カーソルキー、Home キー、End キーだけでここまでできる!テキスト編集効率化テクニック8選
Windows でテキスト編集を効率化するテクニックは多数存在しますが、意外と見落とされているのがカーソルキー、Home キー、End キーです。この三つだけでもテキスト編集――特にカーソル移動と文字選択について、相当なところまで効率化できます。
この効率化テクニックをレベル 1 ~ 8 に分けて、まとめてみました。少しずつでも取り入れていくと、日々のテキスト編集がグンと効率化するでしょう。
また、このテクニックは入力ボックスであれば大体どこでも使えます。メモ帳やテキストエディタだけでなく、アプリケーションやブラウザの入力ボックス上でも使えます。とても便利です。
習得も(他のテクニックと比べると)難しくないと思うので、ぜひモノにしてみてください。
レベル1
基本中の基本、カーソルキーです。
カーソルキー自体の解説はしませんが、行頭から行末にジャンプする テクニックが地味に重要ですので、ここで紹介します。
「行頭で←」で前行の行末に
行頭で「←」を押すと、前行の行末に移動できます。
以下の例だと、★の位置から●の位置に移動します。
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト● ★テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト
「行末で→」で次行の行頭に
行末で「→」を押すと、次行の行頭に移動できます。
以下の例だと、★の位置から●の位置に移動します。
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト★ ●テキストテキストテキストテキストテキストテキスト
クイズその1
突然ですが、クイズです。
Question:以下の例で、カーソルキーのみで★の位置から●の位置に移動したい場合、あなたならどうしますか?
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト● テキストテキスト★ テキストテキスト テキストテキストテキスト
実はカーソルキー 3 回分で移動できます。クイズその2の後で解説します。
クイズその2
もう一問。
Question:以下の例で、カーソルキーのみで★の位置から●の位置に移動したい場合、あなたならどうしますか?
テキストテキスト テキストテキスト★ テキストテキストテキストテキストテキストテキスト● テキストテキストテキスト
こちらも同様、カーソルキー 3 回分で移動できます。
クイズの答え
クイズその 1 の答えは「→、↑、←」です。
クイズその 2 の答えは「→、↓、←」です。
あまり直感的でないかもしれませんが、慣れるとごく自然に使えるようになります。行頭と行末をサクサクと移動できて地味に便利です。
レベル2
知る人ぞ知る Home キー と End キー についてです。
これらのキーを使うと、行頭・行末への移動が飛躍的に楽になります。また、後述する操作でも登場しますので、ぜひ覚えておきたいところです。
「Home キー」で行頭に
「Home キー」を押すと、キャレット(※1)が行頭に移動します。
※1 キャレット とは文字入力カーソルのことです。アルファベットI(アイ)の形をしたやつですね。カーソルキーのカーソルと紛らわしいので本記事ではキャレットで統一します。
以下の例だと、★の位置から●の位置に移動します。
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト ●テキストテキストテキストテキストテキストテキスト★ テキストテキストテキストテキストテキストテキスト
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト ●テキストテキストテキ★ストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト
キャレットが行末にあろうと、行の途中にあろうと、とにかく行頭に移動します。
「End キー」で行末に
「End キー」を押すと、キャレットが行末に移動します。
以下の例だと、★の位置から●の位置に移動します。
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト ★テキストテキストテキストテキストテキストテキスト● テキストテキストテキストテキストテキストテキスト
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキ★ストテキストテキストテキスト● テキストテキストテキストテキストテキストテキスト
キャレットが行頭にあろうと、行の途中にあろうと、とにかく行末に移動します。
レベル3
Shift キーを使うと「文字の範囲選択」 が行えます。削除、コピーや切り取りなどを行う範囲指定として使います。
意図した範囲を素早く選択できるようになると、編集効率はグンと上がりますので、ぜひ身につけたいところです。
※本記事タイトルでは「カーソルキー、Home キー、End キーのみ」と書きましたが、Shift と Ctrl については修飾キー(補助的な役割のキー)ということで許してください……。
「Shift キー + →←」で一文字を選択
「Shift キー」を押しながら「→」あるいは「←」を押すと、キャレットの位置から右側の文字あるいは左側の文字を範囲選択します。
以下の例だと、★の位置で「Shift + ←」を押すと (L) の位置まで、「Shift + →」を押すと (R) の位置までが選択されます。
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキスト(L)テ★キ(R)ストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト
複数回押すと、選択される文字が増えます。以下は3回ほど押した例です。
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキ(L)ストテ★キスト(R)テキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト
「Shift キー + ↑↓」で一行を選択
「Shift キー」を押しながら「↑」あるいは「↓」を押すと、キャレットの位置から前行あるいは次行の「同じ位置」までを選択します。
「同じ位置」はテキストによってまちまちなので、いったん無視します。言葉でも説明しづらいです。慣れたらなんとなくわかってきます。以下のような、軽い認識で OK です。
- 「Shift + ↑」で キャレット位置から行頭まで が選択され、さらに前の行も なんかちょっと選択される
- 「Shift + ↓」で キャレット位置から行末まで が選択され、さらに次の行を なんかちょっと選択される
大事なのは 行頭あるいは行末までは確実に選択される ことだけです。その後の「なんかちょっと選択される」部分は、わかりづらいので覚えなくていいです。慣れたらそのうちわかってきます。
一行選択は行頭・行末で始めるクセを
ちなみに、この操作で最もよく使うのは キャレット位置が行頭あるいは行頭 の時です。この場合、「Shift + ↑↓」は 一行分を丸々選択する 操作になります。「ちょっと選択される」がない、純粋な行選択です。
行を扱うことは多いと思いますので、この操作は必須でしょう。レベル1、2を使って素早く行頭・行末に移動し、レベル3で行を選択する――この流れは本当によく使います。
レベル4
Ctrl キー は主に キャレットを一度に大きく移動させる 働きをします。
「Ctrl キー + →←」で単語移動
「Ctrl キー」を押しながら「→」あるいは「←」を押すと、キャレットの位置を次の単語あるいは前の単語に移動します。
「単語」とは何かというと、これが難しいのですが、ざっくり言えば 英単語 です。もっと言うと 半角スペースで区切られた単位 とも言えます。他にも記号系は区切りとして認識されやすいです。ちなみに日本語はほぼ認識されません。
いくつか例を見ていきましょう。
例1:英語の場合
以下の例だと、★の位置で「Ctrl + ←」を押すと (L) の位置まで、「Ctrl + →」を押すと (R) の位置までが選択されます。
Text TextText TextTextTextText TextTextTextTextTextTextTextText Text (L)TextText ★TextTextTextText (R)TextTextTextTextTextTextTextText Text TextText TextTextTextText TextTextTextTextTextTextTextText
英語なので単語区切り(スペース)ごとに移動できます。便利です。
例2:日本語の場合
以下の例だと、★の位置で「Ctrl + ←」を押すと (L) の位置まで、「Ctrl + →」を押すと (R) の位置までが選択されます。
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキスト(L)テ★キ(R)ストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト
あるいは入力フィールドによっては以下のようになるかもしれません。
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト (L)テキストテキストテキストテ★キストテキストテキスト(R) テキストテキストテキストテキストテキストテキスト
つまり とりあえず一文字分 か、あるいは とりあえず行頭・行末まで という極端な選択になります。
(余談) 日本語だと上手く単語認識されない理由は、日本語の「単語」を(プログラムが)認識するのが難しいからです。人間だと「テキスト」という単語だ、と一目でわかりますが、プログラムはそんなに賢くありません。「スペースがあったら単語の区切りとみなす」みたいな、簡単なことしかできないのです。
「Ctrl キー + ↑↓」は色々
「Ctrl キー」を押しながら「↑」あるいは「↓」を押すとどうなるか――それは 入力フィールド次第 です。
- 何の効果もない
- 行頭・行末に移動する
- 高速スクロール(一度に数行以上スクロール)する
などがあります。
入力フィールドによって異なるので、よく使う入力フィールドについては挙動を確認しておき、便利そうなら使うと良いでしょう。
レベル5
レベル 4 の延長で、さらに Shift を加えた組み合わせを見ておきましょう。
「Shift キー + Ctrl キー + →←」で単語選択
「Shift キー」と「Ctrl キー」を押しながら「→」あるいは「←」を押すと、次の単語あるいは前の単語を範囲選択できます。
覚え方としては、レベル 4 「Ctrl キー + →←」の単語移動に、レベル3「Shift キー」の範囲選択効果が加わった、と覚えましょう。
このレベル 5 の使い道ですが、 レベル 3 「Shift キー + →←」で一文字ずつ選択するよりも素早く選択範囲を増やせます。
ただし、レベル 3 でも述べましたが、「単語」の認識が(特に日本語文章の場合だと)甘いので、思うように選択できないことも割とあります。しかし、使っていれば慣れてきますので、積極的に使ってみてください。
レベル6
ここからは Home/End キーに Shift/Ctrl キーを組み合わせていきます。
順に見ていきましょう。レベル 6 では Shift キーと Home/End キーの組み合わせです。
覚え方としては、Home/End による行頭/行末移動に、Shift による選択が加わりますので「行頭までを選択する」「行末までを選択する」、と覚えると良いでしょう。
「Shift キー + Home キー」でキャレットより左側を選択
以下の例だと、★の位置で「Shift + Home」を押すと ● の位置まで範囲選択されます。
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト ●テキストテキストテキストテ★キストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト
また、キャレットが行末にある時にこの操作を行うと、その行を行選択できます。
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト ●テキストテキストテキストテキストテキストテキスト★ テキストテキストテキストテキストテキストテキスト
「Shift キー + End キー」でキャレットより右側を選択
以下の例だと、★の位置で「Shift + End」を押すと ● の位置まで範囲選択されます。
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテ★キストテキストテキスト● テキストテキストテキストテキストテキストテキスト
また、キャレットが行頭にある時にこの操作を行うと、その行を行選択できます。
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト ★テキストテキストテキストテキストテキストテキスト● テキストテキストテキストテキストテキストテキスト
レベル7
レベル 6 では Shift キーでしたが、次は Ctrl キーを組み合わせてみましょう。
こちらは ファイルの先頭(一行目の行頭) あるいは ファイルの末尾(最終行の行末) に一気に移動する操作になります。
覚え方としては、Home/End による行頭/行末移動を、Ctrl による「大きく移動させる」効果で移動量をアップさせるというイメージです。
「Ctrl キー + Home キー」でファイル先頭に移動
以下の例だと、★の位置で「Ctrl + Home」を押すと ● の位置までキャレットが移動します。
●テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキ★ストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト
「Ctrl キー + End キー」でファイル末尾に移動
以下の例だと、★の位置で「Ctrl + End」を押すと ● の位置までキャレットが移動します。
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキ★ストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト●
レベル8
最後のレベルです。レベル 6 で試した Shift、レベル 7 で試した Ctrl を組み合わせます。
これは キャレットより上側を全選択 あるいは キャレットより下側を全選択 する操作になります。
覚え方としては、レベル 7 のファイル先頭/末尾への移動に、Shift による選択が加わる、と覚えます。言い方を変えれば「ファイル先頭までを選択する」「ファイル末尾までを選択する」ということです。
「Ctrl キー + Shift キー + Home キー」でキャレットより上側を選択
以下の例だと、★の位置で「Ctrl + Home」を押すと ● の位置まで 範囲選択 されます。
●テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキ★ストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト
「Ctrl キー + Shift キー + End キー」でキャレットより下側を選択
以下の例だと、★の位置で「Ctrl + End」を押すと ● の位置まで 範囲選択 されます。
テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキ★ストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト テキストテキストテキストテキストテキストテキスト●
おわりに
以上、レベル 1~ 8 に分けて、カーソルキーと Home/End キーの働きについて紹介してみました。
全部身に付ければ、日々のテキスト編集はかなり効率化すると思います。僕も普段から多用しています。この記事を書いている時も何度も使っています。ぜひ練習してみてください。