彼女いない歴=年齢の平社員おじさんが語るプア充の誤解とサンプル
僕は彼女いない歴=年齢の平社員として生きてます。昇進も残業もしないので給料はぼちぼち。ゆえにプア充を目指さざるを得ません。まがいなりにもおじさんと自称できる程度の歴は積みました。そんな僕が考える「プア充」の意味やリアルをつづります。
- はじめに
- プア充の議論で貧困層を持ち出すのはおかしい
- 年収 300 万って月収にすると 25 万だからね
- プア充として生きるなら、何かしら切り捨てる必要はある
- え?「プア充=結婚とか無理」ってこと?
- そもそもなんでプア充で妥協するの?昇進しないの?もっと稼がないの?
- 老後はどうするの? → 知らんがな
- 貯金はどうやって増やす?
- おわりに
はじめに
本記事はプア充提唱者の島田氏(および彼が考える「プア充」)を擁護する意図はありません。
たとえば島田氏はプア充の必須条件として「リア充である」「自炊派である」などを挙げていますが、僕は必須だとは捉えていませんし、そもそも彼のプア充本はリアリティに欠けるところもあり「本当にプア充で暮らしているのかな」と疑問が拭えません。(プア充本については以下をどうぞ)
本記事では、あくまでプア充の定義である 「年収 300 万円」という制約で生きること について、僕なりに体験を交えて見解を出しているだけです。プア充 を(まがいなりにも)実現する方法の一例 とも言えるでしょう。
では早速内容に入ります。
プア充の議論で貧困層を持ち出すのはおかしい
たとえば恋人の過ごし方を扱うブログに
「モテたくてもモテない奴だって腐るほどいるんだよ!」
「少子高齢化が問題になってるのでそもそも恋人を手に入れるノウハウを扱うべきではないでしょうか?」
などと文句を言うのは筋違いにも程があります。
プア充と貧困層もこれと同じです。 プア充が扱っているのはあくまで年収 300 万円レベルであって、それ未満の貧困層ではありません。ゆえに「その程度でプア?なめすぎだろ」などと言われても困るわけです。
プア充という概念は、貧困層という社会問題については取り扱いません。対象は年収 300 万円。それだけのことです。(プアという名前から誤解を生みやすいのは否定しませんが)
年収 300 万って月収にすると 25 万だからね
プア充と聞くと「貧乏」といういイメージが湧きますし、プア充本でも「300万?それってワーキングプアじゃないっすか」みたいな台詞もあります。
しかしワーキングプアでは決してありません。月収にすると 25 万。1日8時間、月に20日働くとしたら、時給換算で 1560 円。
これは 大企業の学部卒新卒の給料レベル(ボーナスは含めない) です。いや、僕も一応大手ですが、アラサーになった今でも月 25 万はないですね……。決しては貧乏ではありません。家族を養うならさておき、一人で贅沢せずに生きていくには問題無いラインでしょう。
プア充として生きるなら、何かしら切り捨てる必要はある
しかしながらプア充の年収 300 万円、月収 25 万というラインは、贅沢ができるラインでもありません。
何かしら切り捨てる必要はあります。少なくとも 一昔前の「愛するパートナーと子ども、マイホーム、車を持って暮らす」なんて水準は到底達成できません。
僕の場合は以下を捨てています。
- 結婚や恋人
- お酒、タバコ、ギャンブル
- 車を持つこと
- おしゃれ(服や美容院にお金をかけない)
- 持ち家
- 飲み会や友達と出かけるなど交際費(そもそも友達もいない)
まとめると、「僕はソロになる(というか性格的にならざるをえない)」と決めた上で、さらにお金がかかる物品や行為を減らしている感じです。これゆえに僕は支出が低く収まり、マンガを大人買いしたり外食メインの食生活をしたりといった消費を実現しています。また、自分を満たすものも上記以外で持っているので、毎日もそこそこ楽しいです。
え?「プア充=結婚とか無理」ってこと?
彼女いない歴=年齢=アラサーの僕はたぶん無理ですが、誰もが無理とは限らないと思います。
結婚については、早い話 共働きなら収入も合算できる ので 年収 300 万というプア水準も脱出できます。
そもそもなんでプア充で妥協するの?昇進しないの?もっと稼がないの?
長時間労働がしんどいからです。
たしかに残業を厭わないほどたくさん働けば残業代が出ますし、熱心な働きっぷりや成果を認められて昇進すれば給料も 10 万単位でグレードアップします。でもこれ、めちゃくちゃしんどいんですよね。
仮に毎日 3 時間残業(月 60 時間残業)したとします。就業終了時間は何時だと思います?
9~18 時が定時の会社では、おそらく 22 時 くらいになります。+3 時間に加え、途中で晩休憩などが +1 時間くらい挟まるからです。で、通勤するのに 30 分かかったとしましょう。帰りは 22 時半です。 月 60 時間残業でも、帰りは毎日 22 時半。1日12時間以上会社にいる生活。こんなのストレス溜まりまくりですよね。当然ながら趣味を満喫する暇もありません。
ここまでして年収を増やしたいですか?
ついでに言っておくと、 ここまで献身したからといって必ず昇進できる保証もありません。昔ならさておき、今は上に高齢者がのさばっているせいで昇進の門が小さいんですね。年功序列とは名ばかりで、既存の高齢者の既得権益のために存在しているようなものです。今の若手に関しては、一部の優秀な献身者しか昇進できません。
さらに言えば、(特に大企業は)会社の仕組み上、昇進できる数を意図的に抑えています。昇進に値する人間が 3 人いたとしても、昇進できるのは 1 人のみ、とかそういう世界です。だからこそゴマすりとかいった概念もあるわけですね。
そして昇進できたとしても、その先には長時間労働が当たり前の世界(仕事量や拘束)が待っています。僕の観測範囲では、管理職(課長以上)で 3 日に 1 日ペースで定時退社できている人はゼロです。今まで何百人と見てきたのに、です。
まとめます。なぜプア充で妥協するかというと、
- 長時間残業で時間を捨てたくないから
- 長時間残業でストレスを溜めたくないから
- 献身したとしても昇進できるとは限らないから
だからです。
老後はどうするの? → 知らんがな
プア充について話していて、よく挙がるのが
「老後に備えないとダメでしょ」
「300万水準じゃ備えられないよね」
といった意見ですが、僕としてはあまり気にしていません。
というのも、先のことを備えすぎて今を蔑ろにするのは本末転倒だと思うからです。これでも僕は青春を真面目に過ごしすぎて棒に振ったことを後悔しています(だからこそソロ充という生き方しか目指せなくなった)し、備えすぎるとストレスで頭がおかしくなることも体験しました。さらに言えば、老いという不自由も迫っています。若いからこそできることもある。それを仕事と備えだけに費やすのはあまりにももったいない。
もしパートナーやお子さんがいらっしゃるのであれば、学費などもありますし、備えることは大切でしょうが、自分一人なら所詮は自分だけなのでどうとでもなります。年金もありますしね(よほどの高収入でもない限りは「ある」と信じるしかないでしょう)。
備えると言うのなら、 日々健康を心がけて食事や運動やストレスに気をつけて、あとは万一の時に動ける程度の貯金を持っておく くらいでいいと思ってます。そもそも、上記のようなことを言っている人に限って、ろくに運動もせずメタボだったり、タバコやお酒をガンガン嗜んでいたりするわけで、全然説得力がない。
貯金はどうやって増やす?
貯金が無いというのはいささか不安ではあります。ある程度あった方が安心です。僕がやっている(やっていた)のは 3 つです。
- パラサイトシングル
- お金のかからない娯楽、趣味、遊びを身に付ける
- 節約
パラサイトシングル は、生活費を親に任せられる生き方ですから、収入=お小遣いになります。僕も一人暮らしを始める前はこれで貯めました。詳しくは以下を。
お金のかからない娯楽、趣味、遊びを身に付ける は、言い方を変えれば お金を使う消費系の行動を日々の楽しみにしない とも言えますかね。僕の例で言うと、趣味はブログ、小説執筆、プログラミング、シャッフルダンスなどですが、いずれもお金はかかりませんし、一日中遊んでいられるくらい楽しいものです。一方、お酒やタバコといった消費はしていません。その分、生活費は安く済みますし、貯金するゆとりも生まれます。
最後の 節約 については、言葉のとおり、節約して支出を抑えるという話です。僕は今は節約はしていません(楽しむことを重視中で貯金を切り崩すこともいとわない)が、これは長くは続かないので、そのうちやろうとは思っています。飲食物を自宅でつくるとか、本は新書ではなく古本で調達するとか、色々あるでしょう。必要になったら着手するつもりですし、節約自体も趣味やブログネタとして楽しみたいなと思ってます。
おわりに
プア充の一実践者として、プア充に関する誤解とサンプルについてまとめてみました。参考になれば幸いです。