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キックスケーターを移動手段として使う際に押さえておくべき7のコト

大人のキックスケーター入門も4記事目となりました。今回はキックスケーターを(特に公道を走る)移動手段として使う際に、押さえておくべきポイント(コツやテクニックや心がけなど)についてまとめました。

1. 走りやすい道を選ぶ

キックスケーターは路面の状況をダイレクトに受ける乗り物です。もっというと 路面が少しデコボコしているだけで、手が痺れるくらい振動します

わかりやすいイメージは スーツケースのキャスターショッピングカート です。これらを引いていると、ちょっとした地面でもガタガタ振動が来ますが、まさにそんな感じです。

したがって、振動を抑えるためには、少しでも走りやすい道――デコボコしていない道を選ぶ必要があります。

具体的には、自宅から目的地までの経路を事前に地図アプリなどで調べて、路面がデコボコしていないルートを探します。もちろん地図上ではデコボコまではわかりませんから、実際に確認する必要もあります。

面倒くさいですが、快適に乗りたいなら必要なプロセスです。

2. 段差とグレーチング(網蓋)の通り方を押さえておく

公道(生活道路含む)には段差、そしてグレーチング(網蓋)があります。

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キックスケーターではこれらをそのまま越えることができません。下手に越えようとすると、つまずいて(引っかかって)転倒してしまいます。転倒すると骨折くらいは被ってしまいます。

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通り方ですが、スタイリッシュに行きたいなら、以下動画のように 越える直前でキックスケーターを浮かせる 方法があります。

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ですが練習が必要です。もし特別なテクニックを使いたくないのなら、もう 直前で減速する か、あるいは いったん降りてから通る しかありません。

また、これは別アプローチになりますが タイヤの太いキックスケーター(大人用キックスケーター)を使う のもアリです。僕が愛用している Xootr ですと、子供用よりは明らかにタイヤが太いので 斜めの角度で通れば 引っかかりません。ただ、絶対とは言えない(僕は斜め通過と上記の直前浮かせを使い分けていますが、観察含め練習を繰り返して慣れています)のが微妙なところです。

3. 急ブレーキができないことを常に頭に入れておく

キックスケーターのブレーキは弱いです。 制動距離は平気で数メートルを超えてきます。自転車のように一瞬で止まることはできません。

したがって 急ブレーキが必要なシチュエーション=死 を意味します。そして公道というものは、何が起こるかわからないもので、急に人が飛び出してきたり、急に目の前の人が急停止したりするものです。そういったイレギュラーと出会った時点で死が確定します。死というのは大げさですが、自分か相手を少なからず傷つけてしまうので、あながち大げさでもないでしょう。

どうすればいいかというと、急ブレーキが必要にならないよう、観察と予測を最重視しながら、慎重に 蹴り進むことです。たとえば通行人がいたら、通行人が急に曲がることをあらかじめ想定して減速します。「曲がったらブレーキかけて止まればいい」は通用しません。止まりきる前にぶつかります。

4. 夜と雨天時は絶対に乗らない

末永くキックスケーターと安全に付き合いたいなら、夜と雨天時は絶対に乗らないことです。

まず夜ですが、理由は単純で 危険だから。もっというと 路面の状態や通行人の接近といった危険を察知しづらい からです。

そもそもキックスケーターは「あらゆる乗り物の中で最も周囲の観察に神経をとがらせる乗り物である」と言っても過言ではないくらい、周囲(路面含む)を観察して安全に配慮するものです(僕はそう思います)。夜だと暗くて(特に路面なんて)見えたものじゃありません。

そして、前述のとおり、キックスケーターはデリケートですので、ささいなデコボコでもあってもダイレクトに反映してきます。路面が見えていないと、そのようなトラップに偶然ハマってしまうかもしれません。公道は思っている以上にトラップが多い ので、「まあ大丈夫だろ」は高確率で死にます。

「自分が通ろうとしている路面のすべてが見渡せること」は決して欠かせない条件です。

それから雨ですが、これは単純にブレーキが効かなくなるからです。 制動距離で言えば数メートルから10メートルくらいになります。別の言い方をすれば ブレーキで減速できない とも言えます。減速できない乗り物なんて危なっかしくて使い物になりません。

5. 警察官とは戦わない

キックスケーターの公道利用には明確な法律がありません。主要な解釈は「道路交通法76条4項3号」の

交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。

これに従い、「ひんぱんでなければOK」とするものです。

しかしながら警察官と自分の「ひんぱん」が一致するはずもなく、また警察官がこの法律を知っているとも限らず、さらに言えばこれはあくまで解釈の一つであって絶対的な正義でもありません。

是非の判定は警察官の裁量に委ねられます

極端な話、警察官がアウトと言えばアウトです。

こればっかりは確実な対処法はありませんが、基本的な戦略は 警察官と戦わないこと そして 信用しないこと です。「注意されたら論破してやる」「これくらいなら大丈夫だろう」などとは思わず、警官やパトカーを見たらとりあえず下りる、くらいがちょうど良いです。

とはいえ、過半数が「ひんぱん」と感じるような道路でなければ、基本的には大丈夫だと思います。実際、僕も交番の前を通ったり、自転車でパトロールしている警官とすれ違ったりしますが、何も言われません。

ただ、一度だけ、パトカーからイヤホンで怒られたことがあります。そこは地元民しか通らない生活道路で、住民も車が通らなければ普通に車道を歩くような場所で、僕が走っている時は視界に通行人がいない状態でしたが、だからといって「俺が正しい」ともならないわけで。難しいところです。

6. 運搬も意外と消耗する

キックスケーターの良いところは簡単に持ち運びができ、たとえば電車にも持ち運べますが、キックスケーターは意外と重たいです。

子供用はそうでもありませんが、以下記事で紹介しているような大人用にもなると、5kgくらいになります。

stressfree-fulfilling-solo.hatenablog.com

5kgといえば2Lペットボトル2.5本分。それを手で持ったり、ストラップで肩にひっかけたりして運ぶわけです。重い。食い込む。痛い。

また、キックスケーターは(折りたたんだ状態で)立てて置くことができない ので、電車内では手で支えることになります。地味にストレスです。実は、ハンドル側を地面に向ければ安定しやすいのですが、握るハンドルを地面につけるのは気が進みませんよね……。

というわけで、「キックスケーターは持ち運びがラクチン!」と過信していると、痛い目を見ます。特に観光や旅行など長時間の運搬を想定する場合は、事前に持ち運びを試して、疲労や負担について調べておきましょう

7. 駐輪

キックスケーターは駐輪するのも簡単です。自転車一台分のスペースがあれば、もう可能です。

施錠しないと盗難される ので、ちゃんと地球ロック(柱や柵など固定されているものを巻き込んで施錠)しましょう。また、ライトなどを装着している場合はまるごと盗難されたり、電池を抜かれたりするので気をつけましょう。

ちなみに「駐輪禁止」には一般常識として従うべきかと思います。「自転車じゃない」というと、そうなのですが、駐輪禁止の条例などは「交通の妨げになる」「景観を損なう」からそうしているのであって、自転車かどうかは問題の本質ではないからです。たぶん容赦なく撤去されます。

おわりに

移動手段としてキックスケーターを使う際に押さえておくべきポイントをご紹介しました。

見ての通り、中々に大変ではありますが、快適かつトラブル無く乗りこなすためにも、ぜひ押さえたいところです。