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会社員ミニマリストはミニマリストを参考にしてはいけない

会社員ミニマリストが一度は感じるであろう違和感を言語化してみました。

結論から言うと、会社員ミニマリストはミニマリストを参考にしてはいけません。

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ミニマリズムとは時間でゴリ押しすること

まずミニマリズムについて押さえておきましょう。

ミニマリズムではモノや支出を減らしますが、時間も減ります。というより 時間を犠牲にして、モノや支出を減らすことに費やす と言ってもあながち間違いではありません。

自炊しない派ミニマリストが少ないのはなぜか

自炊をしないミニマリストは少ないのですが、なぜでしょうか。

答えは単純で、 食費を減らしたいから です。

全部外食すれば食費は 5~6 万くらいかかりますが、全部自炊すれば 2~3 万で済みます。生活コストを下げれば、必要なお金も減るので、その分労働に費やす時間も少なくて済み、自分の好きなことに集中できるからですね。

ストックせずに済むのはなぜか

なぜミニマリストは日用品や食品をストックせずともやっていけるのでしょうか。

これも答えは単純で、毎日買い物してるから です。

スーパーに赴いて、ぶらぶら献立考えながら眺めて、必要なものだけを選んで、レジ待ちに並んで、それから購入するわけです。

1.5 時間

自炊にせよ、毎日買い物にせよ、もう一つ減らしているものがあります。

それは 時間 です。

自炊については、全く自炊しない派よりも 一日一時間は犠牲になる でしょう。

そうでもない?本当に?自炊は料理だけではないですよ?買い物、洗浄、廃棄、掃除と色々作業があります。厳密に記録してみてください。よほどテキパキしてる人でない限り、一時間くらい経ってますって。

買い物についても、スーパーとの往復、ぶらぶら眺める、レジ待ちに並ぶなどを考えれば、一日三十分くらいは犠牲になっている でしょう。

合計すると 1.5 時間。結構痛いですね。でも、そうでもないんです。

ミニマリストには時間がある

ミニマリスト(※1)には時間があります。

なんたって会社員のように拘束されているわけではないし、そもそも生活コストが小さいので働く時間も少なくて済みますから。

※1 ここでは職業ミニマリストあるいは月 10 万未満で余裕で暮らせるミニマリストを指します。

1.5 時間くらい、大して痛くないんですよ。遠慮なく費やせます。ミニマリストの武器は時間です。時間を使って、その他のリソースをミニマムにするんです。

会社員ミニマリストは時間がない

次に会社員ミニマリストについて押さえておきます。

会社員ミニマリストは、ミニマリストとは違って 時間がありません。以下詳しく見ていきます。

1 日 11 時間拘束!?

1 日 11 時間拘束されると聞いて、どう思われますか。僕はヒィィィと思いますが、会社員はそんなもんです。

  • 毎日定時退社したとしても 9 時間(1時間の昼休み含む)
  • 通勤で往復 2 時間

これでもう 11 時間です。

通勤については、「東京暮らし、電車で 30 分」を想定しています。内約は以下のとおり。

  • 【 6 分】身だしなみを整える or 帰った後に着替える
  • 【 6 分】自宅最寄り駅まで歩く
  • 【 6 分】公共交通機関(乗り換えや待ち時間)
  • 【 30 分】公共交通機関(乗っている時間)
  • 【 12 分】会社最寄り駅からオフィスに入って自席に着くまで

片道で 1 時間かかってますよね。通勤って電車が走ってる時間だけじゃないですからね、意外とかかってるもんです。こんなもんです。で、帰りも同じ過程を辿るので、計 2 時間です。

つまり 8 時から支度始めて家を出ても、帰ってくるのは 18~19 時です

睡眠時間も含めると?

睡眠時間は 8 時間取るとしましょう。健康は大事ですからね。

この時点で 11 + 8 = 19 時間。

1日の残りは、あと 5 時間しかありません

食事と入浴も含めると?

食事と入浴も考えてみましょう。

  • 【 30 分】朝食
  • 【 30 分】夕食
  • 【 30 分】入浴

おおよそこんなものではないでしょうか。

食事時間が少ない人でも、入浴(出た後のケアも含みます)がもっと長いかもしれません。特に女性の方はそうでしょうね。また朝食と入浴が短い方でも、夕食はテレビとか YouTube を見ながらダラダラしてるせいで長い可能性があります。この 1.5 時間という数字は割と広く当てはまってると思います。

ともあれ、1.5時間。

この時点で 11 + 8 + 1.5 = 20.5 時間。

1日の残りは、あと 3.5 時間しかありません

残業したとしたら?

怖いのは、この 3.5 時間という数字が 定時退社だった時の場合にすぎない ってことですよ。

当然ながら残業すればその分減ります。

月 20 時間(1日1時間)やれば、1日の残りは 2.5 時間です。

月 40 時間(1日2時間)やれば、1日の残りは 1.5 時間です。

(本題) 会社員ミニマリストがミニマリズムを取り入れると?

ここまでを踏まえて、では会社員ミニマリストがミニマリストさんに従って、愚直にミニマリズムを取り入れるとどうなるか。

たとえば自炊と毎日買い物を取り入れたとしたら?

1.5 時間必要なのでしたね。この分を引いてみると、結果はこうなります。

  • 毎日定時退社なら、1日の残りは 2.0 時間
  • 月 20 時間(1日1時間)やれば、1日の残りは 1.0 時間
  • 月 40 時間(1日2時間)やれば、1日の残りは 0 時間

時間が圧倒的に足りない ことがおわかりいただけるかと思います。

この記事で言いたいこと

会社員ミニマリストは(主に長時間拘束と通勤のせいで)ただでさえ時間が足りないので、(時間でゴリ押ししてモノや支出を減らす)ミニマリズムを迂闊に取り入れてはいけません。

いや、別に取り入れてもいいですが、時間がなくなります

※僕は時間が大切だと思っているので、タイトルは「参考にしてはいけない」と強気にしました。

時間の捉え方は人それぞれです

とはいえ、これはあくまで僕の意見です。中には

「別に時間なんて余らなくてもいいじゃん。どうせ無趣味だし」

という方や、

「むしろ自炊や家事が趣味だし」

という方、何なら

「ミニマリズムが趣味」

という方もいらっしゃるでしょう。そういった方は、無理して時間を死守する必要はありません。自分の時間を遠慮なくミニマリズムのために使いましょう。

しかし、誰しもがそういうわけじゃない。少なくとも僕は違います。ミニマリズムで大切なことに集中したいし、生活コストも下げて労働への依存も減らしたいですが、 だからといって時間を犠牲にしすぎたくはない。僕には遊びたいことがたくさんありますし、若くて元気な今だからこそ遊んでおきたいとも思ってますので。

おわりに

会社員ミニマリストが陥りがちな罠について書きました。

会社員ミニマリストはミニマリストとは違い、時間がありません。一方で、ミニマリズムとは時間を犠牲にしてモノや支出を抑えるところがあります。したがって、無闇にミニマリズムを取り入れると、ただでさえ少ない時間がさらになくなることになるわけです。

時間を貴重だと考える会社員ミニマリストの方は、安易にミニマリズムを取り入れすぎないように注意しましょう。