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ソロ充に欠かせない孤独対策

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ソロ充において避けられない問題の一つが「孤独」です。人間は脆いので「私はひとりでも平気」と思っていても、意外とダメージを負っています。対策を考えねばなりません。

ひとりに慣れすぎることで生じる弊害

まずはソロ充を続けていることで生じる弊害――つまり、ひとりで過ごすことに慣れすぎていることによって生じる弊害についてまとめます。

弊害1. 病む

医学的にどうこう語るつもりはありませんが、実体験として言えます。

病みます。

気力やモチベーションがいまいち湧いてきません。仮に安楽死できる薬があったとしたら、うっかり飲んでしまいそうな、そんな精神状態とでもいいましょうか。冷静でありながら「あ、今やばい」と自覚できます。

僕は15年以上ぼっちで、ソロ充という言葉を知る前から「ぼっちとしての充実」を目指してきました。そんな僕が病んだのは、パラサイトシングルをやめてひとり暮らしを始めてから、わずか2ヶ月のこと(ちなみに身体にも症状として現れました)。元々は家族のおかげで、酷い時でも「1日に両の手指で数えられる程度」は発声できていたのですが、ひとり暮らしをしてからは、ほぼ0になりました。そんな生活を2ヶ月続けたということです。

仕事や家事のストレスもありましたが、孤独であることにもストレスを感じる自分がいました。「明らかに会話してないのも一因だ」と自覚できていました。家族と会話する機会は大きかったんだなあと。

ストレスは適度に必要だと言われますが、まさにそのとおりです。そもそも人間は社会的動物ですし、所属欲求や承認欲求といった欲求もあります。ずっとひとりで過ごせるようにはできていません。少なくとも僕はそう感じました。

弊害2. 声が出なくなる

声を出す機会が減るので、声を出しづらくなります。

出そうと思っても出なくなります

僕は以前、仕事で登壇したことがあるのですが、初回の練習はそれはもうひどいものでしたね。3時間くらい喋らないといけないのですが、30分も保ちませんでしたし、部屋の端に届くほどの声量が、どう頑張っても出なかった。

毎日少しずつ練習して、一人カラオケを使ったりもして、なんとか間に合いましたが……いやはや、声を出すという行為も鈍るんだなあと。

弊害3. 言語処理能力が鈍る

会話は、実はとても高度な情報処理です。言語という複雑な概念と知識を、瞬時に応用して意思疎通しているわけですからね。逆を言うと、 ひとりで過ごす(会話が少ない)と、それだけ高度な情報処理を行う機会も減るため、言語処理能力が鈍ります

どれくらい鈍るかというと、 会議の打ち合わせや飲み会での雑談についていけなくなります。まるで英語のリスニングをしているかのように 処理が追いつかない感じ です。疲労TOEIC のように疲れます。疲れるからそういう場に行くのはやめよう → ますます鍛えられずに鈍る、と悪循環に陥ります。

幸いにも僕は、ある程度タイピングが速いので(雑談はともかく)会議は「メモしながら」でなんとか追いついていますが、処理が追いつかないのは本当に辛いです。

弊害4. 空気(タイミング)を読みづらくなる

会話で発言する時って、空気(タイミング) がありますよね。ここを読み間違えると、相手が言い終える前に割り込んでしまったり、自分が喋る前に相手から追加の発言が飛んできたりします。三人以上だと他の人の発言と被ったりもしますよね。

ひとりが長いと、このタイミングという名の空気を読む力が確実に鈍ります。よく被ります。よく割り込んじゃいます。また割り込まれます

弊害5. 集団に生じる時間的「あそび」に耐えられなくなる

ひとりだと何でもかんでも自分の思い通りに効率化できるので、待ち時間という名のストレスは最小限に減らせます。

しかし集団にもなるとそうはいきません。 全員が揃うのを待つ、という「足並みを揃える」類の待ちがしばしば発生します

たかが数分の待ちであっても、大きなストレスになるんですよね。たとえるなら青信号なのに前の車が発進しない、みたいなイメージです。自分のペースを乱されていることに対するストレスです。

弊害を防ぐために行えること

では、これら弊害を防ぐためには、どうすればいいのでしょうか。

いくつか取り上げますが、一言でまとめると 鍛えるしかない ということです。

ソロ充で過ごし続けることは、「集団生活や社会生活に必要な能力」を発揮する機会が少ないことを意味します。「鈍る」とも言えますね。そして鈍ってしまうと、いざ必要になった時に困りますし、鈍ったものはすぐには取り戻せません。そもそも弊害1は鈍るどうこう以前に、心身に支障をきたしており深刻です。

日頃から少しずつ鍛えておく(鈍らないようにしておく) ことが重要です。

では、具体的な方法について見ていきましょう。

方法1. 個人経営の飲食店に通う

項番 弊害の内容 効果の有無
1 病む
2 声が出なくなる
3 言語処理能力が鈍る
4 空気(タイミング)読みの勘が鈍る
5 集団のあそび(待ち時間)が辛くなる ×

個人が経営しているような飲食店です。

このような店では店主とのコミュニケーションがある程度発生しますから、良い鍛錬になります。

僕のオススメは かましいおばちゃんが切り盛りしている店 です。彼女たちの遠慮の無さは凄まじく、無愛想で無口なアラサーおじさんにも容赦なく声をかけてきます。僕は数件ほど、このような店のレパートリーを持っています。自分から話しかけることなく、向こうから振ってくれるので、助かってますね。

方法2. 店員に質問する

項番 弊害の内容 効果の有無
1 病む
2 声が出なくなる
3 言語処理能力が鈍る
4 空気(タイミング)読みの勘が鈍る
5 集団のあそび(待ち時間)が辛くなる

これは 店員がフロアをうろついているような店で、店員に尋ねてみる というものです。1対1の事務的なコミュニケーションを行うトレーニングになります。

僕は色んな店で鍛えていますが、たとえば家電量販店やゲーセンですね。

家電量販店では、たまに周辺機器や記録メディアなどを買うのですが、どこにあるかわからないので訊くようにしています(探す時間ももったいないですし)。また、無知な製品については、製品ごとの違いや、自分のニーズに適したものはどれかなど、さらに質問することもあります。

ゲーセンでは、特に新しいゲーセンを開拓する時に多いのですが、音ゲーコーナーの位置を尋ねたり、「音ゲーの●●はありますか?」「トイレはどこですか?」と訊いたりします。あとは、筐体のメンテナンスが悪い時や、不具合が発生した時に様子を見てもらったり、再起動をお願いすることもあります。

上記はあくまで一例ですが、自分が普段使う店で、少し発声する機会を確保するだけでも違います。

方法3. ひとりプレゼン練習をする

項番 弊害の内容 効果の有無
1 病む ×
2 声が出なくなる
3 言語処理能力が鈍る
4 空気(タイミング)読みの勘が鈍る ×
5 集団のあそび(待ち時間)が辛くなる ×

僕は日常生活に「ひとりプレゼン練習」を取り入れることがあります。

頻度は週に1~2回、時間は20分以内、場所は自宅の風呂で、ネタはブログネタや小説ネタです。人気ブロガーや人気小説家なったつもりで、意気揚々と説明します。

なぜこんなことをするかというと、 発声能力を鍛えるため です。

弊害2にも書いたとおり、声は(日常生活で喋らないと)本当に出なくなります。普段運動している人が数ヶ月、何の運動もしなかったとしたら、相当鈍りますよね。あんなイメージです。

喋らない生活で完結できるなら問題はありませんが、社会人にもなるとそうはいきません。僕の場合、仕事で自分が喋り続けるような打ち合わせがありますし、お客さんの前に立って喋る機会もたまにあります。「普段から喋らないので声が出ないです」では済みませんし、いざ取り戻そうとも思ってもすぐには戻りません。

だから 日頃から鈍らない程度に鍛えておく のです。僕の場合、ブログネタですと、書こうとしている記事内容の整理にもなって一石二鳥ですし。

方法4. 社内外の教育に参加する

項番 弊害の内容 効果の有無
1 病む
2 声が出なくなる
3 言語処理能力が鈍る
4 空気(タイミング)読みの勘が鈍る
5 集団のあそび(待ち時間)が辛くなる

会社によっては、社内外の教育に参加できる機会があります。

特にワークショップやグループワークを含んでいるものが狙い目です。声出し、空気(タイミング)を読んだ発言、スピーディーな意思疎通のトレーニング(やることが多くて慌ただしいですからね) etc――と、いわば総合練習として鍛えることができます。積極的に参加してみると、良い鍛錬になります。

(余談) こういう教育のイイところは定時以内に終わるところです。普段の会社とは違う場所に行っていることもあって、僕はアフター5で少しで遊ぶ(大体ゲーセンですが)ことが多いです。これも教育の醍醐味!

方法5. ひとりカラオケをする

項番 弊害の内容 効果の有無
1 病む ×
2 声が出なくなる
3 言語処理能力が鈍る ×
4 空気(タイミング)読みの勘が鈍る ×
5 集団のあそび(待ち時間)が辛くなる

カラオケなら人目を気にせず、声出しの練習ができます。無理に歌わなくても、プレゼンの練習をしたり、パソコンを持ち込んで作業しながら独り言を言ってみたりするだけでも効果があります。

ただし、プレゼンの練習など「喋ることを考えて、まとめて、 スピーディーに 喋る」ことをしない限り、弊害3の言語処理能力は鍛えられないことに注意してください。ただ歌うだけでは、一日一時間を一ヶ月続けたとしても、弊害3は直りません。

それからカラオケは地味にお金がかかるのと、わざわざ立ち寄るのが面倒くさい(特に都内はカラオケがある場所は人も多いですし)点も微妙ですね(弊害5の鍛錬にはなりますが)。僕はもう使っていません。

方法6. 趣味のオフ会に参加する

項番 弊害の内容 効果の有無
1 病む
2 声が出なくなる
3 言語処理能力が鈍る
4 空気(タイミング)読みの勘が鈍る
5 集団のあそび(待ち時間)が辛くなる

趣味のオフ会とは、自分が嗜んでいる趣味に関するオフ会(リアルで集まるイベント)に参加する、ということです。

たとえば作家さんのファンならサイン会、出版記念イベントあるいは有志の読書会などがあります。僕の場合ですと、DANCERUSH STARDOM というゲーセンの音ゲーが趣味でして、ゲーセンや有志が主催する交流会に参加することがあります。

stressfree-fulfilling-solo.hatenablog.com

また先日は、前々から参加してみたかったライフハック系の勉強会にも顔を出してみました。

stressfree-fulfilling-solo.hatenablog.com

この方法6の良いところは、「色んな人間がいるんだなぁ」と改めて気付かされることです。あるいは「同じ趣味を持つマニアがこんなにもいる」という感動もあります。弊害1で病みそうになるのを防ぐのに大いに役立ちます。

もう一つ、弊害5のあそびに対する耐性を鍛えることもできます。オフ会は典型的な「集団のコントロール」でもあるので、どうしても待ち時間が発生します。ひとりに慣れすぎていると「遅すぎる!もっと効率的に運用できねえのか!」などと思っちゃいますが、社会はそうではなく、ある程度のあそび(待ち時間)は当たり前です。耐える必要があることを再認識でき、また実際に耐えるというトレーニングが行えます。

ちなみに、弊害2と3については、自分から積極的に話しかけない限り、鍛えられません。ここは無理しないで良いでしょう。無理して話しかけようとすることは、それはすなわち対人関係の渦中に身を置くことです(それがイヤだからソロになっているはずです)から、ストレスが溜まります。トレーニングにおいて適度なストレスは大事ですが、過度でもいけません。

おわりに

ソロ充はひとりでも充実できる生き方ですが、ひとりで過ごし続けることで生じる弊害は避けられません。本記事では弊害について5つほど挙げました。また、これらを防ぐアプローチとして、定期的に鍛えておく方法を6つほど見ていきました。

ソロ充のみなさま、あるいはソロ充を目指すみなさまの参考になれば幸いです。