Skippable Routine-Task(スキップ可能なルーチンタスク)について
ルーチンタスクには「Skippable(スキップ可能)」という性質があります。
Skippable というアプローチ
たとえば 1 ヶ月後にイベント A に参加するとします。
A に参加するためには以下のタスクが必要です。
- 参加登録
- 当日のタイムテーブルと参加ブース確認
- 当日の行き方確認
- 当日の持ち物リスト洗い出し
- 当日の持ち物を準備
- ……
これらは 1 ヶ月後までに行わなければならないのですが、では日々どのように対処していけばいいのでしょうか。
このアプローチの一つが Skippable なルーチンタスク です。
つまり、
- 「イベント A について準備してね @1」
という @1(頻度=毎日) のルーチンタスクをとりあえず置いておく のです。
そうすれば、日々のタスク管理の最中に「あ、A についてそろそろ進めないといけないなー」と判断し、必要に応じて行動に移せます。このタスクは毎日登場しますから、うっかり忘れてしまうことはありません。これは 毎日 1 回は、イベント A について考える機会を獲得している とも言えます。
そして、最も重要なことは、名前の由来にもなっていますが、
「今日はいいや」とスキップできる
ということです。
気が向かなければスキップしていい。スキップしていいというゆるさがある。これが Skippable なルーチンタスクの最大のメリットです。 気負わずに済む。しかし毎日登場するから忘れない のです。
Skippable なルーチンタスクの問題点
しかし Skippable なルーチンタスクには問題点があります。
固定的(ロボット的)でない
タスク管理というと「いつ、何を、どの順番で、各々どれくらいの時間でこなすかが厳密に決まっている」「そういう状態を目指す」「ただただロボットのように消化していく」……そんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
それも正しいです(そもそもタスク管理に正解はありません)。効率という意味では、むしろ理想でしょう。
さて、Skippable なルーチンタスクですが、そのようなタスク管理スタイルには向いていません。 イベント A に関するタスクが毎日どれだけ出現するかは未定(自分の気分次第) ですからね。もしタスク管理を「いかに予定の不確定さ不明瞭さを省くか」と捉えている場合は、こんなの論外ですよね。
【まとめ】
タスク管理に「固定的(ロボット的)なストイックさ」を求めている場合、Skippable なルーチンタスクは全く符合しない。
いちいち判断を要する
タスクという言葉の捉え方は様々ですが、一大派閥として
「やることが明瞭で、判断の余地なく、ただただそのことにすぐに取り組める」もの
だという解釈があります。
そのようなタスクをいかにして管理し、失念もなく、無駄もなくこなしていくこと――それこそがタスク管理である、と。
これは、言い方を変えれば、 タスク以前の段階のもの(やることが不明瞭で判断の余地が残っている事柄)については管理しない とも言えます。別のやり方で明確化しておけよ、で、明確にできたらタスクという形にブレイクダウンして、ブレイクダウンしたそれを管理しろ、というわけですね。なぜかというと、判断という作業は骨が折れるからです。
もっと言えば、 「判断という作業」と「やり忘れ防止や実行順序制御といった管理作業」の 二つの作業を同時に行うのはめちゃくちゃしんどい からです。しんどいから、分離します。分離して、後者のみを「タスク管理」として管理対象にしています。
さて、Skippable の話に戻りましょう。
この解釈のもとでは、Skippable なルーチンタスクはどう見えるか。「判断を要する作業」に見えます。そしてそれはタスクではないし、無理にタスク管理に入れようとするとしんどい。
【まとめ】
もし「タスク = 判断の余地がない単位」を前提としてタスク管理をしている場合、Skippable なルーチンタスクはタスクではないため、タスク管理が破綻する(しんどくなる)。
おわりに
Skippable なルーチンタスクは便利な概念ですが、タスク管理の最中(日々タスクを消化している最中)に 今日は何をしようか、という判断がいちいち発生する ものです。タスク管理の捉え方によっては、これが非常にノイジーでしょう。