心理学的・生物学的にストレスフリーを考える
ストレスフリーというと単に「ムカつくことを減らす」意味合いがありますが、一方でストレスという言葉は心理学や生物学の範疇でもあります。ならばそれらの定義や理論を参考に、何をフリーすればいいかを知ることもできるのでは、と考え、調べてみました。
やりたいこと
本記事でやりたいのは、以下のとおり。
『ストレスフリーとは「ストレス」というものを「フリーする(軽減する・取り除く)」ことであるという前提で、 ストレスとは何か について知りたい』
ストレスについて知ることができれば、あとはそれらをフリーすれば良いだけです。もっと言うと、心理学や生物学は学問ですから、「ストレスとは~~である」といった定義があるはず。~~がわかれば、~~を軽減・除去することでストレスの軽減・除去になります。
ストレスとは何か
ハンス・セリエさんというカナダの生理学者が唱えた説明があります。 ストレスはストレッサー(ストレスの原因)によってもたらされる というものです。ストレッサーがあなたに何らかの刺激を及ぼすと、あなたの心身に変化が生じる。その変化こそがストレスなのだ、と。
であれば、このストレッサーについて知れば良さそうですね。
ストレッサーには以下種類があります。
- 物理的ストレッサー …… 温度湿度、騒音、悪臭、振動
- 化学的ストレッサー …… 酸素欠乏、栄養不足、薬害
- 生物的ストレッサー …… 炎症、感染
- 心理的ストレッサー …… 不安、怒り、恐れ、焦り、憎しみ、妬み
ストレッサーこそが敵である
ストレスはストレッサーによってもたされること、そしてストレッサーには種類があることを述べました。あとはこれらストレッサーの具体例を知り、どうやってフリーするかを考えるだけです。
ということで、以降では各ストレッサーについて、具体例と対処法を見ていきます。
物理的ストレッサー
温度湿度、騒音、悪臭、振動などです。
具体例
- 暑い
- 冷房の効きが弱い
- 直射日光が当たっている
- 寒い
- 暖房の効きが弱い
- 風が冷たい
- 騒音
- 隣人の音漏れ
- 電車やトラックなど乗り物の音
- 悪臭
- 生ゴミや排水口の臭い
- 近くの河川の臭い
- 振動
- 電車やトラックなど乗り物が通った時の振動
- 強風による窓の揺れ
対処法
- 1: ストレッサーから距離を取る
もっと言えば、ストレッサーから距離を取ることを惜しんではいけません。たとえば家ですね。隣人の音漏れに耐えられないのなら防音性の高い部屋を借りるか、一軒家を手に入れるべきですし、新たにやってきた隣人が人の迷惑を考えないモンスターならば、早く引っ越すべきでしょう。
- 2: ストレッサーを無力化する
暑い・寒いなら冷房・暖房を導入するべきですし、暖房があっても足元が寒いなら別途ヒーターを導入するべきでしょう。あるいは、隣人がうるさいのであれば、(マンション等であれば)管理会社に連絡して注意してもらうか、直接手紙や口頭などで伝えます。
ただし隣人など「人が原因となっているストレッサー」については、無力化は難しい傾向にあります。
化学的ストレッサー
酸欠(酸素欠乏)、栄養不足、薬害などです。
具体例
- 酸素欠乏
- 井戸や洞窟(周囲より低地で、CO2など重いガスが溜まりやすい)
- 満員電車(密閉されている&酸素を消費する生物が多い)
- 栄養不足
- 朝食を抜いている
- 三食カップラーメンなど手抜き
- 薬害
- コーヒー、お酒など嗜好品の飲み過ぎ
- タバコの吸いすぎ
- 食品添加物の摂取しすぎ
- 薬の副作用
対処法
- 1: 栄養はちゃんと取る
まずは栄養不足に対する対処法ですが、栄養を取ることです。当たり前に聞こえますが、ついつい軽視しがちです。
僕の場合、神経質に三食きちんと取ることを心がけています。例外はつくらず「何が何でも三食食べるぞ!」という意気込みであり、11時に昼飯を食べるために 10:55 にアラームをセットしていたり、会社でもチャイムが鳴る直前に席を立って早歩きで食堂に行く(態度で示す)などしています。
それから栄養面も考えてます。僕は定食系と中華料理系(野菜や海鮮類が多い)がメインです。たまに魚の定食や納豆定食なども取り入れます。
- 2: 満員電車を避ける。長居しない。頭や身体を使いすぎない。
満員電車で息苦しくなったり、動悸が早くなったりするのは気のせいではなくて、酸素が不足しているからです。
生物的ストレッサー
炎症、感染などです。
具体例
- 炎症
- 花粉症
- ハウスダストによる鼻炎
- アレルギー
- 感染
- 風邪
- インフルエンザ
対処法
- 1: 住む場所を変える
花粉症や鼻炎を軽減する方法として、住む場所を変える、があると思います。
僕は去年から一人暮らしをはじめたのですが、物が多くて狭くてホコリも多かった実家と比べ、今の住まいはとても清潔で、毎年恒例の「一日ティッシュ箱一つを使ってしまうような鼻水魔人」が起きなくなりました。
- 2: 手洗いとマスク
感染を予防する方法として、よく知られているのが手洗いによる手の殺菌消毒と、マスクによる空気感染ガードです。完璧ではありませんが、ないよりはマシです。
- 3: 不特定多数の人間が触れているものに触れない
たとえば電車のつり革やドアノブといったものですね。世の中には汚い人がいて、くしゃみを塞いだ手や鼻をほじった手でそのまま触ったり、なんてこともありえます。ザ・不衛生です。
僕は触れないようにしています。電車では何も握らず堪える or 握るにしても他の人が絶対に掴まないであろう部分を握ってますし、ドアノブは肘などで押して開閉します。
- 4: 抵抗力を下げすぎない
抵抗力を下げる行動として筋トレ、セックスやオナニー、栄養や睡眠の不足、ストレスによる疲弊などがあります。これらが複数個重なると、身体は一気に弱くなり、風邪もひきやすくなります。
これら自分が弱くなる行動について把握し、複数重ならないよう過ごすことが大切です。
心理的ストレッサー
不安、怒り、恐れ、焦り、憎しみ、妬みなどです。
具体例
- 不安
- 明後日のプレゼン、成功するかなぁ……
- 明日 A さんと会うけど、何言われるかなぁ……
- 怒り
- ぶつかってきて謝りもしねぇのか!?
- コイツなんでこんなに仕事できねえの?
- 恐れ
- 昨日も住民同士で言い合いしてたお隣さんが怖い
- え、お尻触られてる、これって痴漢……
- 焦り
- あと二時間で定時なのに終わらないやばい
- まずいお客さん三人待たせてる早く対応しないと……
- 憎しみ
- 公衆の面前で俺に恥かかせたアイツは絶対許さん
- 愛する人を寝取ったあの人は万死に値する
- 妬み
- イケメンはいいよな、裕福な家庭はいいよな
- 俺が二年かけてもできないことを二週間でやるとか化物だろ……
対処法
- 1: 無理して人付き合いをしない
人付き合いはストレスのもとですから、しなくてもいいなら控えましょう。僕は「必要な時や最低限の礼儀以外では、自分から話しかけない」を守ることが多いです。受身とか草食系とも言いますかね。
- 2: ストレッサーから離れる
心理的ストレッサーは対人的あるいは環境的に作用することが多いので、原因となる人や環境を変えない限り、ストレスも止まりません。しかし、変えることは難しいので、自分から離れます。部署や職場を変える、といったドラスティックな行動になることも少なくありません。
- 3: 寝る
夜、疲れた時だとネガティブな感情や思考が加速しやすいので、さっさと寝ます。翌日起きてみるとなんともない、なんてこともざらです。
- 4: 本質的に面倒くさい仕事をしない
僕の場合、接客や営業といった「お客さんと直接かかわる仕事」は絶対に避けています。僕はコミュニケーションの要領が悪く、メンタルも弱く、また面白みも感じない、とまるで向いてないからです。そんな僕にとって、このような仕事は本質的に難しく、また面倒くさいもの。無理ゲーと言っても良い。勝負することさえ避けるのが懸命です。
というわけで、僕は常日頃からそういう仕事はしないぞ、できないぞ、とアピールしています。……これは僕の一例ですが、自分にとって「本質的に無理ゲー」な仕事はあるので、携わってしまわないように全力で回避しましょう。
参考
- メンタルヘルス用語集 ストレス・ストレッサー - 公益財団法人日本生産性本部 メンタル・ヘルス研究所
- ストレスと自律神経|ニキ ハーティー ホスピタル
- ストレスについて - seminor2016_06.pdf
おわりに
ストレスを「ストレッサーがもたらすもの」と捉えました。またストレッサーとには物理的・化学的・生物的・心理的の 4 種類があることも述べました。
このような解釈に頼れば、「私の周囲にはどんなストレッサーがあるか」という観点で、ストレスの原因を洗い出すことができます。原因がわかれば、対処を考えることもできます。「ストレス」という、はっきりしなかったものに対して、具体的にアプローチしやすくなるというわけですね。
僕も改めて洗い出してみようと思いました(そもそも本記事を書いたことである程度の洗い出しになったかとは思いますが)。