「トリアージ仕事術」を読みました
はてさてどんなタスク管理が使われているのでしょうか。
読んだ本
10の仕事を1の力でミスなく回す トリアージ仕事術 | 裴 英洙 |本 | 通販 | Amazon
トリアージについて
トリアージとは
トリアージとは負傷者治療の優先度付けルールのことです。医療用語です。
負傷者をトリアージタグで分類します。
トリアージタグ
以下四種類があります。
タグ色 | 判断 | 備考 |
---|---|---|
赤色 | 最優先 | 死にそうだが、治療すれば助かりそう |
黄色 | 普通 | 今すぐ死ぬわけではないが、早めに治療すべき |
緑色 | 後回し | 軽傷。別に死なない。後回しでいい |
黒色 | 放棄 | 費用対効果に合わないので見捨てる |
タグ付けのワークフロー
ざっくり言うと以下の通りです。
- 現状の資源(医療品、医療機器、人員)で対処可能?
- Yes → 赤 or 黄 or 緑
- No → 黒
ヒト・モノ・カネ・タイムマトリックス
複数の重要タスクに優先度付けをする方法です。
- 横軸にタスクを並べる
- 縦軸にヒト/モノ/カネ/タイムを並べる
- 合計行もあると便利かも
タスク1 | タスク2 | タスク3 | ... | |
---|---|---|---|---|
ヒト | ... | |||
モノ | ... | |||
カネ | ... | |||
タイム | ... | |||
合計 | ... |
必要なら 2、どちらでもないなら 1、不要なら 0 を書きます。この値の合計がポイントです。 ポイントが高いほど手間がかかることを意味する ので、先にこなします。
必要なら重みをつけてもいいです。たとえば締切がゆるく、コストがシビアな職場環境ならタイムを x0.5、コスト x2.0 にしましょう。
影響範囲/影響深度マトリックス
タスクを影響度で分類する方法です。
- 横軸は影響範囲
- 「小 → 大」の順に並べる
- チームは上司に置き換えてもいいかも
- 縦軸は影響深度
- レスポンス無し …… 取り組んだ後にレスポンスが来ない
- レスポンス有り …… 取り組んだ後にレスポンスが来るもの(応えられるよう備えが必要)
- レスポンス即座 …… 取り組んだ後に即座レスポンスが来るもの(即座に応えられるよう今すぐ備える)
- 優先度
- A, B, C, ... の順で優先度が高い
自分 | チーム | お客さん | |
---|---|---|---|
レスポンス無し | I | F | C |
レスポンス有り | H | E | B |
レスポンス即座 | G | D | A |
所感
タスク管理はおまけ、メインは仕事術
書名にもある通り、メインはタスク管理ではなく「仕事術」でした。
五章構成のうち、四章はタスク管理ではなく仕事術(ビジネスハックとパフォーマンスコントロール)の話になっています。タスク管理ネタがあったのは最初の第一章です。ここでトリアージや一部マトリックスが取り上げられています。
捨てるということ
トリアージタグには黒色タグがあります。「費用対効果に合わないので見捨てる」という意味です。人命救助の現場でさえも、取捨選択して見捨てるシーンが生じ得るのですね。
改めて思います。捨てることは大切だと。
しかし捨てることは簡単ではありません。「費用対効果に合わないから」と言うだけでは誰も、自分さえも納得できません。費用対効果とは何か。何を以て高い・低いと判断するのか。その根拠をしっかりと示す必要があります。
そのための観点として、たとえば 資源 を知ることが挙げられます。自分、道具、環境、チーム……資源は色々ありますが、資源がわかれば「資源が足りなくなるからこれは無理だよね」といった判断もできるようになります。
他にも観点はあると思いますが、本書で紹介しているのは資源という観点のみです。ともあれ、捨てるという判断を進めるために、観点を探して強化していく必要があるんだなぁと思った次第です。