ガラパゴスタ

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受動的な割り込みと能動的な割り込み

割り込みは二種類あります。 受動的な割り込み能動的な割り込み です。

受動的な割り込み

自分からアクションを起こさなければ発生しないタイプの割り込みです。

  • 例1: メールやチャットを読む
  • 例2: メールやチャットの通知が目に入ってしまう
  • 例3: 上司と雑談しながら仕事をしているとして、不意に雑談が発展して「それいいね、じゃあ~~もやっておいてよ」と言われる

受動的な割り込みを防ぐには

受動的な割り込みは 防御しやすい(対処しやすい)割り込み です。というのも、自分からアクションを起こさないようタスク管理したり、設定や運用を変えたりすれば済むからです。

例1 については、「メールをチェックする」「チャットをチェックする」ルーチンタスクを一日数個くらいつくっておき、それらタスクを消化する時のみチェックするようにします。

例2 については、通知機能をオフにします。

例3 については、無闇に雑談しないようにします。

放置しすぎに注意

受動的な割り込みは、放置しすぎると後々トラブルになる可能性があります。極端な話、メールやチャットを数日間、一切見ないというのはさすがに問題になります。あるいは、問題になる前に、能動的な割り込みが来るかもしれません。

例: 相手「~~の件、メールで送ったんだけど、どうなってる?」

能動的な割り込み

向こうから勝手に訪れてくるタイプの割り込みです。

  • 例1: 上司「ちょっといいか」
  • 例2: 職場で電話に着信(特に電話番にアサインされた若手や他に人がいなくて自分が取らざるを得ない場合)
  • 例3: 自宅でインターホン

能動的な割り込みを防ぐには

能動的な割り込みは 防御しにくい割り込み です。特に口頭にもなると防御はほぼ不可能です。無理に「今は無理です」などと断ろうものなら、簡単に対人関係に亀裂が入ります。人間は感情的な生き物なので、明示的な拒絶は多かれ少なかれ不和を生みます。

能動的な割り込みを防ぐには、 あらかじめ能動的な割り込みが来ないよう、割り込みの原因にはたらきかけておく 必要があります。しかし、主な原因が人間であり、かつ相手にも事情があったり、立場上こちらから強く物を言えないケースもあり、はたらきかけるのが簡単であるとは限りません。

割り込み数に絡む指標

これらの指標の前提は、以下のとおりです。

  • デスクワーク
  • 1 日 7 時間の労働時間(昼休憩含まず)
  • 小休憩を合計すると実質は 1 日 6 時間働いている

第一しきい値

第一しきい値は 2 であり、日中の 能動的な割り込み数が 2 回以内 なら 特に生産的な職場である ことを表します。

第一しきい値以下を手に入れるためには、仕事を選ぶ必要があります。つまり、仕事次第では第一しきい値以内に抑えることが現実的でないことが多いです。

第二しきい値

第二しきい値は 4 であり、日中の 能動的な割り込み数が 4 回以内 なら 生産的な職場である ことを表します。

能動的な割り込み数が第二しきい値を超えてくると、時単位の(1時間以上続けての)集中が難しくなります。創造的な仕事を行うのは難しいでしょう。なので、集中したいなら何らかの対処が必要です。たとえば「集中タイム」「集中ルーム」など。

能動率

能動率 とは日中の割り込み総数のうち、能動的な割り込みの割合を指す言葉です。

※ただし第二しきい値を超える場合に有効となる指標(割り込み数の多い職場向けの指標)です。

たとえば今日一日の能動的な割り込み数が 5 で、受動的な割り込み数が 4 だとしたら、能動率は 5 / (5+4) = 0.55 で 55% です。

能動率は 30% 以下が望ましいとされています。30% を超えると、割り込みがうっとうしく感じられ、自分のペースで仕事を進めづらくなります。体制やコミュニケーション方法などを工夫すれば抑えられることが多いです。

能動率が 50% を超えると、別の問題をはらんでいることが多いです。たとえば本質的に割り込みが多い仕事であったり、無知で無神経な割り込みマン(職位が高い)がいたりします。能動的な割り込みを穏便に減らすことはおそらく難しいでしょう。