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「ソロ充」は「ソロ活するリア充」ではないということ

ソロ充について語った記事はごまんとあります。その大半は「ソロ充」を「ソロ活するリア充」と捉えていますが、それはあまりに表面的な捉え方です。「ソロ充」の本質は別にあります。

ソロ充の本質について

ではソロ充の本質とは一体何なのでしょうか。

ソロ充の本質はストレスフリー

ソロ充の本質は ストレスフリー にあります。

もっというと 対人関係という名のストレスを避けたい という 強烈な 思いです。

従来、対人関係はたとえイヤでも避けられないもの、避けてはいけないものだと考えられてきました。対人関係に乏しいことは、それだけでマイナスイメージを植え付けられます。「ぼっち」という言葉はその代表格です。また、実際に「ぼっち」という状態は何かと辛く、また不便でものであり、当人自身も「このままではいけない」「対人関係をもっと頑張らないといけない」と自己否定的になっていました。

しかし、現代では必ずしも当てはまりません。ひとりでも生きやすい世の中になってきているからです。インターネットの発達などで娯楽や趣味も増え、また知ることのできる機会が増えましたし、働き方やライフスタイルも多様になってきています。「対人関係は人生における必需品」という考え方は、もはや古いのです。

それでも人間は社会的動物ですし、社会も一人で完結できるようにはなっていませんから、多かれ少なかれ対人関係は発生します。大半の方は、たとえ辛くてもこれを受け入れ、我慢し、割り切り、また本能的に欲してることもあって努力をします。そうやって日々過ごしていきます。

ところが、そうではない人も一定数存在します。「対人関係に頼ることで生じるストレス」と「対人関係に頼らない生き方を行うことで生じるストレス」を比べ、後者の方が理にかなっているのではないか――と考える人です。

この後者のような考え方こそがソロ充の本質です。

つまりソロ充とは 対人関係という(ストレスフルではあるが、おろそかにはできないと考えられていた)存在から脱却する生き方 だということです。豊かで多様なこの国だからこそ可能となった、新しいライフスタイルなのです。

充実させるとはどういうことか

しかしソロ充という生き方は簡単ではありません。「対人関係に頼る」という当たり前の生き方をしない代わりに、一体どうやって生活を担保すればいいのでしょうか。

もっとも日本は豊かで裕福な国ですから、ワーキングプア層でもなければ生活は可能です。しかし、ただ生きるだけでは満足できないのも人間。 どうやったら自分の人生がより充実するか を考えることは自然なことです。

従来であれば、充実は対人関係によって手に入れます。しかしソロ充は、その対人関係がストレスフルでイヤなわけですから、(対人関係以外の)他の手段で充実を手に入れる必要があります。ここを踏まえた上で、では充実させるとはどういうことでしょうか。

二点あります。

  • (1) 「ひとりではやりづらいこと」を、ひとりでやる(ソロ活
  • (2) 「ひとりではできないこと」ができない分、他の「ひとりでできること」をやる( 多趣味 あるいは 没頭

この二つです。

ソロ活、多趣味、没頭――この三種類のアプローチを駆使して、「対人関係ベースの従来の生き方」以上の充実を掴もうとする生き方。これこそがソロ充です。

対人関係に頼らない生き方の模索

ソロ充においてはソロ活、多趣味、没頭の三つのアプローチが重要だとお話ししました。

しかし、それ以前にそもそも ストレスの元凶である対人関係になるべく頼らないためには、どうしたらいいか を考える必要があります。

当然ながら簡単なことではありません。人間の欲求も、社会というシステムも、対人関係に頼ることがベースになっているからです。考えなしに過ごせば、対人関係の渦に巻き込まれます。 恋人や友達をつくらない程度なら簡単 ですが、学生時代には避けられない集団生活(避けると卒業できないイベントや配属など)がありますし、アルバイトでは同僚やお客さんと絡みますし、就活では面接やグループワークがあります。また、就職すれば多数の仕事仲間や顧客と関わることになります。このように 生きていく上で避けられない対人関係は多数あります

それらは従来から当たり前とされてきた無難な生き方でもありますから、従っていれば生きてはいけます。しかし同時にストレスフルでもあります。耐えられるのなら構いませんが、耐えられないからソロ充を目指すのです。

結論として、ソロ充を目指すなら、このような 「避けては通れない対人関係」に、意識的に抗う必要があります。もちろん「イヤだから」で避けられるものではありませんし、そんなことをすれば人生が詰みます。卒業できませんし、アルバイトでは仕事になりませんし、また就職もできません。それでは困ります。

対人関係を完全に回避することは不可能ですが、ある程度減らすことはできます。そのための 色々な考え方やテクニックがあります。※発展的なトピックなので本記事では扱いません。

まとめ

ここまでの内容をまとめましょう。

  • ソロ充の本質はストレスフリーにある
    • 対人関係というストレス を避けたい
    • 現代ではそのような生き方も現実的に可能となってきた
  • ソロ充が目指すべき充実の戦略は二つ
    • 「ひとりではやりづらいこと」を、ひとりでやる ソロ活
    • 「ひとりではできないこと」ができない分、他の「ひとりでできること」をやる 多趣味 あるいは 没頭
  • そもそも対人関係は勝手になくせるものではないので、意識的に回避していく 必要がある

ソロでありながら充実させるための三つの戦略

ソロ充を実現するにはソロ活、多趣味、没頭――この三種類のアプローチを駆使することだと述べましたが、それぞれについてもう少し詳しく見ておきます。

(1) ソロ活

ソロ活 とは 「ひとりではやりづらいこと」を、ひとりでやる ことです。より具体的に言えば 「ひとり●●」 のことです。

ソロ活とは、要するに「本来は集団で楽しむ ●● という行動を、ひとりでも楽しむ」ことを目指します。ソロ充は対人関係がストレスだからソロで過ごしているわけですが、そうなると集団で楽しめることを楽しめません。

しかし、本当にそうでしょうか?

大半は 単に恥ずかしくて "やりづらい" だけです。できないのではなく、やりづらい。これは言い換えれば 恥ずかしさを軽減できれば(あるいは割り切れれば)、できる ということです。

ソロ活には「一人焼肉」「一人カラオケ」「一人カフェ」といった簡単なものから、「ひとりディズニーランド」といった心理的ハードルの高いものもあります。既に前例は数多く存在するため、気になる●●についてネットで調べると、簡単に情報が手に入ります。

ちなみに僕は ひとりディズニーランド で遊んでいます。

以下は「隠れミッキーチャレンジ」という、ソロ活に向いた遊び方の提案です。

stressfree-fulfilling-solo.hatenablog.com

以下は実際に遊んでみたレポートです。

stressfree-fulfilling-solo.hatenablog.com

勇気と工夫次第で、割と遊べるものです。「恥ずかしいから」で尻込みしていては、あまりにもったいない。ソロでありながら充実させるためには、積極的に調べ、考え、時には割り切ることが重要となります。

多趣味と没頭について

ソロ活は言わば「やろうと思えばひとりでもできること」をやるものでしたが、世の中にはそうもいかないこともあります。

ひとりで過ごす以上、どうしてもできないことがあります。たとえば「恋人とイチャイチャする」「愛する家族とのんびり過ごす」といった経験は、ひとりでは不可能です。こういった 「ひとりではできないこと」の中には、大きな充実(や幸福)に通じるものもあります が、ひとりでいる以上、経験できません。 充実の機会を見逃しているとも言えます

じゃあどうすればいいか(より充実させられるか)というと、 「ひとりではできないこと」ができない分、他の「ひとりでできること」をやって楽しめばいい と考えるのです。

幸いにも時間はあります。対人関係に費やすべき手間を負っていないのですから。

幸いにも精神的余裕があります。対人関係のストレスによって消耗していないのですから。

この(対人関係に浸っていないで余っている)リソースを「ひとりでできること」に費やします。

ここで、ようやく本題に入りますが、アプローチとして以下の二種類があります。

  • (1) 多趣味 …… 広く浅く、色んな趣味を楽しむ
  • (2) 没頭 …… 狭く深く、一つの趣味に没頭する

以下、それぞれについて見ていきます。

(2) 多趣味

多趣味とは複数の趣味を 広く浅く 楽しむことです。

「趣味」というと、何やら本格的にはじめるイメージがありますが、そんな体裁は気にしなくても構いません。大切なのは とりあえず色々手を出してみて、楽しいと感じたものを続ける ことです。どの程度深く取り組んでいるかは関係がありません。極端な話、月に一度、一時間だけ楽しむ場合でも、趣味と呼ぶことができます。

また、「自分が楽しい感じること」についても、実際に体験してみないことには見えてきません。第一印象で「どうせつまらない」と切り捨ててしまうのは、あまりにもったいない。何でも言いますが、実際に手を出してみることが大事です。

さて、その趣味ですが、多岐に渡ります。

たとえば以下のサイトたちでは多数の趣味が登場します。

www.syumisaga.com

あなたの趣味教えて! − @IT自分戦略研究所

ちなみに僕も多趣味を自称しており、プロフィールページにていくつか紹介しています。

stressfree-fulfilling-solo.hatenablog.com

自分に合った趣味が増えれば増えるほど、人生は充実していきます。「あれもこれもやりたいことが多すぎて遊びきれないっ!」という贅沢な状態に陥ることも珍しくありません。

(3) 没頭

没頭とは 一つの趣味を狭く深く 楽しむことです。

これは言うなれば「三度の飯より好き」というレベルです。一日中そのことについて考えたり、何も考えずとも勝手に手が伸びたり、一時間以上平気で取り組み続けたり、といったレベルが没頭です。

僕が思うに、没頭できる趣味と出会えたら、それだけで人生はかなりラッキーだと思います。なぜなら、没頭するだけで充実できるからです。人生≒没頭すること、となり、没頭し続ける環境を整えるために必要最小限の生活を整えさえすれば、あとはひたすら充実タイムです。また、実力と需要があれば 楽しいことをしてお金がもらえる ので、働く必要さえなくなる(仕事は楽しいことなので「働く」という意識はない)という境地さえ可能です。

「そんなこと(何かに没頭する)ができるのか?」

と思いがちですが、(あなたができるかどうかはともかく)できている人は多数います。

僕が没頭している趣味でいうと、以下があります。

  • 小説執筆
  • プログラミング
  • アニメ、マンガ、ライトノベルの消費
  • ブログ(ブロガー)

いずれも「三度の飯より好き」のレベルでハマったことがありますし、僕は今後もそうしたいからこそ日々学習やら効率化やらを頑張っています。

また、近年では特定の題材を取り扱ったマンガが増え、なにかに没頭しているキャラクター(これは空想ではなく 現実に没頭している人を見聞きして生まれたもの です)がイキイキと描かれています。

たとえば将棋。

3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

たとえば自転車。

弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)

弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)

たとえば競技クイズ。

たとえば読書(メインテーマではないですが主人公の中年男性が読書家です)。

このように、没頭という選択肢は現実としてありえるのです。

さて、この没頭ですが、没頭できる趣味に出会えるかどうかは完全に運 です。ただし、多趣味と同じく、行動(実際に手を出す)すればするほど、出会えるチャンスは増えます。

多趣味よりはハードルが高いですが、没頭できる対象に出会えたら、途端にソロ充の人生はうなぎのぼりに充実し始めます。

まとめ

ソロでありながら充実させるための戦略として三点あることを述べました。

  • ソロ活(ひとり●●)
  • 多趣味
  • 没頭

充実とはとどのつまり「楽しむこと」ですが、いずれにしても 実際に手を出してみない限り、楽しいかどうかはわかりません

手を出すのは面倒くさいですし、恥ずかしさも伴います。しかし、充実を手に入れるためには必要なことです。重たい腰を上げ、勇気を持って行動することは、ソロ充において欠かせない資質でしょう。

おわりに

ソロ充の本質について見ていきました。

ソロ充は「ソロ活するリア充」という意味として主に用いられていますが、このような表面的な捉え方では、ソロ充の本質は見えていきません。本質はもっと根深く、ストレスフリー――対人関係というストレスを避けるところにあります。

もっともこれは僕の考え方にすぎませんが、僕はソロ充という言葉を表面的に捉えることには断固反対です。たまに野菜料理を食べたからといって「私ベジタリアンです」とは言いませんよね。そのような滑稽さを感じるのです。

本記事がソロ充について調べている方の参考になりましたら幸いです。