミーな体系ですが、やっていることは単純で、「気になることは全部リストに書き並べて外に出す」ことと「それをこまめに見返して整理する」ことだけです。そうすることで GTD システムに自分のやることのすべてが集まっている、そして 自分は GTD システムに従っておけばいい という状態が手に入ります。さしずめ、システマチックな秘書を自ら作り上げていくイメージでしょうか。
ただ、口で言うのは簡単ですが、実際やるとなると結構大変で、書籍の熟読と数ヶ月の試行錯誤は最低でも必要になります。
とはいえ、そこまで真剣にならずとも、体系や思想だけ軽く眺めて参考にする程度でも良いでしょう。それだけでも「なるほどそうやればいいのか」と発見があったりします。
GTD については以下がオススメです。
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慣れてきたら、以下で適宜応用例やより深い考え方などを参考にすると良いと思います。
ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編――仕事というゲームと人生というビジネスに勝利する方法
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僕の運用例
参考までに僕の運用例も紹介しておきます。
僕は GTD を参考に、だいぶシンプルに運用しています。
まず WANT TODO の記入先は 3 つあります。
- (1) 自宅 PC のテキストファイル
- (2) 会社 PC のテキストファイル(帰る前に 3 にメモし直します)
- (3) ケータイ
どこに書くは場所次第です(会社にいたら (2) ですし、電車内だと (3) ですね)。
この 3 つは 1 日に 1 度、1 箇所にまとめます。具体的には、帰宅後、
- (4) 自宅 PC の want_todo.txt
上記のファイルに書き写します。ただ (3) のケータイは、Gmail に送る → 自宅 PC から Gmail を開いて内容をコピー → want_todo.txt にペーストすることが多いです。
そして want_todo.txt ですが、これを定期的に読み返します。以下の二つです。
- (1) 数日に 1 回くらい読み返して整理する(割とテキトーにサクサクやる感じです)
- (2) 1 週間に 1 回、きちんと読み返して、「やらないマーク(小文字のoです)をつける」か、あるいはタスク管理ツールに移す
(1) は want_todo.txt を読みやすくするためのメンテナンスですね。
(2) は実際に行動に起こすための手順です。僕は毎日タスク管理ツールを見ながら生活している(日々やるべき何十何百というタスクが全部日ごとにリストアップしてある)ので、ここに配置しておけば必ず目に入ります。僕にとっては、行動する=タスク管理ツールにタスクを配置する、なのです。
また、配置しなかったものは o がどんどん溜まっていくので、「あ、これ前からリストアップしてるのに手を付けてないな……」といったこともわかります。
――……とまあ、こんな具合です。言葉に書くと長ったらしいですが、ポイントは上述したとおり 3 点で、
- WANT TODO を素早く記録する
- WANT TODO を定期的に読み返してメンテする
- WANT TODO を実際に行動できるよう落とし込む(タスクの洗い出しと配置)
これだけです。これを実現できれば、手段は何でも構いません。
WANT TODO 管理のはじめかた
最初からいきなりここまで整えるのは難しいと思うので、少しずつ試してみましょう。まずは、
- (1) WANT TODO(やりたいこと) をとりあえず記録してみる
- (2) どこかのタイミングで、記録した WANT TODO を整理してみる
- (3) WANT TODO の中から一つ選択し、実際に行動してみる
というふうに、記録からはじめつつ、どこかのタイミングで整理やアクションをしてみましょう。
いきなり全部やろうとすると破綻するので、「この一週間はとりあえずケータイに記録してみよう」など、 まずは簡単な記録からスモールスタートする ことをオススメします。
管理作業は慣れなので、少しずつ手を動かして感触を掴んでいくことが大事です。
おわりに
WANT TODO(やりたいこと)を管理する WANT TODO 管理について取り上げました。
WANT TODO を記録して、見返して、アクション(タスク)に落とし込む――言葉で言えば一言ですが、意外とシステマチックな仕組みが必要でした。そういうものです。人間はすぐ忘れる生き物なので。
WANT TODO に限らず、タスク管理全般が、まさにそうです。頭だけでは処理できないので、何とかしてシステム化・ルール化・プロセス化するしかありません。慣れるまでは大変ですが、慣れたら快適です。ぜひ取り入れていただければと思います。
関連記事
4 種類のタスク管理については以下記事でまとめています。