音ゲーで運動もしたい人は DANCERUSH STARDOM(ダンスラ)すればいいかもという話
音ゲーは楽しいですが、所詮はゲームです。実益がありません。もう少し有意義に過ごせないかなと思います。
もっというと 運動効果を期待したい です。つまり、いちいち走ったりジムに通ったり水泳したりといったことをせずに、音ゲーだけで運動も済ませたいのです。そうすれば楽しいし、健康だし、体力もつくし、時間も余計にかからないし、と一石二鳥どころか三羽も四羽も仕留められます。
そんな都合のいい音ゲーがあるのでしょうか。ありました。DANCERUSH STARDOM ことダンスラ です。
- そもそも運動とは何か
- 既存の音ゲーではダメなのか
- ボツ1. 運動効果を期待できない音ゲー
- ボツ2. 運動効果は期待できるが、プレイが難しい音ゲー
- ボツ2 > その1 『立って、上半身を動かすもの』
- ボツ2 > その2 『立って、踏むもの』
- 本題:ダンスラはどうなのか
- ダンスラで運動になる、とはどういうことか
- ダンスラで運動するのに適した人
- ダンスラを運動効果付きで楽しむまでの道のり
- おわりに
そもそも運動とは何か
有酸素運動 のことです。
100m走みたいに瞬発的に動く「無酸素運動」ではなく、ランニングみたいに継続的に動き続ける「有酸素運動」です。なぜかというと、有酸素運動の方が身体にも心にもやさしいから。
この点は以下記事でもう少し詳しく書いてます。本記事ではこれ以上は割愛します。
stressfree-fulfilling-solo.hatenablog.com
以降では、本記事では「運動」は「有酸素運動」を指すものとします。
既存の音ゲーではダメなのか
「既存の音ゲーでも運動できるんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、意外にもそうはいきません。僕の経験では、ダンスラが最も適している、との結論に至りました。
この結論について以降では詳しく話します。まずは「なぜ既存の音ゲーだとダメなのか」という点を、順に見ていきます。
ボツ1. 運動効果を期待できない音ゲー
大多数の音ゲーはここに所属します。運動効果は期待できません。
座って、手だけを動かすもの
以下の音ゲーは運動量が小さいので、運動効果は全く期待できません。
【オンゲキ】
【ノスタルジア】
出典: ノスタルジア FORTE
立って、手だけを動かすもの
以下の音ゲーについても、運動効果は期待できません。
立っている分、座っているよりは運動になりますが、それでも微々たるもので、有酸素運動と言えるほどには至れません。
出典: beatmania IIDX 25 CANNON BALLERS
【SOUND VOLTEX】
出典: SOUND VOLTEX IV HEAVENLY HAVEN
【jubeat】
出典: jubeat festo
楽器を演奏するもの
ごめんなさい、やったことないのでわかりません。割愛させてください……。
【GITADORA(GuiterFreaks)】
出典: GITADORA Matixx
【GITADORA(DrumMania)】
出典: GITADORA Matixx
ボツ2. 運動効果は期待できるが、プレイが難しい音ゲー
続いて、運動効果は期待できるものの、プレイ難度が高いがゆえにゲームとしては楽しめない( 楽しめるレベルに至るまで上達するのが難しい )音ゲーです。
ボツ2 > その1 『立って、上半身を動かすもの』
こちらは手というよりも、上半身を動かすタイプの音ゲーです。
二つあります。「チュウニズム」と「maimai」です。
【チュウニズム】
出典: キホンのあそび方|CHUNITHM AMAZON (チュウニズム アマゾン)|セガ新音ゲー
【maimai】
どちらも 運動として楽しむためには「厄介なハードル」が三つほど あります。
ハードル1. 高難度譜面
これらの音ゲーは、低難度譜面はともかく、高難度譜面 (初心者が一目見て「うわぁ……」とひくほどの密度と忙しさ)に限り、そこそこ有酸素運動になります。
感触としましては、1曲遊ぶとやんわりと汗をにじんてきて、1クレジット分(通常は3~4曲)遊ぶと汗が出ます。息も切れてきます。ジョギングほどの疲労はないので、腕さえ持てば1時間くらいは遊んでいられます。
ですが、そもそも、この 高難度譜面で遊べるほどの実力を手に入れるまでが難しい のです。これこそがハードル1です。
高難度曲とは、レベル12以上の曲を指します。たとえば以下のレベルです。
器用で若い方なら、一ヶ月もしないうちに余裕で遊べるようになりますが、そうでなければ 数ヶ月以上ゲーセンに通い続けないと辿り着けない(歯が立たない) レベルです。僕もそうでしたね。パラサイトシングル時代に、音ゲーにドハマリして、毎日のように通っていたのですが、それでも何ヶ月かかったか。maimai にせよ、チュウニズムにせよ、特に高難度の世界は、誰もがたどり着けるほど甘い世界ではありません。
ハードル2. 省エネ
ハードル1を超えたらオッケーかというと、実はそうもいきません。第二のハードルが待ち構えています。
それが 上達すればするほど運動効果が低くなる という事実です。
どういうことかというと、上達すればするほど 腕の動かし方に無駄がなくなり(脱力をおぼえて省エネで捌けるようになる)、それゆえに運動効果もなくなってしまうということです。
そうですね、最もわかりやすいのは連打でしょうか。
たとえば、1秒で8回ボタンを連打する動きを30秒続けるとしましょう。何も知らない素人さんだと、力みすぎて疲労し、30秒ももたないと思います。あるいは、もったとしても腕は相当疲れているはずです。
一方、慣れた音ゲーマーさんであれば、簡単にこなせます。別にマッチョな前腕を持っているわけではなく、単に無駄のない押し方ができているだけです。慣れたら中学生でも、女性でも、もしかしたら小学生でもできるかもしれません。
音ゲーは体力というよりも「技術」です。もっというと、脱力して、省エネで、必要最小限の動きで捌くということです。上達すればするほど無駄がなくなり、運動効果はなくなっていきます。
ハードル3. 負担のバラツキ
ハードルはまだあります。
有酸素運動の肝は 小さな負担を、一定の量で、継続的に加え続ける ところにありますが、これを音ゲーで行うのは難しい、というのが第三のハードルです。
なぜかというと、曲の始まりから終わりまでの間で、ノーツの密度がバラバラだからです。無酸素運動みたく瞬発的に動かさないと取れない部分もあれば、全くノーツが来ない休憩地帯もあります。ランニングでたとえるなら、走るコース上に 「自転車も登れないような急坂」と「何もせず進むエスカレーター」が混在しているようなもの です。走りにくいったらありゃしない。
有酸素運動的に負担を持続させたい場合、一工夫必要になります。といっても、方法は二つしかなくて、
- (1) バラツキの少ない曲で遊ぶ
- (2) バラツキをあえて無視してプレイする
の二つです。どちらも難儀なことです。
(1) は各曲の譜面について詳しくないと判断できません。そもそも「バラツキの少ない曲」の数が少ない場合、プレイする曲が偏ることとなり退屈になりがちです。
また、(2) はノーツを無視して休むか、あるいは何もノーツがないのに手を動かすか、となります。いわゆる「譜面無視」です。ノーツを忠実に捌くという音ゲーの楽しみ方から外れてしまいます。
まとめ
チュウニズムや maimai といった音ゲーは、運動にならないこともないですが、以下のハードルがあります。
- (1) 運動負担が生じるほどの譜面を遊ぶ実力、を手に入れるのがそもそも難しい
- (2) 上達すればするほど省エネをおぼえ、負担がかからなくなって運動から遠ざかる
- (3) 譜面中のノーツ密度にバラツキがあり、(有酸素運動の肝である)同じ負担を継続的にかけ続けることのが難しい
運動として楽しむのは難しいと言えるでしょう。
ボツ2 > その2 『立って、踏むもの』
こちらは足でパネルを踏むタイプの音ゲー――いわゆる踏みゲーです。
二つあります。
【PUMP IT UP】
出典: PIU 2018 PRIME 2 :: HOW TO PLAY | PUMP IT UP!
DanceDanceRevolution(以下 DDR と略します)は四枚パネル、PUMP IT UP(以下 PIU と略します)は五枚パネルの音ゲーですが、どちらも本質的な差はありません。
「音ゲーで運動」というと、これら踏みゲーをイメージする方も多いのではないでしょうか。また、実際に「運動になっているよ!」という方もいらっしゃるかと思います。
しかし、これら踏みゲーで運動を実現するのは、案外難しかったりします。前述でも述べましたが 「運動になるレベルの譜面」を遊ぶことができる実力、に至るまでがそもそも難しい のです。
踏みゲーは本質的に難しい
そもそも踏みゲーは、 手を動かすタイプの音ゲーと比べて何倍も難しい ものです。なぜかというと、
- 動かし慣れていない足 を使って、
- 地面上の特定位置に定められたパネルを、
- 画面に表示される指示(ノーツ) に従って、
- 足元を見ることなく
- 正確に踏む
という、とんでもなく高度な技が要求されるからです。
僕は PIU で遊んだことがありますが、以下の譜面(レベル9)をスラスラ踏めるようになるまでに一ヶ月かかりました。
とにかくムズイ。脳の情報処理が多すぎると言いますか、画面を見てノーツを認識して、それを足に反映させて、パネルの正確な位置を踏む……という動作がとにかくムズいです。(器用な方や、若い方なら一週間もあれば身に付けちゃいそうですが……)
ともあれ、苦労して踏めるようになりました。よし、これで運動ができるぞ!……というと、実はそうじゃないんです。 まだスタートラインにも立っていません。
踏みゲーで運動になる難易度はどのくらい?
これは人によって異なります。
動画で例を挙げます。(PIU の動画は少なすぎる&不鮮明すぎるので DDR の例になります)
以下で十分という方もいれば、
以下くらいでないと運動にならないという方もいるでしょう。
「運動になる難易度」は本当に人によって幅があります。
ただ、一つだけ目安があります。 8 分間隔の密度で絶えず踏む くらいの負担が必要、だということです。
これより多い、たとえば 16 分間隔がメインだと無酸素運動になりますし、逆に 4 分間隔程度の低密度では負担が少なすぎて運動になりません。
「 8 分間隔で動く」
これは音ゲーで運動する際の、一種の目安となりますので、ぜひ押さえてください。
(余談) 8分間隔とは
ちなみに 8 分間隔とは、4 分間隔(手拍子の間隔)の2倍のペース です。
AKB48 の「ヘビーローテーション」 のサビを例にしますと、
I(アイ)、Want(ウォン)、To You(チュー)、とそれぞれで手を 1 回ずつ叩くペースが 4 分です。
8 分は、このちょうど 2 倍になります。手で叩いてみると結構慌ただしいペースです。
音ゲーで運動効果を狙うなら、このペースが重要です。この 8 分のペースで足を踏み続けることで、有酸素運動になるのです。
まとめ: 「8分間隔で絶えず踏むような譜面」で遊ぶ実力が必要!
まとめます。
DDR にせよ、PIU にせよ、踏みゲーで運動を実現するためには、 「8分間隔で絶えず踏むような譜面」で遊べる程度の実力 が必要になります。
しかしながら、このような譜面は、少なくとも僕が一ヶ月かかって踏めるようになった譜面よりも、まだ難易度が高いです。このような譜面で遊べるレベルの実力……険しい道のりです。僕も当時は毎日定時退社で、かつ音ゲーにハマっていて、休日は朝から晩まで浸っているレベルでしたから身についたものの、日常がそこそこ忙しかったならばどうだったことか。
結論:踏みゲーは難しい。
逆を言えば、踏みゲーで難なくこの程度の実力に至れる方であれば、何も問題はありません。もう運動ができちゃいます。(もちろん音ゲーなので前述した「バラツキ」のハードルもありますが)
本題:ダンスラはどうなのか
長々と書きましたが、ここまでで「既存の音ゲーでは運動にならない」こと、あるいは 運動になるほどの実力や要領を手に入れるのがそもそも難しい ということを述べました。
ようやく本題です。
では、ダンスラではどうなのでしょうか。
簡単に運動効果を手に入れることができるのでしょうか。
簡単に、は微妙ですが、できるかもしれません。
ダンスラで運動になる、とはどういうことか
ダンスラで運動を兼ねたプレイをする、とは具体的にどんなプレイを指すのか。まず最初に、この点についてまとめておきます。
既存の音ゲーでは、「有酸素運動の負担になる程度の密度を持つ譜面」で遊ぶのがポイントでした。
ダンスラの場合、少し違います。遊ぶ譜面は「有酸度運動には至らないような、 ノーツ密度の薄い、低難度譜面 」です。その代わり、 プレイヤーの動きが違います。既存の音ゲーのように、ただ手足を動かすのではなく、ダンスの動き を使います。
つまり、こういうことです。
【既存の音ゲー】
- 「有酸素運動の負担になる程度の密度を持つ譜面」で遊ぶ
- (Good) このような譜面であれば、ただ忠実に遊び続けるだけで運動になる
- (Bad) このような譜面で遊べる実力に至るまでがそもそも難しい
【ダンスラ】
- 「密度の薄い低難度譜面」を、ダンスの動きで遊ぶ
- (Good) 譜面に慣れること自体は簡単
- (Bad) ダンスの動きを習得する必要がある
- (Bad) 習得したダンスの動きで、ノーツを捌く必要がある(練習が必要である)
つまりダンスラでは、 譜面自体は簡単になる一方、「ダンスの動き」という別ジャンルの動作が介入してくる ということです。
ダンスラで運動するのに適した人
ここで(既存の音ゲーではなく)ダンスラで運動するのに適する人について、条件を挙げていきます。
以下のいずれかを満たす方が望ましいでしょう。
ただし、あらかじめ申し上げておきますが、ダンスラにも向き不向きがあります。僕は既存音ゲーよりダンスラが向いているようでしたが、ダンスラに(も)向いてない方もいらっしゃるかもしれません。
こればかりは、実際に試してみないことにはわかりません。
ダンスラを運動効果付きで楽しむまでの道のり
では実際の方法について、詳しく見ていきましょう。
1. ダンスラの譜面に慣れる
まずはダンスラである程度プレイできるようになる実力が必要です。といっても、他の音ゲーほど難しくはありません。
「かんたん」でも「ふつう」でもいいので レベル6の曲でスコア97、できれば98以上 を取れるようになってください。動きはダンス要素一切なしの、省エネでダサい動きで構いません。
いきなりは厳しいかもしれません。一日、二日では厳しいでしょう。こまめに遊んで慣れましょう。
2. シャッフルダンスの基本技を身に付ける
ダンスラに慣れたら、いよいよ「ダンスの動き」に入ります。
これは シャッフルダンス の技になります。二つあります。
ランニングマン と T ステップ です。
どちらも必須です。必ず身に付けてください。
といってもかっこよく踊れる必要はありません。ランニングマンは 片足を2回ずつ引けるように なってください。Tステップは、かかとを着けた時はつま先を浮かせ、つま先を着けた時はかかとを浮かせてください。 浮かせずに、ひきずってごまかしてはいけません。
動画は以下が参考になるかと思います。(公式ダンサーによる詳しいチュートリアルです)
以下に、練習のポイントを挙げておきます。
- (1) 練習は家の中や外(人がいない場所)で行いましょう
- (2) 毎日数十分、いや 数分でもいい ので、継続が大事です
- (3) 最初は 音楽を使わず、遅いテンポで練習します
- (4) 慣れてきたら、少しずつテンポを早めます
- (5) 音楽に合わせるのは 「楽々できるようになってから」 がおすすめです(いきなり合わせると脳が混乱するのでコツを掴みづらいです)
僕は会社で、休憩の度に(人のいない階段やトイレで)数分くらい練習してましたね。一、二週間くらいでしょうか。ランニングマンでは2回引けるようになり、T ステップではかかとやつま先を浮かせて動けるようになりました。
3. ダンスラの譜面に慣れる
ダンスラに慣れ、ランニングマンと T ステップを身に付けました。
今度は 「レベル7」や「レベル8」の曲に挑み、スコア97以上 を目指してください。その際、 ランニングマンと T ステップは譜面どおり忠実に取ってください。
ここまで来るのに、(一日数分~数十分以内の練習で)大体一ヶ月くらいはかかると思います。器用な方ならもっと少ないでしょう。
ここまで来たら、あと一息です。
4. ダンスラの譜面をすべてダンスで処理する
レベル4~6の曲に挑み、譜面の(なるべく)すべてをランニングマンと T ステップのみで取る ようにしてください。
スコアは、まずは90を目指しましょう。
動きはできるだけ省エネに抑えてください(そうしないと最後まで保ちません)。そしてなるべく最後まで続けてください。 これこそが「運動効果付きのダンスラプレイ」の正体 です。つまり、
- ランニングマンや T ステップ という「負担がそれなりにかかるダンスの動き」で、
- 簡単な譜面 を、
- 絶えず処理し続ける(負担をかけ続ける)
ということです。
5. レッツエンジョイ
4ができたら、とりあえずは完了です。
これであなたは「ダンスラで運動効果を兼ねたプレイ」を身に付けました!
他にも細かい TIPS が色々とありますが、以下記事にて詳しくまとめてみましたので参考にしてください。
stressfree-fulfilling-solo.hatenablog.com
まとめ
ダンスラを運動としても楽しむ、というプレイの正体は 低難度譜面をシャッフルダンスの動きで捌く ことです。
そのためには、シャッフルダンスの動きを練習し、ダンスラ上で発揮できるようにする練習が必要です。一朝一夕には行きませんが、一日数分の練習でも効果はありますし、 他の音ゲーのように「高難度譜面で遊べるようになる」よりは簡単です。
もっとも、ここには個人差があります。僕はダンスラが一番性に合っていました。毎日ちまちまと運動して、気付けば半年以上、プレイ時間100時間超えになっていました。
おわりに
僕はダンスラに出会えて本当に良かったと思っています。他のスポーツとは違って怪我もしづらい(地面でステップを踏むだけですからね)ですし、ゲーセンにさえ行けば遊べるお手軽さですし、不器用なアラサーでも遊べるくらいには現実的な難易度です。それで運動効果になるのだから一石二鳥です。
音ゲーで運動効果を狙っている方は、ぜひダンスラという選択肢をご検討ください。
ではまた。