毎日定時退社の IT エンジニアが教える「ファイル管理」のベストプラクティス
仕事にせよ趣味にせよパソコンを使う人にとって「ファイル管理」は厄介なテーマです。ファイル名やフォルダ名の付け方とか、どこに何を置くかとか、整理できずに散らかってしまうなどなど……。
語れば長くなる世界ではありますが、今回は端的に「ベストプラクティス」という形で 5 点にまとめてみました。
- 前提
- (1) 表示は「詳細表示」と「名前順」を基本にする
- (2) フォルダ名は YYMMDD_COMMENT にする
- (3) フォルダはワンプレイス原則にする
- (4) ファイル名はわかりやすい名前にする
- (5) ワンプレイス原則の上にルート構造をつくる
- まとめ
- おわりに
前提
本記事が対象とする「ファイル管理」は、以下を前提とします。
- Windows を使っていること
- ファイル操作は GUI がメインであること
- フォルダウィンドウを使う
- コマンドプロンプト等は使わない
- 個人用途で使っていること
- 自分のパソコン上でファイル管理をする
- 共有フォルダなど他人数利用は想定しない
- クラウド、他サーバー、バージョン管理等は使わないこと
では、早速内容に入っていきましょう。
(1) 表示は「詳細表示」と「名前順」を基本にする
詳細表示と名前順を適用した画面の例
↓
なぜ詳細表示?
- 他の表示方法よりもノイズが少ないから
- 他の表示方法よりも情報量が多いから
- ファイルサイズ、更新日時などを一覧で読める
- 他の表示方法よりもファイル名の表示領域が多く、かつ見やすいから
なぜ名前順?
- 「辞書順で先に来る、後に来る」というシンプルなルールでわかりやすいから
- クリック一発でキレイに並べられるから
- 名前を工夫すれば並び順も制御できるから
更新順で見たい・アイコンで見たいといった時はどうするの?
- 見たい時だけ見たい観点で並び替える
(2) フォルダ名は YYMMDD_COMMENT にする
YYMMDD はフォルダ作成日。
- 例: 2019/02/19 なら 190219
COMMENT は自分にとってわかりやすい言葉をつける。
- 日本語で良い
- 自分語で良い
- フォーマットは気にしない
- わかりやすいヒントを散りばめるイメージ
なぜ YYMMDD_COMMENT にするの?
- フォルダが時系列順で並ぶため、記憶を頼りに探しやすいから
- コメント部分を流し読みすれば、探したいフォルダはすぐに見つかるから
- もちろんわかりやすく名前を付けておく必要があります
(3) フォルダはワンプレイス原則にする
ワンプレイス原則とは、一箇所に置くこと。
つまり YYMMDD_COMMENT 名のフォルダがずらりと並ぶイメージになる。
(余談) ファイルフォルダ整理の格言
こんな格言があります。
分類するな、並べよ。 時系列に並べよ。 一箇所に集めよ。
※すいません、こんな格言は無いです。僕の造語です(苦笑)
そもそも 分類という行為は非常に高度な行為であり、その辺の凡人が完遂させることは到底叶わない ものです。これは IT エンジニアという専門職につき、また整理や効率化を趣味とする僕でさえも無理なレベルなので、よほどの方ででないとできないと思います。
なので、分類することは諦めて、わかりやすく並べる ことで妥協します。この妥協を最大限引き出すのが、この YYMMDD_COMMENT ネーミングとワンプレイス原則です。
(4) ファイル名はわかりやすい名前にする
ファイル名の場合、フォルダ名みたいに YYMMDD_COMMENT 形式でなくてもいいです。COMMENT だけでいい。ただ、わかりやすい名前を付けることを惜しんではいけません。
もう一度、名前付けについて抜粋しておきます。
- 日本語で良い
- 自分語で良い
- フォーマットは気にしない
- わかりやすいヒントを散りばめるイメージ
ただし過程や重要度など並び順に意味を持たせたい場合は、接頭辞を工夫します。
例: 作成中のドキュメントのファイル名
分かりづらい例 - 1.txt - 2.txt - 3.txt - 3.txt - コピー - 3.txt - コピー - コピー - 4.txt 分かりやすい例 - 1_とりあえずブレスト.txt - 2_目次も入れた.txt - 3_目次1_わかりづらい没ゴミ.txt - 3_目次2_これで進める.txt - 3_目次3_これ理想だけど分量多すぎて無理_一応置いとく.txt - 4_背景とテンプレート整えた.txt
また、自分が作ったわけではないファイル(ダウンロードやコピーなど他から持ってきたファイル)の名前はそのまま放置せず、自分にとってわかりやすい名前で付け直します。
- 例: TKOFFICEGUIDE20190124.pdf
- → 東京オフィスフロアガイド.pdf
(5) ワンプレイス原則の上にルート構造をつくる
フォルダ一つだけのワンプレイス原則だと実はまかなえません。特殊な用途を持つフォルダがあった方が何かと便利です。
まずイメージは以下のとおり。ルート(てっぺんとなるフォルダ)があって、その下に「ワンプレイス原則用」フォルダと、それ以外の特殊用途フォルダが並びます。
- ルートフォルダ - ワンプレイス原則 ★(1) これだけじゃ足りないので、 - YYMMDD_COMMENT フォルダ - YYMMDD_COMMENT フォルダ - YYMMDD_COMMENT フォルダ - …… - 特殊フォルダ1 ★(2) 特殊なファイルをまとめるフォルダを別途つくる - 特殊フォルダ2 - 特殊フォルダ3 - ……
特殊フォルダについては人それぞれですが、 ddwad(ドドワッド) という整理術 では以下があります。ダウンロード、アプリケーション、文書、作業領域などを特殊フォルダとして確保してます。
- Desktop
- 作業机
- 今まさに取り組んでいる・使っているファイルを置く
- 放置したままにしない。用が済んだら別フォルダに整理する
- Download
- ダウンロード置き場
- ダウンロードしたファイルは全部ここ
- YYYYMM 単位(月単位)でまとめる
- Work
- ワンプレイス原則のフォルダ
- YYMMDD_COMMENT フォルダが並ぶ
- Application
- アプリやツール置き場
- Application\app1、Application\app2 などフラットにする
- Application\editors\editor1 みたいに多階層にしない
- Document
- 参照用の文書置き場
- 規約、ガイドライン、マニュアルなど
- 多階層でも良い。自分にとってわかりやすく分類する(センスが問われる)
最後にルートフォルダについてですが、 C:\ や D:\ など直下が使いやすくて良いでしょう。
まとめ
以上、5 点ほど紹介してみました。
改めてまとめておくと、
- (1) 表示は「詳細表示」と「名前順」を基本にする
- (2) フォルダ名は YYMMDD_COMMENT にする
- (3) フォルダはワンプレイス原則にする
- (4) ファイル名はわかりやすい名前にする
- (5) ワンプレイス原則の上にルート構造をつくる
また名前の付け方については、
- 日本語で良い
- 自分語で良い
- フォーマットは気にしない
- わかりやすいヒントを散りばめるイメージ
おわりに
ファイル管理は奥深いテーマですが、シンプルなルールを心がけるだけでもグンと楽になります。
ファイル管理に悩まれている皆さまの参考になりましたら幸いです。