ガラパゴスタ

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パソコンでずっとキーボードばかり打っている人は何をしているのか

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会社で、まるでテンションハイになった小説家のようにカタカタカタ……とキーボードをずっと打っている人がいます。僕もその一人です。たまに「何をしているの?」と疑問を持たれます。何をしているのか答えます。

1. 操作をキーボードで行っている

ウィンドウやタブの切り替え、ファイルの操作、ボタンなど対象の選択といった操作はほとんどキーボードで行えます。

たとえば「メモ帳に "こんにちは" と書いて、hello.txt でデスクトップに保存する」を行うとしたら、僕の場合、こうします。

  • Win + R キーでファイル名を指定して実行を開く
  • notepad と入力して Enter
  • メモ帳が起動するので、こんにちは と入力
  • Ctrl + S キーで保存
  • ファイル保存ダイアログが出るので、shell:desktop と入力してデスクトップを表示
  • hello と入力して Enter

これで完了です。マウスは一度も触っていません

僕(をはじめキーボード派の人)は、このような操作を他のアプリケーションでも行っています。マウスのカチカチがない分、キーボードのカタカタがあるわけですね。

2. 何をいつやるか、どの順番でやるか、を全部リストアップしている

要するに タスク管理をしています

以下は僕がほぼ常に触っているタスク管理ツールの例です。

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一行に一つの TODO を書き、これをずらりと並べて「今日は "今日やる分" を全部消化すればおしまい!」という状態をつくっています。こうすることで、「これは今日どこかでやろう」「これは明日でいいな」といった判断を 頭の中ではなく、テキストという形で 行っています。

よく頭の中で仕事の段取りを考える人がいますが、無理だと思います。人は一日何十という TODO を抱えています。よほど優秀でないと大体「これやるの忘れてた(やり忘れ)」や「次はどれをしようかなぁ……(迷う時間)」が発生します。

僕は毎日定時で帰りたいし、やり忘れも迷いもなくしたいので、このようなやり方をしています。つまり、(通常は脳内で考えるべき)何をいつやるか、どの順番でやるか、といったことを全部キーボードで行っている と言えます。

言うなれば段取りに関する思考がダイレクトにタイピングという形で反映されるわけですから、タイピング量は多くなります。

3. 思考過程を書き残している

僕は不器用で、特に過程を覚えることが苦手なので、頭の中で思考を進めることも苦手です。

なので考え事をする際は 思考過程を文章におこしながら 考えます。おこした文章を見れば、自分が何を考えてきたのかがすぐにわかります。頭の中で覚えておく必要がなくなります。ラクチンなんですね。

一つ例を挙げます。上司に「~~の勉強会イベントに参加したい」と伝えて許可をもらいたいとしましょう。この時、僕は手元で思考過程を書き殴りながら戦略を練ります。

以下のような書き殴りをします。

~~勉強会について
――
――

なぜ参加したい
面白そうだから

個人的に参加できそう
できる。仕事は順調。数日丸々空けても支障ない。

上司にはどう言う?
面白そうだからでは一蹴
正当な理由を作文しなきゃ
部署内にレポートで還元します ← これだと確実にいけるけどめんどい。最悪これ
もっと楽したい
~~は今の PJ にも絡むネタ。勉強の一環になる。
上司は今のPJとは無関係。詳しいこと知らない
今のPJのマネージャーAさんに伝えて許可もらって、Aさんにも許可もらった、みたいな体にする?
上司はケチ。俺のことは変わり者と認識。ガード堅い。
Aさんは俺を評価してる。毎回締切以内に仕上げる人。信用はある。

あ、今のPJにどう生かすかも考えておかねば
~~の要素技術 XXXX は、PJ で使ってる YYYY の ZZZZ 部分の一手段。
だから
……

もちろん、書き殴ったこれらは適宜消したり、並び替えたり、分類したりしてまとめていきます。

……と、このような思考スタイルをしているため、キーボードでのタイピング量は必然と多くなります。早い話、普通の人にとっての「画面を見ながら考え込んでいる行為」は、僕にとっては ガシャガシャ思考過程を書き殴る行為 みたいなものですからね。

4. プログラムやスクリプトや設定ファイルを書いている

僕は社内でも数少ないソフトウェアエンジニア(ソフトウェアをつくる、もっというとプログラムを書く仕事)をしていますし、少しでも効率化するために多数のツールを導入し、また自分でもつくっています。また、これらツールは設定が設定ファイルという形になっており、設定の変更=設定ファイルの修正です。

というわけで、仕事や日々の設定として、あれこれ書く機会が物理的に多い のです。

5. 手順、ノウハウ、暗黙知などを文章化している

僕は手順、ノウハウ、暗黙知などを文章という形で文章化(ノウハウ化)するタイプです。なぜなら、文章化しておけば後で参考にできますし、ファイルを共有すれば他の人の参考にもなるからです。

インターネットはそうやって発展してきましたし、ソフトウェアの世界でも OSS(オープンソース) はそうやって発展してきました。インターネットは言わずもがな、みなさんが使っているソフトウェアや Web サービスも、そんな OSS によって支えられています。

僕はこんな主義ですから、 仕事で行った手順、身に付けたノウハウ、横たわる暗黙知などはとにかく文章にします。当然ながらタイピング量は物理的に増えますね。

(余談) よほど期限に追い詰められていない限り、このスタンスを崩すつもりはありません。特に人がたまに入れ替わる職場の場合、ノウハウ化しないのは怠慢だとさえ思います。だから新人が来る度に苦戦するし、詳しい人(忙しい人)が指導で時間取られて残業まっしぐらになるし、キーマンが休んだだけでチームが崩壊する。僕のスタンスは、そんないいかげんな仕事のやり方に対する反抗、とも言えるかもしれません。

おわりに

PC でいつもキーボードばかり打っている人は何をしているのか。僕の例を書いてみました。

これは(サボって小説やブログを書いたり、チャットでダベったりしているのでなければ)どの人にも当てはまるかと思います。決して遊んでいるわけではないんです。

以上、疑問の答えになっていれば幸いです。