彼女いない歴=年齢のアラサーが恋愛でスタートラインに立つための「モテたいわけではないのだが」
一度くらいは彼女をつくって楽しんでみたいが無理ゲーすぎる。何がダメなのかもわからない。どうもスタートラインにさえ立ててない感覚がある。そんな疑問に応えてくれたのが、トイアンナさんの「モテたいわけではないのだが」本です。
足切りの基準を知る
著者曰く、女性は無意識のうちに 恋愛対象たる男性を足切りしている のだそう。
足切りする際、男性にいちいち「あなたはこことここが悪いです」なんてことは指摘しません。結果として、男性側は「なぜか知らないけど相手にされない」「仲良かったはずなのに告白を断られた」という事態に陥ります。
本書は、この足切りの基準について記述したものです。足切りの基準がわかれば、切られないよう対策するだけでスタートラインに立てます。
本について
モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門 (文庫ぎんが堂)
- 作者: トイアンナ
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2018/04/08
- メディア: 文庫
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モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門 (著:トイアンナ )
章構成
全 4 章から成っています。
- 第一章: ファッションをととのえる
- 第二章: メンタルを整える
- 第三章: コミュニケーションをする
- 第四章: 深いお付き合いをする
第一章と第二章が準備編です。見た目の足切りに関する話と、メンタル(心持ち)を整え、また女性慣れしましょうという話です。
続く第三章と第四章が実践編です。スタートラインに立った後、彼女を手に入れるまでのステップ、過程、テクニック、あるいは嫌われた後のリカバリー方法などが雑多に紹介されています。
見た目の足切り
見た目に関する足切りは 2 つあります。
(1) 不潔
いわゆる 生理的に無理 です。本書では「最終的にキスすることになるので、キスするのが無理な人は足切りする」のような説明をしています。
一例として高収入で、おしゃれで、マナーや言動もしっかりしているのにモテない人のケースを紹介しています。彼がダメな理由として、以下のように述べています。
ただ一点、すさまじくメガネと歯が汚かったことを除けば
たったこれだけです。これだけでアウトなのです。不潔とは、そういうことです。一部分だけでも該当していたら、途端に足切りされます。
清潔チェックリスト
p18 にチェックリストが 8 個ほどあります。全部該当して当たり前っぽいなので、当てはまらない方がいたら要注意です。
- 毎日風呂に入っている
- 爪を短く切っている
- 眉やヒゲが整っている
- 歯は白くヤニがない
- 服にほつれがない
- 服装が無難
- 布にシワがない
- フケや膿んだ傷などがない
(2) 服装が奇抜
「服装はおしゃれだったらいいんだろ?」というと、そうでもなく、服装が奇抜だとそれはそれは足切りです。そして奇抜とは ファッション誌にあるようなキザな格好のレベル を指します。
つまり男性側は、ファッション誌を参考にしておしゃれになった気になりますが、それは女性から見ると奇抜になってしまっているわけですね。
「じゃあシンプルに半袖半パンでいいのか」というと、それはそれでラフすぎて NG です。
ではどんな服なら無難なのか、については、本書では写真入りで詳しく取り上げてあります。p22 ~ p49 あたりでしょうか。また男子改造編のコンテンツもあり、15 年間服を買っていないアロハシャツ男性の Before/After 例も載せてあります。
スタンスの足切り
男性の女性に対するスタンス(接し方)にも、実は足切りがあります。
(1) 下心がない
意外にも 下心の有無 が足切りになります。
下心を匂わせないと、「友達なんだな」と思われて(彼氏候補から)外されます。
女性はどうも、相手の男性を友達 or 彼氏候補に仕分けするようです。仕分けの基準は「相手が下心を見せてきたか」だそう。見せてきたら「あ、私に気があるんだな」「その気があるんだな」と捉え、逆に見せなかったら「ああ、この人にその気はないんだな」「友達として仲良くしていこう」となります。
男性が告白に失敗する主因ですが、この足切りが絡んでいます。つまり、
「え?友達のつもりだったのに、なんかいきなり告白してきた!?」
というパターン。言うなれば、下心を持っていないと思っていた相手が、いきなり見せてくるようなもので、びっくりしてしまうそうです。
そんなミスマッチを引き起こさないためにも、ちゃんと 下心は伝える ことが大事だと本書は述べます。もちろん直接的に伝えるのは論外です。どうするかというと、「楽しかったよ」「おしゃれだね」「髪型イイね。どこに通ってるの?」といったように 好感を得ようとする姿勢を見せます。本書では「下心の小出し」と表現しています。
この小出しをすれば、女性側も「あ、この人は私に気があるんだな」と認識し、彼氏候補とみなします。(候補から昇格できるかどうかは別問題ですが)少なくともミスマッチは防げます。
(2) 特別扱いしない
これは美人限定ですが、美人で一目置かれがちな女性は、自分が特別扱いされていることに慣れています。もっと言えば男性が近づいてこなかったり、接するにしても一目置かれたような壁があったり、あるいは(相手が)緊張していたりします。そういったことにうんざり……とまでは言わないでも、退屈しています。当然ながら、そんな扱いをしてくる有象無象など恋愛対象にはなりません。
本書では「美人とばかり付き合えてる男性」を取り上げていますが、その理由として 相手が美人であっても普通に、自然に、対等に接しているから だと述べています。つまり、美人女性から見ても、特別扱いせず普通に接してくれる存在なわけですね。
女性の特徴を知る
ここまで足切りの基準を見た目で 2 点、スタンスで 2 点ほど紹介しましたが、本書では「足切りを超えた後、恋人になるまでのステップ」についても取り上げています。
本記事の目的からは逸れるので、詳しくはまとめませんが、一つだけ。「女性の特徴を知る」と題して、簡単にまとめておきます。
自慢やマニアックネタは受け付けていない
筋肉自慢も熱心な趣味話も白けるだけです。男性側はカッコイイと考えますが、女性からしてみたらどうでもいいことですし、むしろ筋肉は恐怖(力)の象徴で怖いくらいですし、自分を差し置いて趣味に傾注している様も許せません。
もし自慢しすぎたり、マニアックに傾きすぎたりする男性がいたら、百年の恋も冷めます。
刺激的な恋や出会いは求めてない
少女漫画やドラマが好きだから刺激的な恋や出会いが好きなんだろ?というと、そうでもないんだそうで。
あれは作品として安全サイドから楽しめているから好きなのであって、いざ自分が経験する際は恐怖以外の何者でもありません。実際、女性は男性の怖さや気持ち悪さを(痴漢やセクハラや暴力を受けて、またネットなどを見て)知っていることもあり、むしろ警戒心が強いくらい。
というわけで、刺激的な振る舞いをしてくる相手は足切りです。
明確に No とは言わない
(特に親しくなった後は)たとえ付き合う気が無かったとしても、女性は明確には No とは言いません。報復とか怖いし、友達関係も壊したくないからですね。
なので態度や言動でさりげなく伝える、匂わせるということをします。要するに脈なしのサインですね。
例:
- LINE で毎回会話を打ち切られる(例:そろそろ~~だから)
- 会う時間帯が昼ばかり(警戒している or 夜を楽しむ気がない)
趣味=カフェ巡りは嘘
よく「趣味はカフェ巡り」的な記述を見かけますが、あれは他に書くことがないから当たり障りのないこと書いてるだけです。
別にカフェが好きなわけではありません。ここを勘違いして、カフェガチ勢やコーヒーガチ勢などが趣味を爆発させると、上述した自慢やマニアックの足切りを喰らいます。
「出かけるのが嫌いではない」くらいに捉えるのが無難なのだそう。
女性の怒りはバケツ
男性は怒りをコップ一杯くらいまで溜める生き物だそうです。すぐ満タンになって、その場で発散(文句を言うなど)します。
一方、女性はバケツ一杯分溜まるまで耐えます。一見すると(発散がないので)おとなしいですが、ある日、溜まりきったところで一気に溢れます。これについて、本書では
あの時許せなかったことランキングTOP20
と表現しています。
で、恋愛はできそう?彼女はつくれそう
せっかくなので、僕自信の例も振り返ってみましょうか。
まず、僕に彼女できなかった理由は、以下足切りを食らっていたからですね。
- 見た目の足切り
- 服装がださい(半袖半パンなど動きやすさ重視オンリー)
- 服装がシワシワ(面倒くさいのでアイロンとかかけてない)
- ヒゲがたまに手抜き(剃ってない時がある)
- スタンスの足切り
- 下心を全く匂わせていない(むしろ「女性なんか興味ねえし」と硬派を演じるタイプですらあった)
- 女性の特徴に反した足切り
- 筋肉自慢、体力自慢をしている(教室で逆立ちを見せつけるような人間でした……)
- 学力成績自慢、パソコンスキル自慢をしている(承認欲求満たしたいマンでした……)
こうして見ると、結構な数ですね。なるほど、スタートラインにすら立てないわけだ。
これらを改善すれば、少なくともスタートラインには立てるのだと思います。もっとも、それだけで彼女ができるほど甘くはなく、本書でいうと三章や四章のような実践編も必要になってくるのでしょうが、それは追々学べばいいでしょう。まずはスタートラインに立てていることを体験するところを目指します。これ書いてる途中で「ああこれ面倒くさい彼女とかもうええわ」臭が漂ってきてますが
おわりに
女性というよくわからない生き物の生態について、わかりやすくまとまった一冊だと思います。
純粋に読み物として面白かったですし、こんなことすら知らない僕のような人間にとっては実践的でもありました。気が向いたら足切りされないよう自分を整えて、彼女という趣味をたしなんでみたいと思います。気が向いたら……