ガラパゴスタ

楽する。楽しむ。生み出す。

仕事を嫌がったり断ったりするのはわがままでなく安全欲求を満たす行動なのだという話

僕はよく「その仕事はやりたくありません」とか「やれるところまではやりました」「これ以上は無理です」とか「僕にこの会社の平均的な戦力を期待しないでください」とかいった主張をします。後輩、同僚、先輩、上司からわがままだの自己中だの自分ファーストだのと散々言われてきましたが、僕はそうだとは思いません。

なぜかというと、僕は 安全欲求を満たそうとしている だけだからです。

つまらない仕事だと気が狂う

僕はつまらない仕事をさせられると気が狂いそうになります。というか狂います。

つまらない仕事というと、挙げればきりがありませんが、たとえば以下のようなことです。

  • 手順書に従って手を動かすだけの作業
  • (社員または派遣なら)誰でも少し教わればできるような、特別な知識や技能や才能の要らない単調な仕事
  • なぜ存在しているか理解できない非効率的・無駄なルールに則った雑務
  • 新人や下っ端がやらされるような雑務全般(会議準備、電話応対、飲み会や文体の運営進行 etc)
  • 政治全般(上司や顧客や他部署に対して過剰に下手に出たり配慮したりする必要性)
  • クソースのメンテナンス全般
    • ※クソース……未熟者がつくったプログラムコード。クソなソースでクソース。
  • リテラシーを持たず、かつ自ら学習・向上する気のない者のフォロー全般
  • ……

僕はエンジニア気質でありクリエイター気質です。中学生の時からプログラム、文章、ゲーム、仕事術やライフスタイルといったものをつくってきました。生産や創造に溺れてきた人種と言えます。ただ単に常識に従い、娯楽と消費に溺れてきた人たちとは根本的に違います。

そんな気質の僕にとって、つまらない仕事は、アレルギー反応が出ると言っても過言ではないほど嫌悪の対象であり忌避の象徴です。もし「手取り月 50 万やる」「毎日定時で帰ってもいい」と言われてもやりたくありません。定時でも 1 日 8 時間くらいは要するわけで、貴重な時間なそんなことにくれてやるほど僕はお人好しでもなければ鈍感でもないんです。

人は気が狂うし、何によって狂うかは違う

こう書くと 「コイツ、危ない奴なのか?」「それって脅迫では……?」 みたいなことを言われるのですが、違います。

人は誰でも気が狂い得ます。ただその基準が違うだけ。

最もわかりやすい例を挙げると、たとえば奥さんとお子さんをお持ちの A さんがいるとします。A さんは奥さんやお子さんを失ったら気が狂うと思います。「家族を失ってまで仕事に没頭するつもりはないぞ」という主張をすれば、危ない奴認定されるでしょうか。脅迫になるでしょうか。違います。当たり前のことです。

人には境界(越えてはならないライン)があります。それも複数あります。

僕の場合、その一つが「つまらない仕事をやらされる」ことなのです。

境界は尊重してほしい

僕は家族を失っても何とも思いません。というより家族を持っていない(独身です)ので対象外です。でも、だからといって僕は A さん(のような人)に「家族なんか知るかよ」なんてことは言いません。

一方で、みんなは僕の事をやれわがままだの社会人失格だのとほざきます。なぜかというと、彼らが無知だからです。エンジニアやクリエイターという生き物を知らない。あるいは知っていても「この会社ではマイノリティだし、忙しくてぶっちゃけ構う暇無い」と配慮を放棄する。

悲しいことです。一蹴するのではなく、少しでも知ってほしいです。歩み寄って欲しいです。尊重してほしいです。

「転職すれば?」と言うけれど

こう言うと「転職すれば?」的なコメントが来るのですが、そうじゃない。

もしうちがエンジニアとは無縁の会社で、最初からつまらない仕事の要員として契約を交わされたのであれば、僕も文句は言いません。僕が去るしかないでしょう(そもそも内定ももらってないでしょう)。ですが、うちはれっきとした IT 企業でありソフトウェア会社であり SIer です。界隈の人なら誰でも知っているであろう大手で、働き方改革やら多様性やらにも取り組んでおり、表彰もされてます。そんな場所で、こうして一蹴されることに納得が行きません。

なんていうですかね、マイノリティに対して見て見ぬふりをして、無理やりマジョリティに押し込めようとしているとでも言えばいいのでしょうか。この感覚には覚えがあります。体育の授業とかで、運動できない奴がいじめられるアレです。できない人にはできないなりの配慮をして、役割を与えればいいのに、それを放棄して、人並以下だから劣等だ、努力不足だ、もっと頑張れよと責めてくる。人並以下の運動神経で、人並以上のパフォーマンスを出そうとしたら身体なんてすぐ壊れるのに。加えて、このような劣等がいじめの免罪符になることもあります。僕の経験ですと、無理やりゴールキーパーやキャッチャーをやらされたことがありましたかね。

なんでマイノリティがそんな扱いを受けねばならないのでしょうか。嫌なら消えろ?そうじゃないでしょ。てめえらの無知と怠惰を棚に上げて、いじめてくるのはやめてもらえませんか。そんな気持ちです。悔しくて、悲しい。

リアルに命がけです

話を「気が狂う」のあたりまで戻します。

気が狂うとどうなるか、についても少し取り上げておきます。

死にます

とはいえ所詮はオフィスワークですから、身体的に死ぬことはほとんどありません。僕が言っているのは 精神的に死ぬ、あるいは社会的に死ぬ ことです。

人間は多大なストレスを食らうと心身に悪影響が出ます。鬱は甘えじゃなくて病気ですよね。僕も鬱こそ回避できたものの、身体的な異常が出たことがあります(この時は大体定時帰りでしたが、毎日「ひたすらシステムのテストを行う」というつまらない仕事をやらされていました)。一年以上経った今でも通院しています(容姿に悪影響出てる上に治療費もわりかし痛い)。自殺を考えたことだってある。危ない奴じゃないです。何度も言うように、気が狂うってそういうことなんですよ。

精神的に僕一人が死ぬだけならまだマシです。最悪なのは、その矛先が他の物や人に向かうことです。そうなったら迷惑は計り知れません。世の中、たまに物騒で痛ましい事件が起こりますが、あれは他人事じゃない。人間、気が狂えば誰だってそうなる可能性はある。他人事だと思っている人は、幸せな人です。気が狂うような体験が無いのでしょう。あるいは想像力が乏しいか。本とか読んでないんですかね。

ともかく、気が狂うと精神的・社会的に死にかねません。

もっとも気を狂わせるトリガーは人それぞれですが、僕の場合、つまらない仕事はその一つです。過去何度もやらされてきましたし、今もやらされつつある。ゆえに僕にとって 仕事はリアルに命がけです。毎日毎日ヒヤヒヤしてます。少しでも安定するために、経済的にも時間的にも習慣的にも惜しみなくつぎ込んで、全力でメンテナンスと鍛錬に費やしてます。今は毎日定時だから何とか耐えれてますが、仮に残業前提になったとしたら、このバランスはたぶん崩壊しますね。

ここまでのまとめ

今回はずいぶんと赤裸々でポエミーなエントリとなってしまいましたが、言いたいことは単純です。

  • エンジニアやクリエイターという人種はこの会社にもいます
  • マジで死活問題なので尊重してください、つまらない仕事振らないでください、マジで

現状はどう?

僕の現状はどうかというと……。

とりあえず尊重してもらうために色々と行動してます。この記事に書いてきたことも含めて持論を展開したり、「こういうことは得意です」と経験や作品を展開したり、面談や交流の場で伝えたりもしてます。チャットの雑談チャンネルでも積極的に発言して、僕というキャラクターを知ってもらおうとしてます。

それに対する彼らの反応ですが、今のところは「静観」「無視」「一蹴」ですね。ただ、彼らもバカじゃないので、精神論をかざして僕を壊すまで追い込もうとはしませんし、不向きで出来の悪い僕に仕事を任せておじゃんにするようなマネもしません。結果としてどうなるかというと、

  • 誰でも出来るような仕事を少しだけ与える
  • あとは放置

こうなります。違う。全然わかってない。そういう仕事が無理だと言ってるんですが。

直近はどうするつもり?

幸いにも僕は色々と武器や長所を持って(私のウェブサイト stakiran を見てください)いますし、会社としても新規事業や改革の流れが来ているので、何かしら貢献できることはあるはず。

そう信じて今はひたすらアピール(するための資料やら作品やらを整備)してます。ちょうど空白期間なので、せっせと仕上げているところです。そのうち次の仕事が来るでしょうから、そこでぶつけてみます(その前に完成したらとりあえずぶつけますが)。これがダメだったとしても、次をぶつけます。僕は諦めない。

おわりに

僕という人間の仕様では、会社の普通の仕事は無理です。それをわかってもらう必要があります。もちろん、じゃあ何ができるのかという話になるわけで、僕は価値を示さないといけません。

ひー。社会人は大変です。大企業に入ったら定年までぬくぬくと思っていましたが、全然そんなことない。毎日すり減らしてます。明日も頑張っていきましょう。

(余談1) 病名があっても良い

この エンジニアやクリエイターの「つまらない仕事」への拒絶反応 ですが、症状や疾患として認められるレベルの性質であるように僕は思えてなりません。だってこんなの我慢できないですもん。

ASD のような先天的要因はさすがに無さそうですが、もし将来何らかの病名が確立されたら「僕、~~です」と診断書見せるだけで通じるようになるので良いなーと愚考しています。

(余談2) あたかもエンジニアやクリエイターの代表のような言い方をしてきましたが

実際はどうなんでしょう?

もしここを見られているエンジニアさん、クリエイターさんの方がいらっしゃったらお気軽にコメントください!