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パソコンの電源は切らずに入れたままで大丈夫です

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パソコンを使い終わったら電源を切る方が多いかと思いますが、次回使う時が面倒くさいですよね。使う度に電源を入れて、パソコンが起動し終えるまで待たないといけません。

昔ならともかく、今のパソコンは優秀なので、故障や電気代の観点で見ても、電源は切らずに入れたまま(付けっぱなし)でオーケーです。

付けっぱなしにするメリット

まずは付けっぱなしにすることのメリットを挙げます。

メリット1. 起動や終了の待ち時間がない

付けっぱなしにしていると、使いたい時にすぐに使うことができます。電源ボタンを押して、起動し終えるまで待つというストレスはありません。

メリット2: 音楽や映像を流せる

テレビを付けっぱなしにしている方もいらっしゃるかと思いますが、それをパソコンで行うこともできます。お気に入りの音楽を流したり、YouTube の動画を流したりすれば楽しくなります。

メリット3: 大きな画面で SNS をチェックできる

不定期にチェックするものの筆頭として SNS があります。SNS のチェックはスマホで、という方も多いかと思いますが、スマホだと画面が小さくて不便です。

パソコンであれば、スマホよりも何倍も大きいので、快適にチェックすることができます。

付けっぱなしにするデメリット(と大した問題ではないことの説明)

最も気になるのが「付けっぱなしにすることで生じる弊害」ですが、たいていの場合、大した問題にはなりません。一つずつ見ていきましょう。

デメリット1. 電気代がかかる

「パソコンを付けっぱなしにすると電気代がかかる」とは、よく言われることです。電気代がかかるのは事実ですが、Web サーバーを動かしているとか、ビットコインや科学技術計算を走らせているとか、そういった特殊な用途でもない限りは 微々たるもの です。

試しに実測してみると良いですが、家庭用パソコンであれば、24時間付けっぱなしにしていても、一月で1000円も行かないと思います。1000円でも高いようなら、後述する「スリープや休止状態」を使えば数百円以内に抑えられます。また、パソコンに「節電モード」「省エネモード」といった機能があるなら、それらを使えば同様に抑えられます。

デメリット2. 故障しやすい

「パソコンを付けっぱなしにすると故障しやすい」もよく言われることですが、故障の要因はそんなに単純ではありません。

故障の要因はもっと複雑で、一言で表せるものではないからです。 壊れる時は壊れます。丁寧に使っていてもパーツの不具合で壊れることもがありますし、逆に素人が電源付けっぱなしで乱雑に使っていても何年も壊れないケースだってあります。

電源の付けっぱなしと故障については、深く考えなくても良いです。むしろ、心配すればその分ストレスになりますから、「壊れる時は壊れる」くらいに割り切りましょう。

ただし、明らかに危ないとわかる「付けっぱなし」は控えましょう。たとえば

  • 夏にクーラーを効かせずに付けっぱなしにする

これが熱が溜まるという意味で危ないことは想像がつきますよね。クーラーを付けっぱなしにできないなら電源を切りましょう(個人的には後述する「スリープや休止状態」をおすすめします)。また、

  • 電源を入れたままでパソコンを運搬する

これが危ないこともなんとなく想像がつくと思います。パソコンは精密機械で、内部では精密なパーツがガリガリと動いています。ここに運搬の衝撃や振動を加えたら、そりゃ壊れる可能性も高いですよね。なので掃除や模様替えなどでパソコンを移動させる時は、電源を切りましょう。

デメリット3. パソコンの音がうるさい

「パソコンを付けっぱなしにしていると、ハードディスクのガリガリ音やCPUのファン音がうるさい」という意見もあります。

これはごもっともで、地味に厄介な問題です。特に寝ている時に、突然パソコンからガリガリと音が鳴ったり、ファンがブオオオと激しく音を立てたりすると「何が起きたんだ!?」と思っちゃいますよね。

これを回避する方法は二通りあって、一つ目は「パソコン側で(音が鳴るような)重たい処理が発生しないよう設定を変更する」ことですが、これは上級者向けなので割愛します。

二つ目は、電源付けっぱなしとは少し違いますが スリープや休止状態を使う というものです。詳しくは次で述べます。

電源オフと付けっぱなしと折衷案 ~スリープと休止状態~

パソコンは スリープ休止状態 といった操作をサポートしています。

これは 電源を落とすほど完全にオフの状態にするわけではないが、付けっぱなしよりはオフに近づける という、折衷案のような機能です。

パソコンを使い終わった時、電源を切るのではなくスリープや休止状態にすることによって、付けっぱなしよりも電気代を抑えることができ、またガリガリ音といった動作音も抑止できます。同時に、パソコンを使いたくなったら、キーボードのキーや電源ボタンを押すだけで "比較的即座に" 再開できます

この "比較的即座に" がポイントです。電源を入れ直した場合、数分以上は待つ必要がありますが、スリープや休止状態だと、これが数秒、十数秒、数十秒にまで縮まります。

スリープと休止状態の違い

スリープは パソコンを一時的に休眠状態にする という意味があります。

スリープを実行すると、パソコンは省エネモードに移行し、画面が切れ、動作音もなくなります。同時に、キーを押したりマウスを動かしたりすると再開する待ち受け処理もセットされます。なので、またパソコンを使いたい時は、キーを押すなりマウスを動かすなりするだけで再開できます。

休止状態は 今の作業状態を記憶したまま電源を落とす ことです。

休止状態を実行すると、今開いているウィンドウやアプリケーションなどの状態が維持されたまま、電源が落ちます。またパソコンを使いたい時は、電源ボタンを押します。すると、通常は一から起動するところですが、休止状態により保存された状態があるので、これが復元されます。つまり一から電源を入れるよりも、素早く「前に開いていた作業状態」に戻れる、ということです。

スリープと休止状態の違い(詳しく)

さて、このスリープと休止状態ですが、細かい違いがあります。見ていきましょう。

  • (1) 再開までにかかる時間

スリープが速い です。

スリープは言うなれば「省エネモード」ですが、このモードを維持するために電力を食っています。だからこそ、キー入力やマウス操作に反応して、素早く再開できるのですね。

逆に休止状態は、電力を食っていません。挙動としては「電源が入った時、ハードディスクに "前回保存された作業状態のデータ" があるなら、それを復元する」という具合になります。あくまで電源を入れてから動作が始まります。

  • (2) 停電によるデータ消滅

スリープだと消滅します

パソコン上のデータは「メモリ」か「ハードディスク(いわゆるファイルですね)」かに保存しますが、ハードディスクに保存していないデータ、つまりメモリには電源が消えると消滅する性質があります。では、なぜそんな不安定なものを使っているかというと、読み書き速度が速いからです。メモリとハードディスクとでは何十倍何百倍と違います。なので、パソコンでは、処理は極力メモリで行い、保存しておきたいデータはハードディスクに保存する、という役割分担をしています。

休止状態の場合、今開いている画面やアプリケーションといった作業状態をハードディスクに保存するので、不意に停電が起きて電力供給が切れてもデータは消えません。しかしスリープは、前述のとおり、言うなれば省エネ運転モードであり、微細な電力を受け続けて動作しています(メモリ上のデータを保存しています)。ここで停電が起きてしまうと、メモリ上のデータは消えてしまいます。

  • (3) 意図しない再開

スリープだと意図していないのにパソコンが再開することがあります

一番単純なのは、机にぶつかったためにマウスが少し動いてしまった、地震や風などで揺れて動いてしまった、といったケースです。また、Windows の場合ですと 重要な更新プログラムを適用する際はスリープを解除する という仕様があったりもします。

こういった 誤検知ならぬ誤再開 は、スリープにはつきものです。これを防ぎたいなら、パソコンの設定を変える必要があります。長くなるので割愛しますが、設定を上手く行うと「キーを押さない限りはスリープ解除されない(マウスを動かしても解除されない)」という状態にまで持っていくことができます。

スリープと休止状態の使い分け

最後に、スリープと休止状態を使うとして、どちらを使うのが良いかをまとめます。

  • Case1. 再開する時はできるだけ速い方がいい

スリープを使いましょう。

  • Case2. 誤再開で勝手にパソコンが立ち上がるのは許せない

休止状態を使いましょう。あるいは、勝手にスリープが解除されないようにする設定について調べてみましょう。

  • Case3. パソコンが休止状態をサポートしていない

スリープを使いましょう。

まとめ

  • パソコンの電源を切るのは、次回使う時に電源が入るまで待たないといけなくてストレス
  • パソコンは電源付けっぱなしでも意外と平気
  • スリープや休止状態という折衷案もある

おわりに

特にパソコンをよく使われる方は、いちいち電源を切ったり入れ直したりするストレスから解放されるためにも、付けっぱなしにする、またはスリープや休止状態を使うことを試してみてください。

起動や終了を待たなくていいのは快適です。