4種類のタスク管理 ~ Part3. MUST TODO 管理 ~
タスク管理は 4 種類あるとお伝えしました。
stressfree-fulfilling-solo.hatenablog.com
今回は第 3 弾、MUST TODO 管理です。MUST TODO(やらなければならないこと)を管理するための考え方や方法についてまとめます。
- MUST TODO とは
- MUST TOOD 管理をしないとどうなる?
- MUST TODO 管理のポイント
- ポイント1. イベントとルーチンタスク
- ポイント2. イベントはカレンダーで管理する
- ポイント3. ルーチンタスクはツールで管理する ~コンセプト編~
- ポイント4. ルーチンタスクで使うツールについて ~ツール編~
- ポイント5. 使うツールについて ~アナログとデジタル~
- おわりに
- 関連記事
MUST TODO とは
まずはじめに、MUST TODO(やらなければならないこと)とは何でしょうか。
これはあなたが普段行っていることです。たとえば以下があります。
- 外せない行事や会議
- 日常生活の家事全般
- 会社の雑務全般
- メールや SNS のチェック
- 個人的に取り組んでいる運動習慣 etc――
MUST(~しなければならない)というよりは SHOULD(~するべきである)あるいは HAD BETTER(~した方が良い)が、ニュアンスとしては近いかもしれませんが、これらをやらないという選択肢は基本的に無いはずです。結局、やらなければいけないのです。だから MUST と名付けてます。
この MUST TODO ですが、人は一日に十数個以上の MUST TODO を抱えています。
MUST TOOD 管理をしないとどうなる?
多数存在する MUST TODO は、何も知らないと すべて頭の中だけで忘れず処理する ことになりますが、言うまでもなくこれは難しことです。以下の弊害が生じます。
- やらなければならないことを やり忘れる
- 何をやらなければいけないかを 思い出すのに時間がかかる
- やり忘れないために 常に頭で意識しているため、しんどい
これらを防ぐためには MUST TODO 管理を行う必要があります。
管理というと、なんだか難しく聞こえますが、一言で言えば ツールを使って MUST TODO を外に出しておき、必要に応じてそこを確認しながら日々を過ごしていく ことです。
最も身近なものは カレンダー です。「この日に●●がある」という予定を書き込んでおき、適宜(たとえば一日一回以上)見返すことで、忘れてしまうのを防ぎます。
MUST TODO 管理のポイント
では MUST TODO 管理のポイントについて見ていきましょう。
ポイント1. イベントとルーチンタスク
MUST TODO には二種類ありますので、まずはここを押さえておきます。
MUST TODO には「イベント」と「ルーチンタスク」があります。
イベントとは「この日、この時間帯にこれをやらなきゃいけない」という風に 日時が決まったタスク のことです。これはカレンダーで管理するしかありません。
ルーチンタスクとは 一定の頻度で繰り返し行うタスク です。MUST TODO の大半は、このルーチンタスクに属するはずです。頻度は毎日、週に一度、週末に一度、毎週金曜日、毎月と様々です。
ポイント2. イベントはカレンダーで管理する
MUST TODO のうち、イベントはカレンダーで管理します。
必要なことは二つ。
- すべてのイベントを、一つのカレンダーに書き込む
- カレンダーは定期的に見返す
つまり 漏れのない記入 と 定期的な確認 です。
記入
記入については、予定が決まった時点で書きましょう。また、仮予定であっても、とりあえず書いておきます。修正は後でもできます。「漏らさないこと」が何よりも大事です。
なお、カレンダーは複数個使っても構いませんが、すべての予定が記録された マスター を一つ用意してください。「ここさえ見ればすべての予定がわかる!」というカレンダーをつくってください。そうしないと、カレンダーを見返す段階で「あ、こっちのカレンダー見るの忘れてた」となって予定を忘れてしまう可能性があります(僕はやらかしたことがあります……)。
確認
確認とは 定期的にカレンダーを読み返すこと です。定期的に、とは 最低でも一日一回以上 です。
いくらカレンダーが完璧でも、それを見返さないと忘れてしまいますので、定期的な確認は非常に重要です。
たとえば僕は以下のようにしています。
- (1) 毎日朝1分、夜1分で直近の一週間を読み返し、音読する(予定が多いと1分では足りませんが)
- (2) 週に一度、直近一ヶ月分の予定を読み返し、音読する
勉強と同じで、毎日繰り返すことで定着させています。
別に「いつでも一瞬で思い出せるようにする」必要はありません(し僕もできません)。ただ、「カレンダーに書いてある予定を忘れてしまう」を防ぐ程度に見返す、ということです。
使うツールについて
カレンダーとして何を使えばいいかという話ですが、 何でもよいです。
アナログな手帳が合う人もいますし、スマホアプリが性に合っている方もいます。自分にあったものを使いましょう。
ポイント3. ルーチンタスクはツールで管理する ~コンセプト編~
MUST TODO のうち、 ルーチンタスク(特定の頻度で繰り返し実行するタスク) については、カレンダーでは管理しづらいので、ツールを使います。
といっても、下記の「やりたいこと」ができるのならば手段は問いません。アナログでもできます。
以降ではまずコンセプト編と称して、ツールによる管理として「やりたいこと」について説明します。その後、実際に使うツールの話に入ります。
やりたいこと
ルーチンタスクの管理としてやりたいことは以下の 2 つです。
- (1) 洗い出し。すべてのルーチンタスクを洗い出す
- (2) 配置。洗い出したルーチンタスクを、確認しやすいように配置し、 今日は今日やるルーチンタスクのみを表示できる ようにする
つまり 今日はこれだけやればいいんだな ということを可視化したいのです。
そうすれば、私達はそこに表示されたことを毎日消化していくだけで済みます。(サボらずに全部やれば)やり忘れることもありませんし、明日以降のタスクはその日になったら表示されるので意識せずに済みます。
「指示に従っているだけでいい」という、とても楽な過ごし方になります。
以下、それぞれについて見ていきましょう。
(1) 洗い出し
管理するためには、まずは管理対象を洗い出す必要があります。
こればっかりはご自分で洗い出してみないと何とも言えませんが、洗い出しに役立つ観点を以下に挙げてみましたので、参考にしてください。
【観点:時間帯】
- 平日の朝、家を出るまでにやること
- 平日、会社にいる時にやること
- 平日の夜、家に帰ってからやること
- 休日の朝、やること
- 休日の昼、やること
- 休日の夜、やること
- いつやるかはまちまちだが、毎日一回はやること
- いつやるかはまちまちだが、数日に一回はやること
- いつやるかはまちまちだが、一週間に一回はやること
- いつやるかはまちまちだが、二週間くらいに一回はやること
- いつやるかはまちまちだが、一月に一回はやること
洗い出しのポイントは「ささいなこと」でもとにかく洗い出すことです。「トイレ掃除は二日に一回やっているな」と思ったら、「トイレ掃除」と洗い出します。あるいは、後々のために「トイレ掃除@2」のように頻度もセットで書いておくと便利です。
洗い出した数は 何十を超えます。人によっては 100を超えることもあります。そういうものです。私達はそれだけたくさんのルーチンタスクを持っているのです。頭だけで管理するなんて無理ですよね。
(2) 配置
ルーチンタスクを洗い出したら、それらを実行日(いつやるか)に従って配置していきます。
配置先の単位は「日」 です。つまり配置がすべて完了すると、各日には「その日にやるべきルーチンタスクが並んでいる」という状態になります。もっと言えば、その日はそれらのみこなせば良い、ということです。
たとえば「トイレ掃除@2」の場合は、二日ごとに配置することになりますので、以下のようになるでしょう。
- 11/25(日): トイレ掃除
- 11/26(月):
- 11/27(火): トイレ掃除
- 11/28(水):
- 11/29(木): トイレ掃除
- ……
配置先として使うものはアナログでもデジタルでも構いません(詳しくは後述します)。
簡単なのはアナログで、以下のリストを用意することです。
- (1) 毎日やること
- (2) 月曜日やること
- (2) 火曜日やること
- ……
- (2) 日曜日やること
- (3) 月初の週にやること
- (3) 月末の週にやること
(1) は「毎日リスト」、(2) は「週に一度リスト」、(3)は「月に一度リスト」です。他にも必要に応じて追加しましょう。
これを、たとえば A4 用紙一枚ずつで確保し、各用紙にルーチンタスクを書いていきます。そして壁にでも貼っておき、毎日それを見ながら「今日はこれとこれをやればいいんだな」と確認して、日々消化していきます。
みなさんの中には 買い物リスト を使ったことがあるかと思いますが、あれと同じです。ただリストの数と、書き並べる項目数がちょっと多いだけです。それだけです。
ここまで長々と書いてきましたが、結局のところ、やりたいことは やるべきことを(忘れないために)リストに書いておき、適当なタイミングで読み返しながら、一つずつ対処していく だけです。
ポイント4. ルーチンタスクで使うツールについて ~ツール編~
ポイント 3 としてコンセプトについてお話ししました。続いてこれらコンセプトを実現するための手段――ツールの話をします。
といっても結局のところ 自分に合ったものを使えばいい だけなのですが、この手のツールはカレンダーよりもわかりづらいため、ここでは「こんなツールがあるよ」という選択肢を提示します。自分に合うものを試してみてください。
- (1) 毎日リスト、週に一度リスト、……
- (2) アナログ手帳、日記帳
- (3) カレンダーアプリ
- (4) タスク管理ツール
(1) 毎日リスト、週に一度リスト、……
(1) 「毎日リスト、週に一度リスト、……」については既に上述しました。紙のリストをつくって、壁にでも貼っておいて毎日確認するというものです。
- メリット:簡単に試せる
- デメリット:記入が少し面倒くさい、持ち運べない
(2) アナログ手帳、日記帳
(2) 「アナログ手帳、日記帳」については、 日単位で記入スペースが設けられている 手帳や日記帳を使い、「その日にやるべきルーチンタスクを、その日の記入スペースに書いておく」というやり方です。
- メリット:持ち運べる、ページごとに分かれているのでわかりやすい
- デメリット:記入が非常に面倒くさい(毎日記入が必要です)
(3) カレンダーアプリ
(3) 「カレンダーアプリ」は、 Google カレンダー のようなカレンダーアプリ(クラウドサービス含む)を使って、ルーチンタスクを「定期的な予定」として登録しておく というものです。そうすれば、各日には「その日にやるべきタスク」が予定としてずらりと並んでくれます。
- メリット:スマホがあればどこからでも使える
- デメリット:記入が少し面倒くさい、見辛い(リストというよりはカレンダーですので)
(4) タスク管理ツール
(4) 「タスク管理ツール」は、専用のツールを使って管理するというものです。この手のツールは、いわば TODO リストをもっと賢く管理できるようにしたものであり、 いつ何のタスクを実行したのかというログが残る 点が特徴的です。
また、繰り返しタスクというまさにルーチンタスクを扱う機能があり、これを使えば、終了したルーチンタスクが 自動的に次の実行日に設定されます。つまり、(2) のデメリットであった「毎日記入する」手間がありません。これはとても楽です。僕も (4) を使っています。
- メリット:毎日記入する手間がない、カレンダーと違って見通しもよい
- デメリット:習熟に時間がかかる
(余談) 僕が使っているタスク管理ツール
僕は自作した Tritask というツールを使っています。
このようにテキストエディタ上で、文章を書くようにガシガシ書けるのが特徴です。僕はタスク管理は執筆やプログラミングのようにガシガシ書くものだと思っているのですが、既存ツールでは実現できなかったので自分で開発しました。
かなり人を選ぶ、クセの強いツールではありますが、一応紹介だけしておきます。以下も参考にどうぞ。
ilovetaskmanagement.hatenablog.com
ポイント5. 使うツールについて ~アナログとデジタル~
ツールについてポイント 4 にて 4 種類ほど書きましたが、もう少し簡単な観点でまとめてみます。
アナログとデジタル です。
以下の二つはアナログとなります。
- (1) 毎日リスト、週に一度リスト、……
- (2) アナログ手帳、日記帳
アナログのメリットは 直感的に使いやすい ことです。デメリットは 記入が面倒くさい ことです。
続いて、以下の二つはデジタルです。
- (3) カレンダーアプリ
- (4) タスク管理ツール
アナログのメリットは 記入がラクチン(一度記入したら、繰り返しの記入は(ツール側が自動的にするので)しなくてもいい) ことです。デメリットは 使いこなすまでが大変 という点です。
どちらも一長一短ですので、ご自分に合ったやり方を試してみてください。
まずはアナログをおすすめします。そして「記入が面倒くさいな」となってきたら、デジタルを試してみましょう。
おわりに
今回はタスク管理の中でも「MUST TODO 管理」について見ていきました。
長々と書きましたが、所詮は「やるべきことを全部リスト化しておく」「今日は今日やることだけが目に入るようにする」「リストをこまめに見返しながら日々を過ごす」というだけです。
最初は苦労すると思いますが、慣れたらこれほど快適なことはありません。毎日、管理内容に従って MUST TODO を消化するだけで済むのですから。 やり忘れも起きませんし、「今日はあれとあれをやらないと……」といった「常に意識しているというストレス」もなくなります。
慌ただしい日常が和らぎます。人生変わると思います。僕もずいぶんと快適になりました。新人の頃に知りたかったですね。
みなさまもぜひ試してみてください。
関連記事
他の種類については以下記事でまとめています。