具体的な備考(Concrete Note)
タスク管理ツールにはしばしば「備考」という属性が備わっています。あるいは「タスク名」属性が備考の機能も併せ持っているケースもあるでしょう。いずれにせよ共通するのは フリーフォーマットで好きなことが書ける 属性だということですが、フリーフォーマットは優しいようで実は優しくない性質です。
というのも 何を書けばいいか迷う んですね。タスク管理ツールはタスクを管理するのがミッションであり、管理作業に要するコストは極限まで小さいのが理想ですが、「何を書けばいいか迷う」行為はコストとして見逃せません。どうすればいいのでしょうか。
具体的な指示を与える
答えは単純で、 何を書くかを具体的に指示する ことです。もっというと「~~について~~というフォーマットに従って書け」というレベルで決めてしまうことです。そうすれば迷わないので作業コストは低いですし、フォーマットも統一されているので後から振り返る時も読みやすいです。
このように、何を書けばいいかが具体的に定まった備考属性のことを 具体的な備考(Concrete Note) と呼びます。
- 具体的な備考のメリット
- (1) 作業コスト(何を書くか迷う)を減らせる
- (2) フォーマットが整うので振り返り時などに読みやすい
好例は TaskChute2
具体的な備考として好例なのは TaskChute2 でしょう。
TaskChute2 では「備考」ではなく、もっと具体的な備考に細分化されています。
- タスク実行前のヒント
- タスク実行後のコメント
- 評価
などですね。
選択させるという手もある
具体的な指示を与える例として「選択肢の中から選ばせる」というやり方もあります。
ilovetaskmanagement.hatenablog.com
上記記事で取り上げてますがこちらでも。たとえば具体的な備考として「実行前の気分」と「実行後の気分」をつくり、選択肢として以下3つを用意しておきます。
- (^o^)
- (-_-)
- (X_X)
実際のフォーマットは (^o^) (-_-) (X_X)
のようになるでしょう。それで、記入時はこの中から「選ばない選択肢を消せば」良いのです。気分が普通 (-_-)
なら、 (^o^) (-_-) (X_X)
→ (-_-)
のようになります。これだと BackSpace とカーソルキーだけでできますから楽です(連打するのが面倒という意見もありますが)。
Q: 具体的な備考を記入するのがしんどいです
よくある疑問として「具体的な備考に記入するのが面倒くさいんだけど、どうすればいい?」があります。
どうするべきかはケースバイケースですが、よくあるパターンをいくつか挙げておきます。
1. 面倒くさいのは仕方がない
本質的に複雑なタスク管理になると、備考の記入が面倒くさいのは致し方ありません。
たとえば TaskChute2 でいうと、タスク実行前のヒント、タスク実行後のコメント、評価などを入力させますが、これは TaskChute2 がそういうコンセプトだからです。タスク一つ一つに対して、しっかり所感を入力しておけば、あとで振り返りやすいです。自分の傾向も見えてきます。TaskChute2 は、消化したタスクの分析も念頭に置いたシステム(だと私は思っています)なので、記入内容が多数存在して面倒くさいのは致し方ありません。
2. 飛ばしたい時は飛ばせばいい
備考は毎度律儀に記入する必要はありません。面倒くさい時はスキップしても良いと思います。
ただし、スキップすればした分だけ情報が残らないので、あとで振り返る時に困ります。情報が少なすぎると、振り返っても何も見えてこないので、ほとんど意味がありません(自己満足の日記を見返すようなものです)。
スキップは構いませんが、後から振り返った時に無意味にならない程度の塩梅が必要となります。
3. そもそも振り返る必要があるのか?
そもそも具体的な備考が効力を発揮するのは「後から振り返った時(見返した時)」なので、見返す必要がない場合は、書いても意味がありません。いや、無意味とは言いませんが、日記のような自己満足になるだけでしょう。